家の窓の中で部屋の位置によって、結露しやすい窓というものがあります。
主に北側に面した窓ですが、結露しているのを放置すると窓の額縁部分がカビたり腐食する原因になります。
そうならないよう窓周りのケアをすることが大切ですが、窓枠の傷みがひどい場合には窓枠の交換をすることも検討しましょう。
窓の木枠や額縁が劣化・腐食する理由
外気と室内とを隔て、採光や換気のために開閉する窓は常に結露や雨水などに晒されています。
それらの水分によってサッシの部分に溜まった水が木枠に浸み込み、額縁が腐食する原因になります。
また、日々のケアで腐食することは防げたとしても、長く住んでいればそれだけ劣化は進みます。
こうした経年劣化により額縁の木が痩せて窓と窓枠の間に隙間ができ、その隙間から雨などの水が入り込むことで木枠が腐食することもあります。
さらに、猫を飼っていると爪とぎによって窓の木枠に傷が付き、枠自体が破損することもあります。
他にも、築年数のたった住宅だと様々なことが原因で建付けがゆがみ、窓のサッシや木の額縁部分に水がたまり腐食が進んでいくケースも多くみられます。
住居を過ごしやすくするためには、こういった窓の傷みを放置せず、きちんとケアすることが大切です。
これらの窓周辺の傷みがひどい場合には、窓枠の交換を考える方も少なくなありません。
長く住んでいれば窓の額縁の劣化は必至
カーテンや壁紙などは、一定期間使用すると交換を考える方が多いでしょう。
壁紙もカーテンも、住む人の生活習慣や子供やペットの有無により汚れ方が変わってきます。
時期の速さに差はあっても、これらのものはいずれ交換をすることになるでしょう。
一方で窓や窓の額縁は、毎日使っていても意外と見落としてしまう家具です。
しかも、一度取り付けると付け替えをすることも考えにくく、窓や額縁のリフォームは考えていない方も少なくありません。
しかし、常に室内と外との温度差や湿気、雨風にさらされる場所ですので、家の中でも一番痛みや劣化が激しい部分でもあるといえます。
まずは腐食や劣化を防ぐため、定期的な掃除やカビや傷みのチェックを欠かさず行いましょう。
それでもひどく痛んでしまったときは、窓の額縁全体を交換することになります。
窓枠交換の前に…額縁だけでなく窓周辺もチェックしよう
サッシや額縁部分の腐食がすすむ等、傷みがひどくなってしまったら窓枠の交換をします。
このとき、窓枠だけでなく窓の周辺にも目を向けてみましょう。
窓の木枠が傷んでいるということは、壁面やカーテンにも少なからず影響が出ているはずです。
業者に見てもらえば壁のクロスの劣化まで、すぐに判断してもらうことができますが、相談する前に自身でも窓が取り付けられている壁全体の状態を把握しておくと、交換時の施工の心構えができます。
また、木枠にカビが生えていた場合は必ずカーテンの洗濯やクリーニングをしましょう。
カビの胞子などが付着しているからです。
交換工事で窓枠を新しくしても、カビの付いたカーテンをそのまま使っていたのでは、いずれ家族の体調にも悪い影響を及ぼします。
洗っても落ちない汚れがあるのであれば、この機会に新しいものと取り換えるのもいいでしょう。
クロス、窓枠、カーテンを一新すれば、新たな気持ちでの生活を始めることもできますね。
窓枠の傷みには枠の交換が有効
窓の木枠やサッシが傷んだら、交換をしましょう。
交換をするとなると、内装のクロスや窓のある壁面の外装も関係してきます。
木枠の腐食が進むと、壁の見える部分だけでなく内部にまで影響が出ることもありますので、窓のサッシや木枠の交換時にはよく確認しておきましょう。
交換する場合、サッシの障子部分を外すためビス等を取り外します。
窓枠と壁の間にはクロスを張るためにパテ処理を施していることがほとんどですので、ビスを外したとしてもそのまま窓が外れることはありません。
窓の取り外しをすると、このパテまで取る関係でクロスの破れや裂けなどの影響がでますので、結果的にクロスの張替や補修もセットで行うことになるでしょう。
壁の下地となる石膏ボードにまで腐食が進んでいると、思っていたよりも大掛かりな工事になる可能性もあります。
通常、窓の木枠などの額縁交換工事は材料がそろっていれば1日で終わることがほとんどです。
しかし、補修が必要な個所が複数あったり腐食の範囲が広いと日数がかかってしまうこともあります。
それでも、窓は家全体の居心地を左右する大切なパーツですので、きちんと直しておきたいところです。
古いタイプの窓枠にも使えるスマートカバー工法
窓枠の交換には、壁面への影響がでたり時間がかかるなどのマイナスポイントが存在します。
このような従来の方法(カット工法)で窓の交換は、建てた年代が古い家では予想以上に難しいこともあるようです。
そんな従来の工法に代わる画期的な工法が「スマートカバー工法」です。
この工法では、窓の付いている外壁を壊すことなく、既存のサッシ枠を利用することで新たな窓枠の取り付けができます。
基本的にはメーカーを問わずに様々な条件の窓に対応可能です。
手順を簡単にご紹介しましょう。
【スマートカバー工法の手順】
①すでに取り付けられている窓のサッシや障子を取り外します。
②ジョイント枠で既設窓枠と新設窓枠をつなぎます。
③最後に窓額縁を取り付けます。
この方法で雨戸付きの窓や面格子付き窓などにも対応することができます。
また、外に取り付ける場所の少ない、ひさし付きの窓にも取り付けができます。
スマートカバー工法には取り付けられる窓のバリエーションの他、工事期間が短い事、足場が不要なためコストカットが可能な工法でもあります。
カット工法では壁を切断してサッシを撤去する方法ですので必然的に時間がかかります。
さらに、2階以上の窓の工事の場合は足場を組む必要がありますので、その点でも時間と手間がかかり、コストがかかる工法といえます。
その点、壁面のカットをせず室内からのみの施工をするスマートカバー工法は、工事にかかる時間もコスト面でも従来のカット工法に勝っています。
交換にかかる費用
最後に、窓枠や額縁の交換にかかる費用についてお伝えします。
本記事では、カット工法とスマートカバー工法という2つの方法を取り上げました。
実際に工事をするときには、窓や壁面の状態によって有効な方法を、業者と相談して決めることになるでしょう。
業者に窓を見てもらい見積りを出してもらうので一概には言えませんが、窓の交換費用の相場としては、小窓で約3~5万円、腰高窓で約5万~7万円、掃き出し窓の場合は約8~10万円の工賃がかかります。
このうえに、さらに戸車やグレードの高いガラス窓への交換となると、そのぶん別途費用が請求されることになります。
窓だけでなく腐食が内装やクロスにまで及んでいた場合には、窓の交換だけでなく内装に携わる職人が施工を行うことになります。
複数の職人が関わってくることでも、費用は上がっていきます。
このような費用の実状をみると、工事にかかわる費用はできるだけ安くしたいものですが、窓の交換の本来の目的がなんだったのか、忘れてはなりません。
現状をよくするために最も良い方法を選び、住みよい家にしていきましょう。
窓の交換費用を抑えるためにも腐食を防ぐケアを行おう
窓の交換には意外に多くのお金がかかります。
窓の性能をグレードアップを目的とするならば必然的なことかもしれませんが、劣化や腐食が原因だった場合の交換は住環境にとっても家計にとっても、大きな痛手になるでしょう。
窓周辺の劣化は止められないものですが、日々のケア次第では劣化や腐食の進度を遅くすることができます。
交換に至る前に、窓の手入れを見直すことも大切です。