アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる人の大きな悩みの種となるのが、「隣人の騒音」ではないでしょうか。
騒音は早朝、真夜中問わず、ストレス以外のなにものでもありませんね。
賃貸物件での騒音トラブルはつきものですが、もし騒音に悩まされたときに誤った対処をしてしまうと、余計に話がこじれてしまいます。
そこで今回は、隣人の騒音に悩まされたときの対処法をまとめてみました。
隣人の騒音が真夜中まで響く!相手は無意識な場合が多い
集合住宅に住む多くの人は、近隣住人とのトラブルは避けたいと思っていますよね。
近隣住人トラブルで最も多いのは、やはり騒音によるものです。
騒音を起こす人の中には、日々生活音がうるさい人や、友人を家に招いた時だけ夜中まで騒ぐ人、夜中に楽器を演奏する人など、実に色々なタイプがいます。
そういった人達は、実は悪気は全くなく、無意識で行っている場合が意外にも多いのです。
まれにわざと騒音を出して人に迷惑をかけ、快感を得ている質の悪いタイプもいますが。
そもそも、壁が薄い物件は隣人の音が聞こえやすいのは当然のことです。
これは賃貸物件の構造や防音性能によって大きく違います。
音は空気の振動によって伝わります。
アパートやマンションで周囲の部屋の音が聞こえるのは、音の振動が壁伝いに他の部屋まで伝わってしまうからなのです。
壁の材質や構造によっても振動の伝わりやすさは変化します。
つまり、防音性の違い=建築構造の違いと言えるでしょう。
みなさんの部屋の壁はどうでしょうか。
隣人の生活音が聞こえるということは、自分の生活音も隣人に聞こえている可能性もあるので、気をつけなければいけませんね。
夜中まで隣人の騒音に悩まされた場合の対処法①
隣人からの騒音は、周囲が静かな早朝、深夜の時間帯に特に不快に感じますよね。
夜中に隣人が騒いでいたら、騒音でゆっくり眠ることもできませんね。
では、隣人の騒音に悩まされた時は、どのように対処すればいいのでしょうか。
●騒音の発生元を確認する
振動や騒音は建物を伝わってきます。
ですから、音がする方向は意外と勘違いしやすいものなのです。
自分は左の部屋から音が聞こえてきていると思っていても、実は右の部屋からだった…といった場合もあるのです。
つまり、必ずしも上下左右に隣接している部屋からの騒音とは限らないということです。
音のする方向をきちんと確かめずに、騒音元ではない部屋の隣人に苦情を入れてしまっては、無用なトラブルの種をまくことにもなりかねません。
まずは必ず、騒音の発生元を確認しておきましょう。
また、前項でもお伝えしましたが、そもそも部屋の壁が薄いと自分の生活音も隣人に漏れている可能性があります。
我慢しているのは、お互い様かもしれないことを忘れないでくださいね。
自分だけが被害者だと思い込むのはやめましょう。
夜中まで隣人の騒音に悩まされた場合の対処法②
職業にもよりますが、夜はぐっすり寝て、明日に備えるのが理想的ですよね。
ですから、隣人が夜中まで大音量でテレビを見ていたり、音楽を聞いていると非常に迷惑です。
ここでは引き続き、隣人の騒音に悩まされた時の対処法をご紹介します。
●大家さんや管理会社に連絡する
隣人に直接注意するのは得策ではありません。
近所付き合いが希薄になっている今、隣人がどんな人なのかすらわからない場合も多いですよね。
短気で乱暴な人が住んでいるかもしれません。
あなたが騒音を指摘したら逆上して、身に危険が及ぶ可能性も考えられます。
隣人による騒音問題は、まず大家さんや管理会社に相談してみましょう。
注意されたことを真摯に受け止め、改善してくれる人も大勢います。
直接自分が注意した結果、隣人と話がこじれてしまうことも少なくありません。
その後もその部屋に住み続ける限り顔を合わすこともあるので、お互いが気まずくなってしまいます。
トラブルを避けるためにも、大家さんや管理会社に注意してもらう際は、どの部屋からの苦情か明かさないように念押ししてお願いしておきましょう。
隣人の騒音にイライラしてもしてはいけないこと
隣人による夜中の騒音に悩まされ続けると、ついついイライラして感情的になってしまいますよね。
しかしここはグッとこらえて、冷静に行動してください。
以下のような行動はおすすめできません。
いわゆる「壁ドン」です。
壁ドンとは、部屋の壁をドンドン叩いて騒音に抗議するという行動です。
実際に、怒りにまかせて壁ドンをしたことがある人も多いのではないでしょうか。
感情的になって、つい壁ドンをしてしまいたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、壁ドンが原因で隣人トラブルになってしまうケースがあるのです。
壁ドンは、やられた相手の神経を逆なでする恐れがあります。
壁ドンをしたら、相手にやり返された経験がある方も少なくないそうです。
これではお互いが不愉快になるだけで、何の解決にもなりませんよね。
また、力任せに思い切り壁を叩くと、壁が薄い場合は傷をつけてしまう恐れもあります。
賃貸物件は原状回復義務があるので、退去の際に敷金が戻ってこなくなるかもしれません。
壁ドンは決して円満な解決方法ではありません。
何度もお伝えしますが、騒音に悩まされたときこそ感情的にならず、大家さんか管理会社に相談してくださいね。
次に住む物件は防音性が高いものに!メリットは?
ある程度の生活音はお互い様で、我慢もできます。
しかし、早朝や夜中まで続く騒音は耐えがたく、最悪な場合は精神的にもまいってしまうかもしれません。
賃貸物件にもよりますが、入居するためには敷金・礼金といった初期費用がかかります。
ですから、一旦入居してしまえば、「隣人の騒音がうるさい」という理由だけで簡単に引越すことができないのが現状です。
だからこそ、賃貸物件選びは慎重にしなければいけないのです。
次に住む賃貸物件は、防音性が高いものを選びましょう。
防音性が高い賃貸物件には、以下のようなメリットがあります。
●音が気になったり、音に気を遣うことが少なくなる
防音性が高いと、部屋の内外の音を遮断してくれます。
アパートやマンションなどの集合住宅では、多くの人が暮らしていますよね。
住んでいる距離が近いがゆえに、隣人の生活音が気になってしまうのです。
また、自分の部屋からも音が漏れているかもしれないと思うと、なるべく大きな音を出さないようにと気を遣いますよね。
防音性が低い物件では、誰もが大なり小なりのストレスを抱えてしまうのです。
それがよくある騒音トラブルへと繋がっていきます。
防音性の高い物件であれば、このようなトラブルを未然に回避できるのです。
●保温性が高い
防音性が高い物件は、壁や窓の構造がしっかりしています。
外の空気が部屋の中に入りにくく、部屋の中の熱が外に逃げにくいので、自然に保温性が高まります。
冬場の暖房費も節約できますね。
騒音に悩まされない物件選びのチェックポイント
家賃が安めだと、防音性があまり期待できない物件も存在します。
家賃の安さに安易に飛びつくと、思わぬ隣人騒音トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
自分が騒音元になることも、騒音で悩まされる側にもなる可能性があるということを考慮した上で、慎重に物件選びをしてください。
朝も夜中も静かな環境で生活を送るためには、以下のポイントをチェックしておきましょう。
●建築構造をチェック
木造や鉄骨造よりも遮音性の高い、鉄筋コンクリート物件を選びましょう。
鉄筋コンクリート物件には、柱が無く、壁と床だけで建物を支える壁式構造と、柱と梁で建物を支えるラーメン構造があります。
壁式構造の方が、壁がコンクリートで厚さがある分、防音性が高いのでより安心できるでしょう。
●角部屋を狙う
角部屋は他の部屋に比べて、家賃が高めな場合が多いです。
しかし角部屋であれば、隣り合う部屋の数、隣り合う面積が少ないため、隣人の生活音は気になりません。
人の行き来が気になるようであれば、エレベーターや階段がある方の角部屋は選ばない方が賢明です。
●物件周辺に人が集まりやすい施設がないかチェック
幹線道路・駅・学校などがあると、朝や夜中問わず、にぎやかな場合があります。
騒音は窓から入ってきます。
物件を内覧する際には、ガラスの厚みや二重窓になっているかなどの窓の構造もチェックしておきましょう。
騒音トラブルは賃貸物件で生活している誰もが紙一重
隣人トラブルで最も多いのが騒音問題です。
お互いに悪意はなかったとしても、ほんの少しのきっかけで刑事事件にまで発展することもあるのです。
大きなトラブルに発展しないように、冷静に行動することを忘れずに。
まずは大家さんや管理会社に相談してみましょう。
また、騒音トラブルを避けるためには、防音性が高い物件を選ぶことをおすすめします。