テレビのアンテナ線が古い?快適に視聴するためのポイント

テレビの映りが悪いなと感じたら、アンテナ線が原因の場合があるので、確認してみましょう。

もちろん、アンテナ線が古いからと言って、テレビが見られないとは限りません。

地上デジタル放送を受信するためのチューナーがあれば、アンテナとアンテナ線が古い状態でも大丈夫なことが多いですが、アンテナ線は経年劣化に注意しなければなりません。

アンテナ線の見直しでテレビの映りが改善されることは多いので、確認してみましょう。

テレビの視聴に必要なアンテナとアンテナ線

テレビ放送を視聴するのに、テレビの他に必要なものが、アンテナとアンテナ線、チューナーとブースターです。

地上デジタル放送を受信するためのチューナーがあれば、古いアンテナとアンテナ線でも基本的には視聴できます。

テレビの映りが悪いなと感じたら、できるだけ感度の良い状態に環境を整えたほうが良いでしょう。

アンテナの交換は大掛かりな工事が必要ですし、建物の壁の内部に施工されているアンテナ線の交換は極めて困難です。

自宅の場合は自分の意志で工事を決められますが、賃貸住宅に入居している場合はオーナーと不動産会社の考え方によりますので、希望することはできても実現するかどうかは分かりません。

しかし、ニュースの配信や交通情報、天気予報など生活に欠かすことのできない情報を受信するためには、テレビは生活必需品です。

賃貸住宅に入居しているのであれば、アンテナとアンテナ線の状況確認を不動産管理会社に申し出ると良いでしょう。

アンテナは共用設備として交換や修繕が検討される可能性がありますし、アンテナ線の交換が困難でも、テレビが映るように工夫してもらえる可能性が出てきます。

そしてもちろん、新しいアンテナ線を屋内に配線する施工方法もあります。

テレビのアンテナ線で主流の同軸ケーブル

アンテナ線には種類があります。

アンテナ線を見直そうとして、いきなり電化製品の売場やホームセンターを訪問しても、見分け方を知らないと選ぶのは大変です。

アンテナ線は基本的に二種類なので、

・同軸ケーブル

・フィーダー線

のどちらかが、アンテナ線として施工されています。

ただ、現在の主流は同軸ケーブルです。

つまり、フィーダー線は、古いアンテナ線ということになります。

新しく配線する場合は、基本的に同軸ケーブルを選ぶことになります。

そして、同軸ケーブルは太さと材質によって製品が異なります。

製品は3Cや5Cと表記されていますが、この数字がケーブルの太さです。

数字が大きければ大きいほど、データを損失しにくくなり、テレビの映りも良くなります。

一般家庭用の同軸ケーブルは、3Cから5Cです。

Cという表記は、テレビでの視聴を意味しています。

正確には、Cはテレビ用の75オームを意味していて、インピーダンスを表しています。

同軸ケーブルの製品には、3Cや5Cに続いて2VやFVの表記もあります。

アンテナ線の芯線と編線組との間の絶縁材が、ポリエチレンならば2で、発泡ポリエチレンならばFです。

Vは、編線組がどのような状態かを意味する表記です。

Vは編線組が一重で、外被がビニールです。

Bならば、編線組の内側にアルミテープが使われています。

まとめると、

・太さ

・テレビ用の75オーム

・絶縁材の種類

・編線組の種類

が、3C2Vや5C2Vの表記内容です。

テレビのアンテナ線がフィーダー線なら相当に古い?

同軸ケーブルと対照的に、古いアンテナ線の象徴がフィーダー線です。

屋内の配線では現在でも存続している形状ですが、テレビの映りが不安定になる要素が多いです。

フィーダー線のメリットは、

・簡単に使える(加工も容易)

・低価格

・晴天など天気が良好であれば問題ない

というもので、デメリットは、

・耐久性が劣る

・雨に弱い

・金属を近づけると電波に影響する

というものです。

フィーダー線は、ノイズを拾いやすいのが最大の特徴です。

賃貸住宅であるならば、部屋ごとの配線として加工しやすく、自分で購入する場合でも低価格であることから、魅力的な存在でした。

しかし現在では、地上デジタル放送の受信でノイズを拾い過ぎて画像が乱れる要因となってしまうため、できるだけ同軸ケーブルへの交換が求められると言って良いでしょう。

築年数が30年を越えている木造建築の一戸建てやアパートでは、フィーダー線が施工された当時のままになっている場合があります。

基本的に新築物件では、フィーダー線が施工されることはありません。

アンテナ線を見てフィーダー線であれば、相当の築年数であるか、施工費用を節約した物件であると分かります。

古いだけが原因とは限らない?アンテナ線のダメージ

テレビのアンテナ線は、自然に経年劣化します。

一般的な生活用品などの消耗品とは異なりますが、ある程度の年月の経過とともに硬化していく性質のものだと理解しておきましょう。

同軸ケーブルは、太ければテレビ映りが良い一方で、太いと内部で断線しやすい傾向もあります。

よほど極端に折り曲げたりしなければ断線することはないですが、賃貸住宅のように入居者が変わるごとにテレビ配線を接続し直すケースでは、アンテナ線にダメージが発生する可能性が高まります。

単純に古いからといって交換が必要になるわけではありませんが、何度もテレビ配線の接続を変えている場合は、アンテナ線の向きや角度に応じて内部にダメージが発生している場合があります。

同軸ケーブルの外観では古さを感じさせなくても、接続したテレビの映りが悪い場合は、アンテナ線の損傷具合をチェックしましょう。

賃貸住宅の場合は、不動産の管理会社に問い合わせてみましょう。

「アンテナ線は消耗品」という理由で対応してくれない場合も多いです。

しかし、ケーブルテレビが設置されていたり、テレビ視聴が良好な物件と宣伝している場合は、管理会社が新しい同軸ケーブルに交換してくれます。

ただ、築年数が10年を越えている建物の同軸ケーブルは、ある程度のダメージがアンテナ線の内部に蓄積されていると疑った方が良いかもしれません。

賃貸住宅の場合は、電気の使用契約を締結した上でテレビを接続しなければ確認できないことですが、実際にテレビの映りが悪いときには遠慮なく申し出ましょう。

古いアンテナ線を残したまま新しく配線する方法

テレビの映りを良くするためにアンテナ線を交換したいときは、専門業者に見積りを依頼することから始めましょう。

屋外に設置されているアンテナは、交換が容易です。

しかし、屋内に配線されているアンテナ線は、壁の内部に施工されていることが多いため、基本的に交換は不可能と覚えておくと良いでしょう。

大掛かりなリフォームであれば、壁の内部に施工されているアンテナ線を容易に交換できますが、アンテナ線の交換のためだけに壁材を剥がしてしまうと住宅の強度を弱めてしまうリスクも発生します。

ただ、そうは言っても、壁の内部に古いアンテナ線を残した状態のままで、新しいアンテナ線を屋内に露出して施工するスタイルであれば可能です。

アンテナ線を屋内で露出した状態で施工するときは、同軸ケーブル線を配線カバーで包んでおくと良いでしょう。

配線カバーの色を壁紙の色と合わせて選べば、太い同軸ケーブルでも目立たなくなります。

また、同軸ケーブルが新しい状態でも、接続のときに曲げて負荷を加えてしまうとダメージになるので、配線カバーを付けておくのがオススメです。

同軸ケーブルは、古いからテレビの映りが悪くなるという性質のものではなく、ダメージや断線による劣化が影響するものだと覚えておきましょう。

テレビのアンテナ線と受信感度を把握するポイント

また、テレビの視聴で忘れてはならないのが、受信感度です。

地上デジタル放送の電波が、どの程度で自宅まで届いているのかを把握しておかないと、テレビの映りが悪い原因を正確に特定するのは困難だからです。

受信感度が低すぎる場合は、ブースターで調整します。

ブースターは電波を増幅させる役割を果たすので、受信感度が低い場合に役立ちます。

一方、注意したいのは、ブースターはノイズも増幅させてしまう可能性がある点です。

近所をバイクが走ったときや、自動車が走行するときにテレビの画像が乱れる場合は、ブースターによるノイズの増幅も心配です。

新しく購入したブースターだからと言って、必ずしもテレビの映りをすべて改善できるとは限りませんし、古いブースターでも増幅する役割そのものは同じです。

そのため、ブースターは、経年劣化や損傷をしていないアンテナ線が施工されていて、なおかつ受信感度の状況が良い場合に、テレビ映りが良くなると理解しておくことが大切です。

電気店やアンテナ施工会社などの専門業者に相談するときは、テレビの映りが悪い原因を特定してもらった上で改善してもらうのが効果的です。

専門業者へ依頼すると原則的に出張工事費用が加算されますが、必要最小限の機器の購入と交換で済ませられるメリットがあります。

テレビの映りが悪い時は、アンテナ線を確認しよう!

テレビのアンテナ線が古いからと言って交換が必要とは限りませんが、形状を確認することが重要です。

同軸ケーブルの場合は、経年劣化やダメージの具合で交換を検討します。

フィーダー線の場合は、古さだけではなく性能そのものがノイズを拾いやすいので、交換した方が良いでしょう。

交換が不可能な場合は、新しく配線する施工方法もあります。

壁紙に合う配線カバーを選べば、アンテナ線の保護にも役立ちますよ。