株約定の優先順位を知りたい!指値・成行で順番が先なのは?

  • 2018年12月2日
  • 2019年5月31日
  • 投資,

株式投資の初心者であると、「注文を入れているはずなのになかなか約定しないな」と思ったことはありませんか?

株式注文の方法には「指値注文」と「成行注文」がありますよね。

実は、株式の約定の順番は注文の仕方などで決められているのです。

そのため、なかなか約定しないというケースがあるのです。

ここでは、株式投資初心者の方に知っていただきたい株式の約定優先順位について解説していきます。

株式約定の順番は「成行注文」が優先!

株式投資初心者の方であると、約定に順番があるということについてご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、株式投資を行うのであれば、基本とも言える「約定(=株式売買の成立)」の仕組みについて覚えておきましょう。

株式の買い注文を出していたときに、いつまでも取引が約定せずにどんどん株価が上がってしまったというご経験はないでしょうか。

株式の約定には順番があり、その中でも「成行注文」が優先的に約定されます。

これはご存知の方も多いかもしれませんが、

●成行注文:いくらでもいいから買いたい、売りたいという注文方法

●指値注文:この価格以下なら買いたい、この価格以上なら売りたいという注文方法

となります。

そして、成行注文が優先されたあとにも、株式の約定には優先順位があるのです。

次項にて解説していきましょう。

株式約定の三つの原則

市場では、全投資家に平等でなくてはならず、かつ多くの売買注文をさばく必要があります。

そのため、株式約定において三つの原則を設けています。

さきほどご説明したとおり順番としては成行注文から約定しますが、そのあとにも優先順位がありますのでここでおさえておきましょう。

①成行注文優先

いくらでもいいから買いたい売りたいという成行注文から優先されます。

②価格優先

指値注文が多くある場合、買付であると一番高い価格の注文、売却であると一番安い注文が優先されます。

③時間優先

①と②で注文をさばいたあと、同一の価格で出されている注文については、より早く出した注文が優先されます。

このように、株式の約定においては注文の出し方によって優先順位が異なりますので、より早く約定したい注文については成行注文で出すことが望ましいです。

しかし、成行注文は「いくらでもいいから買いたい、売りたい」という注文方法なので、自分の思わぬ価格で約定する可能性もあります。

(ただし、一日の取引の中で株価の上限が決められている「値幅制限」というものがありますので、これに関しては後述します。)

そのため、成行注文を出す際にはよく確認して注文を出すようにしてください。

株が一部しか約定しないのはなぜ?

株式売買において、一部しか約定が成立しなかったというご経験がある方も多いかもしれませんね。

実は、これも先ほどご説明しました株式約定においての三つの原則に関連して起こる現象なのです。

三つの原則に則って考えると、①成行注文優先②価格優先③時間優先という順番になります。

一番は成行注文が優先され、その次に価格が優先されることになります。

例えば、500株500円の指値で買い注文を出したとしましょう。

このとき、他の投資家が出している成行注文の売買はすべて成立したものと仮定します。

そして、売り注文が200株500円の指値で出ていたとしましょう。

そうすると、500株の買い注文のうち200株のみが約定するということになるのです。

さらに、もしこのとき同じ買い注文が二つ出ていたら、先に買い注文を出している方が優先されることになるのです。

ただし、この時間優先に関しては取引時間内のみに限ります。

取引時間外に出された注文は、すべて同時注文とされることが決められているためです。

それでは、その取引時間外に出された注文に関してもう少し詳しくみていきましょう。

時間の順番関係なし!取引時間外の注文

前項でお話ししたように、市場の取引時間外に出された注文はすべて同時注文とみなされます。

取引時間とは、多くの株式売買が行われている東京証券取引所を参考にすると、平日の午前9時から11時半、午後12時半から3時までとなります。

また、午前中に売買があったとしても、午後の始値が付く際には午前中の注文もすべて含めて同時注文となるのです。

同時注文の場合には時間優先の概念がなくなります。

それでは、価格が同一の注文に関してどう取引が成立するのでしょうか。

この場合、証券会社ごとに売買が成立していくかたちになるのです。

そこでも、決まりがあります。

まず、同一の価格の注文を証券会社ごとで合計します。

そして、注文株数が多い証券会社から順番に配分されることになります。

その順番に従って1売買単位ずつ配分を行い、同時注文すべてが配分されるまでそれを繰り返し行っていきます。

なお、注文株数が同一である証券会社が2社以上ある場合は、最初の注文が早い証券会社が優先して配分されることになります。

次項では、先ほど少し触れました、成行注文をするなら知っておきたい株価の「値幅制限」について解説します。

成行注文するなら知っておきたい株価の値幅制限とは?

話は本題より多少それますが、先ほど少し触れました「値幅制限」についてお話をしておきましょう。

値幅制限とは、一日の取引の中で株価が大きく動くことを防ぐために決められている値段の幅のことです。

聞いたことがあるという方も多いと思いますが、いわゆる「ストップ高」「ストップ安」です。

値幅制限があらかじめ決められていることで、ある銘柄に大きな不安材料が出たとしてもその日のうちにその銘柄の株価が1円なんてことにはならないようになっているのです。

ただし、特例があります。

三日連続でストップ高・ストップ安、かつ取引時間中に出来高がなければ(=売買が成立しなければ)、値幅制限は拡大されることになっています。

株式の約定の順番から話は多少それてはしまいましたが、株式売買をされているのであれば値幅制限についても理解しておくようにしましょう。

それでは最後に、指値注文と成行注文についてもう少し詳しく解説していきます。

約定の順番以外にも知っておきたい指値注文と成行注文の違い

指値注文と成行注文の2種類が出されている場合、成行注文の方が順番としては先に約定することがお分かりいただけましたよね。

その他にも、指値注文と成行注文にはそれぞれメリットとデメリットの違いがありますので分かりやすく比較してみましょう。

まず、指値注文の一番のメリットは、価格を決められるという点です。

そのため、予想してた価格に反して大きな損失を被ることがありません。

デメリットは、場合によってはいつまでたっても約定しないという点です。

先述しましたように、株式の約定には優先順位がありますので、状況によっては約定しないことも大いにあり得ます。

成行注文のメリットは、指値注文より優先順位が先になるので、約定する確率が高くなるという点です。

しかし、予想に反した株価で約定することがあるので、思わぬ損失を出すことも考えられる点がデメリットと言えるでしょう。

株式の約定優先順位を知ろう

株式投資初心者であると、約定に順番があることをご存知ない方も多いことでしょう。

しかし、株式売買を行ううえでは知っておきたい知識の一つでもあるので、これを機会にぜひ覚えましょう。

また、指値ではなく成行注文を出す場合には思いもよらない価格で約定することもありますが、株には値幅制限があることもお分かりいただけたことと思います。

株式は奥が深く、幅広い知識が必要となります。

できるだけいろいろな知識を蓄え、情報を取り入れて、株式投資を成功に導きましょう!