一家に一台はエアコンがあって当たり前の今の時代。
賃貸アパートもエアコンが備え付けられている物件が増えつつあります。
電化製品は便利な一方、壊れた時がなかなか大変で、素人には分からないことだらけです。
ここでは、いざという時、修理をする前に知っておくと役に立つ知識をお話したいと思います。
アパートに備え付けのエアコン、故障した時どうする?
「アパートに備え付けのエアコンが突然動かなくなってしまった。」
「本体からいきなり水漏れし始めた。」
このような非常事態が起きると、ついつい慌ててしまいます。
何をどうすれば良いのか、落ち着いて対処するために、故障の際に取るべき行動についてお話しておきましょう。
・管理会社に連絡する
とにもかくにも賃貸アパートでトラブルが起きた時は、管理会社に電話するのが一番です。
備え付けのエアコンは、アパートの設備になるため、借主の過失による故障であっても、老朽化による故障であっても、修理には大家さんの判断が必要になります。
後々トラブルに発展する場合がありますので、自己判断で修理を行うことはやめましょう。
・エアコンの使用を停止する
「故障したかも?」と思った時点でエアコンの使用はやめてください。
故障に気付いているのに使い続け、結果的に壁や床など、建物そのものに影響を与えてしまった場合、エアコンの故障理由が老朽化であったとしても、使い続けたことによる二次災害は借主の責任になってしまいます。
この場合、壁や床へのダメージを借主の過失によるものとして、修理費用を請求される恐れがあるので、気を付けてください。
アパートに備え付けのエアコンの修理費用は誰が払うの?
エアコン付き賃貸アパートが増えてくるに伴い、故障した時の対処について悩む方は増えています。
自分で設置する必要がなく助かる一方、何か問題が起きた時、修理が必要になった時にどうすればいいのか、費用面など、心配なこともありますよね。
エアコンが故障した場合、先ずは賃貸借契約書と重要事項説明書を確認しましょう。
ここで確認しなければならない点は2点あります。
・修繕費用は誰が負担するのか。
・設備にエアコンが含まれているか。
契約書の特約事項に修理費用が借主負担なのか、貸主負担なのか記載されていることが多いです。
記載が特にされていなければ、契約書の設備の項目に、エアコンが有るか無いかを確認をしてください。
設備の項目に記載されていれば、貸主の義務に基づき、故障した時の修理費用は大家さんが負担することになります。
但し、借主の過失による故障となると借主負担となる場合がありますので、取り扱い説明書で禁止されているような使い方をしたり、掃除を怠ることのないよう気を付けましょう。
設備の項目に記載がない場合は、エアコンは前の住人の残留物であったり、あくまでもサービスで設置してくれている物、ということになります。
この場合は大家に修繕義務はないため、過失の有る無しに関わらず、借主が修理費用を負担しなければいけないのです。
アパートに備え付けのエアコンが古い、交換はして貰える?
賃貸アパートにエアコンが付いていると、便利ではありますが、その一方機種を選べないという難点があります。
今時のエアコンは、性能の向上が著しく、省エネ化も進んでいて、同じ設定温度でも古い機種と比べたら、電気代に大きな差が出てしまうことがあります。
設置してあるエアコンが古い機種であった場合、新しい機種に交換して貰うことは出来るのでしょうか。
入居前の契約書を交わす前であれば、契約条件として交渉は可能です。
新しい機種に交換して欲しいという希望を管理会社に伝え、大家さんに交渉して貰ってください。
後の判断は大家さん次第になりますので、返答を待って、実際契約するのかしないのか、借主さんが判断したら良いのです。
では、入居期間が長期となったことにより、エアコンが古くなってしまった場合はどうなのでしょう。
備え付けのエアコンは大家さんの持ち物です。
それ故に老朽化による故障や、機械本体の問題により修理が必要になった時は、大家さんが修理費用を負担します。
買い替えに関しても、大家さんの判断次第、ということになるのです。
要望を伝えるのはいけないことではないので、とりあえず管理会社に伝え、大家さんに検討して貰えるよう依頼してください。
また、「今後も長く住む予定だから実費でもいいから交換したい!」という場合も、勝手に交換するのではなく、管理会社を通して大家さんに必ず相談しましょう。
残留物のエアコンが壊れた時、修理費用は借主が負担?
残留物とは、以前そのアパートの部屋に住んでいた住人が、引っ越しの際に撤去せず、置いたままにした物のことです。
本来、アパートを解約して出て行く時は、原状回復をしなければいけませんので、自分で設置した家具や家電は運び出さなければなりません。
しかし、エアコンや照明器具、ガスコンロなど、比較的新しい物であったり、説明書があるものであれば、貸主の同意の上、残して行くといった例も少なくないのです。
この残留物は、貸主が許可をした時点で、所有者が貸主となります。
そのため、設備として記載がなくても、所有者が貸主のエアコンを、次に入る借主はお借りしているということになるのです。
貸主からすれば、サービスで貸しているだけですので、例えそのエアコンが故障し、修理が必要になっても、修理費用を支払う義務はありません。
借主からしてみると、借りていたものが壊れてしまったら元の状態でお返ししなければならないため、自己負担で修理費用を賄うことになります。
これがもし、契約書を交わす際に、「残留物は借主に譲渡します」といった内容の特約記載があれば、所有者は契約書を交わした時点で貸主から次の借主に移っています。
そのため故障した時は、修理しても処分しても構わないということになりますが、この場合も譲渡されているわけですから、費用は借主の負担となります。
修理を借主が負担しなければいけない場合の定義は?
先ず、賃貸アパートの貸主である、大家さんが修繕義務を追う場合の条件についてお話しておきます。
・貸主が契約上提供すべき設備である。
・壊れたり汚れたりした原因が借主にない。
・壊れたり汚れたりしたせいで、建物の利用に支障がある。
・修繕が可能である。
これらが当てはまる事例であれば、修理や修復にかかる費用は貸主の負担となります。
つまり、当てはまらない事例は全て、借主の負担になると言えるのです。
・契約書に表記されていない残留物のエアコンが壊れた。
・不注意で壁に穴を開けてしまった。
・使えるけれどデザインが気に入らないから、室内ドアのノブを取り替えて欲しい。
こういった事例は先にお話した、貸主が修繕義務を追う場合の条件に当てはまりません。
そのため解決するには、借主が費用を負担し、行う必要があるわけです。
また、借主負担で修理や交換を行う場合でも、後々出て行く時の原状回復をする際にトラブルになる場合があるので、きちんと管理会社を通して貸主に許可をもらってから行いましょう。
エアコンが故障した時、修理と買い替えどちらがお得?
ある日突然壊れてしまった自宅アパートに設置したエアコン。
「エアコンが使えないなんて困る!修理業者を呼ばなければ。」
誰しもやりがちな行動ですが、業者に電話する前に先ずは保証期間を確認してみませんか?
エアコンには保証期間が付いています。
メーカー保証期間というのは大抵購入から1年ですが、故障した際に確認して欲しいのは、販売店の保証期間です。
今は量販店で独自の保証期間を設けており、5年、7年など長期間の保証がされています。
保証期間内であれば、とりあえず量販店に電話連絡し、出張に来て見てもらうのが良いでしょう。
出張費用もバカになりませんので、保証されているのであれば有効に使うべきです。
もし保証期間外であった場合ですが、期間を過ぎているということは、それなりにエアコンの機種が古い物であることを意味します。
エアコンは10年間程度使用することを前提に作られているため、部品の製造も10年を超えるとストップしている可能性があります。
高い出張費用を払って見てもらった結果、部品の交換が必要と言われ、メーカーに問い合わせたら部品の製造がもうされていなかった、というケースは少なくありません。
保証期間を過ぎているのであれば、一度量販店を見に行くなどして、買い替えを検討することも視野に入れてみてください。
備え付けエアコンでもう損はしない!
賃貸アパートにある便利に思える備え付けエアコンですが、考えようによっては損をしてしまう場合もあります。
「備え付けられてるなんてラッキー!」で済ませるのではなく、契約前に確認すべき点は確認しておきましょう。
様々な視点で検討することで、本当の意味でお得な物件が見つかるはずです。
知ることで損をしない知識を身に付けましょう。