アパートのような集合住宅に住んでいると、「いつも隣人が音楽を流していてうるさい!」というような「騒音トラブル」に遭遇してしまう可能性があります。
こういった騒音トラブルの、被害者や加害者にならないためには、どうしたらいいのでしょうか?
今回の記事では、騒音トラブルを防ぐ方法や対策などについて、詳しくお話ししていきます。
アパートに住んでいると騒音トラブルに遭いやすいのはなぜ?
そもそも、アパートに住んでいると、騒音トラブルに遭う確率が高いのはなぜでしょうか。
これには「建築構造」が大きく関わっています。
アパートやマンションなどの建築構造には、主に3種類ありますので、それぞれの特徴をご紹介していきます。
●木造
軽量なため、通気性や耐震性に優れているという面がありますが、防音性は低いです。
古い木造の物件は、遮音材が使用されていない場合があります。
●鉄骨
軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類があり、素材によっても防音性が変化します。
鉄や鋼を使用しているので、木造よりは防音性が高いでしょう。
●鉄筋コンクリート
鉄筋を組み合わせて、コンクリートを流し固めているため、この中では最も防音性が高いです。
さらに、耐火性や断熱性にも優れています。
以上が主な建築構造の特徴です。
アパートの場合、建築コストや改良面などを考慮され、木造と鉄骨による構造が多いため、鉄筋コンクリートの建物に比べて騒音トラブルが起きやすくなってしまうのです。
音楽が好きな人や、楽器を演奏する人は、物件選びからも対策が必要ですね。
物件選びについては、次項で詳しくお話ししていきます。
音楽好きの人へ!防音性の高いアパートを探すコツ
ここでは実際に、防音性の高いアパートを見つけるためのコツをご紹介していきます。
まずは、前項でもお話しした「鉄筋コンクリート」の建物を探すのがベストです。
この構造の場合、賃料が高めな可能性があります。
「賃料」と「防音」のどちらを重視するか、自分でしっかり検討することも大事ですね。
また、鉄筋コンクリートの建物でも、「壁が薄い」というケースがありますので、内見する時は実際に壁を叩いてみるのがおすすめです。
軽く叩いた時に、音が響くかどうかで判断します。
もしも、高めの音で響くようでしたら、壁にはコンクリートが入っていない構造の可能性がありますので、要注意です。
さらに、内見する時間も重要です。
隣人が帰宅している時間帯に内見をすれば、普段の生活音がどの程度聞こえてくるかがわかります。
こういった点を意識すると、防音性の高い部屋に巡り合える可能性が高くなります。
しかし、いくら防音性に優れた物件に住めたとしても、近隣への配慮を忘れてしまってはいけません。
「鉄筋コンクリートの物件=完全防音」ではありませんので、音楽が好きな人は、騒音対策が必要ですね。
アパート暮らしあるある!騒音トラブルの原因
これまで、建物に関連したお話をしてきましたが、ここからは本題です。
まずは、防音性の低いアパート暮らしの人が陥りやすい、騒音トラブルの原因をご紹介していきます。
●流している音楽やテレビの音量が大きい
自分が思っているよりも、音量が大きめに設定されていることがあります。
イヤホンを使用すれば、音漏れの心配はありません。
●電話や会話の声
会話が盛り上がってしまうと、声が大きくなりがちです。
部屋の中で騒ぐと、近隣の迷惑となります。
●楽器演奏の練習
楽器の音は、離れた場所にまで響きやすいものです。
できるだけ部屋での演奏は控え、防音室やスタジオをレンタルするのがベターです。
●こどもやペットの足音
足音も騒音トラブルの代表格です。
床が薄い構造の建物は、振動が伝わりやすくなりますので、注意が必要です。
●人の出入りが激しい
特に、ドアを開け閉めする音は、建物全体に響く場合があります。
家族が多かったり、友人を家に招く頻度が多い住民は、近隣から苦情がくる可能性が高まります。
原因をいくつかご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
騒音トラブルは、日常生活の不注意によるものが多いです。
些細なことがきっかけで、大きな問題に発展してしまう可能性がありますので、生活音には気を付けていきたいですね。
音楽も遮断したい!アパートでもできる騒音対策について
前項でお話しした、音楽や足音などの騒音は、「壁・床・窓」それぞれに対策をすることで、聞こえ方や響き方の改善につながります。
そこで、アパート暮らしでもできる騒音対策をご紹介していきます。
【騒音対策①壁】
壁には、「遮音シート」を張り付けると、防音効果が期待できます。
これは防音用の建材ですが、通販でも気軽に購入することができます。
張り付ける際には、退去時に剥がせるように、マスキングテープを使うことをおすすめします。
さらに、「吸音マット」というウレタン製の吸音材を併用することで、効果はアップします。
【騒音対策②床】
床には、「防音カーペット」や「吸音ゴムシート」を敷くといいでしょう。
音や振動を吸収してくれますし、床に傷が付きにくくなるなどの利点もあります。
ホームセンターやインテリアショップで売られている、厚めの「コルクマット」で代用することも可能です。
【騒音対策③窓】
窓には、「防音カーテン」を吊るしましょう。
窓ガラスに「防音シート」や「プチプチシート」を貼ることもおすすめです。
是非、お試しください。
音楽を止めて!苦情はどこに伝えるべき?
では実際に、騒音トラブルに遭ってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。
もしも、面識のない相手が加害者だった場合、いきなり押しかけて直接注意をすると、感情的になりやすいので、相手の反感を買ってしまう可能性があります。
逆上した相手と、さらなるトラブルに発展していくことになりかねませんので、やめておきましょう。
アパートを管理している、「大家」または「管理会社」を通して注意してもらうのがベストです。
この時、「毎晩9時頃に大音量の音楽が1時間ほど流れているので、とても迷惑をしています」というように詳細を伝えると、第三者でも状況が把握しやすくなります。
また、「どうしても自分の気持ちを相手に伝えたい!」という人は、共有の掲示板や手紙を通して、文面で注意してみましょう。
間接的に伝えることで、相手も冷静に苦情を受け入れてくれることがあります。
さらに、何度苦情を言っても改善しない場合は、各自治体の公害相談窓口を訪れてみるのもいいでしょう。
状況次第で、専門の職員が指導を行ってくれます。
大きな問題に発展する前に、解決していけるといいですね。
騒音トラブルを回避するにはどうすればいい?
最後に、自分が騒音トラブルの加害者にならないために、注意すべきポイントをご紹介していきます。
●挨拶回りをする
まず、アパートに引っ越してきた際には、挨拶回りを兼ねて、自分の生活リズムや状況を報告しましょう。
例えば、こどものいる家庭の場合、「足音や声が響いてしまうことがあるかもしれません」という旨を事前に伝えることで、多少の物音でクレームがくることは少なくなります。
また、仕事が夜勤の人は、「昼間は寝ているので、静かにしていただけると助かります」と伝えるだけで、配慮してくれる場合があります。
近隣の住民と、積極的にコミュニケーションをとることが、トラブル防止策になるでしょう。
●家具の配置を変える
生活音を漏らさないようにするためには、家具の配置にも意識を向けてみましょう。
例えば、テレビや音楽プレーヤーが壁沿いにある場合、隣の住民に音漏れする可能性がありますので、少し壁から離した位置に配置するといでしょう。
こういった工夫が、騒音トラブル回避のポイントです。
騒音トラブルは日常生活の延長線上で起こる!
アパートに住んでいると、騒音トラブルに遭いやすくなります。
誰しも、他人の生活音は気になるものです。
住民全員が、「同じ建物を共有しながら生活している」という意識を持つことが大切です。
また、防音対策をすることで、日々快適に過ごすことができるでしょう。
厄介な騒音トラブルを回避するためには、今までの生活や習慣を見直してみることも必要ですね。