株取引において注意が必要な寄り天!予測や対策は出来る?

  • 2018年10月9日
  • 2019年5月31日
  • 投資,

超低金利時代の昨今、銀行預金の利息はほとんど意味のないものとなってしまいました。

そこで、株などの投資を始めて、資産を運用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、株をやっている方なら遭遇したくないと思う「寄り天」についてくわしくみていきましょう。

株のリスクについて、今一度考えてみましょう。

株取引における「寄り天」とはどんなものか

「寄り天」を知るためには、「高値」と「寄り付き」を知らなければなりません。

まず、「高値」ですが、これはある期間の取引の中で付いた最も高い値段のことを指します。

1日・1週間・1ヶ月・1年などと区切られた期間の中での値段を指すこともあれば、「上場してから」などという期間を指すこともあります。

反対に、最も安い値段のことは「安値」と言います。

続いて「寄り付き」ですが、これは株取引の時間に関係する言葉です。

日本における株式市場の取引は、午前9時から午後3時までとなっています。

「寄り付き」は、株式市場が開いてから最初の取引のことを指します。

これらの2つ「高値」と「寄り付き」が関係するのが「寄り天」です。

「寄り天」とは、その日の高値が寄り付きであったことを指す用語なのです。

寄り付き以降の取引において、売りの力が強く、株価が上がらなかったことを示しています。

また、反対に寄り付きがその日の安値だった場合は「寄り底」と呼びます。

寄り天ですがリスクの可能性があり、投資家としては出来れば避けたい事態なのです。

寄り天について、くわしくみていきましょう。

寄り天が起こる流れとは?

寄り天は、寄り付きで高値になることですが、どうしてそのような動きになるのでしょうか。

寄り天は、板寄せでの買い注文が多いときに起こります。

取引所では、市場が開く前の午前8時から午前9時の間も株の売買の注文を受け付けています。

この時間帯は、「板寄せ方式」と呼ばれる方式で売買を成立させます。

この時間帯に買い注文が多くあると、寄り付きが高値になるのです。

しかし、市場が開いた後の取引では売り注文が多く、どんどん右肩下がりになってしまうと寄り天となってしまいます。

板寄せで買い注文が多くなる可能性として、IR情報やニュースなどで良い情報が前日に発表されるということが挙げられます。

株価が上昇する期待が高まり、板寄せでの買い注文が多くなるのです。

このような「期待」だけで株価が動いた場合は、反対にリバウンドするというケースが多くみられます。

株価が急上昇した後は、さらなる上昇への期待が高まっていると考えられると同時に、利益確定の売り注文が出やすい場面と捉えることも出来るのです。

寄り天におけるセオリーは?

では、寄り天になるとどんなことが予測出来るのでしょうか。

投資している株が寄り天になったら注意が必要です。

まず、考えられることとして、寄り付きの株価が上値のめどとなる可能性があります。

寄り天は、寄り付きの株価を上回るような買い注文がなかったということですので、上昇する余地はあまりないと考える投資家が増えていきます。

すると、売り注文が加速していきますので、さらに株価が下落することにつながります。

ですから、寄り天になったときに株を売り損なってしまった場合、どんどん利益が減っていくという可能性があります。

寄り天になった場合は、その株価が直近の高値になることが多いのです。

また、寄り天になったときにその株を購入すると高値掴みとなり、その後は売りたくても売れないという状況になってしまうこともあります。

反対に、寄り底の場合、その株価が直近の底値になる場合も多くあります。

予測は株の大事な要素!寄り天を予測するには?①

保有している株が寄り天になってしまうと、その後も株価を下げ続けるという事態になる可能性も大いにあります。

出来ることなら寄り天を回避したり、対策をとっていきたいものですよね。

では、寄り天の可能性を予測していきましょう。

寄り天になる可能は、大きく4つあります。

①保有株が割高な場合

まず、保有株の株価は割高かどうかを考えます。

その株が割高か割安かを調べるには、PERという指標を使います。

PERを簡単にご説明すると、「現在の株価が1株あたりの純利益の何倍か」を示した指標です。

これは「株価収益率」を表していて、日本の上場企業のPERは約15倍が平均とされています。

そのため約15倍を基準とし、それよりも高ければ割高、低ければ割安として考えていきます。

保有株が割高だった場合に、良い情報が出されると寄り天となる可能性が高くなっていくのです。

②25日移動平均線とのかい離率が30パーセント以上ある場合

かい離率とは、株価が移動平均線からどれだけ離れているかを表す指標です。

移動平均よりも株価が高い場合はプラスかい離線、株価が低い場合はマイナスかい離線と表します。

移動平均線が1000円、株価が1100円の場合のかい離率は10パーセントとなります。

このかい離率が30パーセントを超えているときに、良い情報が出ると寄り天になりやすくなります。

予測は株の大事な要素!寄り天を予測するには?②

③前日がストップ高の場合

ストップ高の次の日は、寄り天になる可能性が高くなります。

株価が1日のうちで極端に上がりすぎる、または下がりすぎることを抑えるために、1日の上限と下限が決まっています。

これは値幅制限と呼ばれるもので、株価に応じてその上限・下限が決まっています。

この値幅制限いっぱいまで株価が上昇することを「ストップ高」と言います。

反対に「ストップ安」は、値幅制限いっぱいまで株価が下落することです。

ただし、ストップ高になるほど良い情報が出ている場合ですと、直近にその株価を超えていく可能性もあるので、市場の動向に注目していきましょう。

④掲示板の盛り上がりが激しい場合

株価がすでに割高であるのに、掲示板での買い煽りの動きが激しい場合は注意が必要です。

良い情報が発表されたときは、掲示板の動向も参考にしてみましょう。

掲示板は、大口投資家などが情報を操作していることも多いです。

初心者は、「上がる」というイメージを植え付けられてしまうと、寄り天で買い注文を出してしまい、結果高値掴みだったということにもなりかねません。

その株が本当に上昇株だった場合は、寄り天でないことを確認してから購入しても遅くはないでしょう。

寄り天で失敗しないために

寄り天が予測出来ず、苦い思いをしている方も多いのではないでしょうか。

では、寄り天になってしまった場合はどんな対応をとれば、損を少なくすることが出来るのかをみていきましょう。

寄り天のときの失敗は「売り損なう」ということです。

寄り天になると、売りのタイミングが分からず、利益確定が難しいです。

「ここから反発するかもしれない」などと売りをためらっているうちに、株価の下落が止まらないということはよくあります。

もっと早く利益確定しておけばよかったと思うことでしょう。

対策としては、寄り天になりそうな場合は、寄り付きで売るという方法があります。

先ほどご紹介した、寄り天になりそうな場面になったら、翌日の寄り付きで売ってしまいましょう。

慣れている方ですと、翌日が寄り天になりそうなときは、後場買い・翌朝売りという変則的なデイトレードで利益確定が出来るでしょう。

特に初心者は寄り天に注意!

寄り天と、寄り天になりやすい場面などがお分かりいただけたと思います。

株投資初心者の方は、特に寄り天に注意が必要です。

寄り天になりやすい場面は「買いたくなる場面」であることが多いからです。

株価を予想することは難しいですが、冷静な判断や損切りをしっかり行っていきましょう。