新築の物件を建てたら、家屋調査への心構えが必要です。
固定資産税を決めるために調査するのですが、安くなるようにする方法や対策はあるのでしょうか。
初めて家屋調査員が来る前に、知っておきましょう。
固定資産税に響く?家屋調査で準備するもの
新築時の家屋調査の固定資産税対策について書く前に、何を準備しておけばいいのかについてご説明します。
・間取り図面(平面図・立面図)
・長期優良住宅認定通知書等の写し
・その他、建築確認申請書・建築業者からの資料など
準備するものはこれくらいですが、木造か非木造かによっても異なりますので、これが全ての方に当てはまるわけではありません。
必ず必要になる間取り図面は、調査・査定の際に書き写したりして使用します。
調査時間は30分~50分程度です。
また、調査するだけではなく、評価基準や固定資産税について説明されることも多いようです。
もし、評価方法などで疑問点があれば質問しても大丈夫です。
コミュニケーションを取りながら立ち会うと、意外に早く終わるものですよ。
家屋調査の流れって?対策で隠すのはNG
新築で家を建てた場合、家屋調査は初めてで、不安を感じている方も多いと思います。
少し具体的に、家屋調査でどんなところが見られるのか、対策はあるのか、ご説明していきましょう。
調査についてポイントとなる点ですが、高価な備品を設置していると課税率が高くなります。
例えば、天井埋没型エアコン、大理石、暖炉などが該当します。
さらに、壁面仕上げも見られます。
サイディングかレンガかで、施工費用も異なりますし、それが調査に影響するのは想像に難くありません。
そうしたところも調査員はじっくり見ていきます。
これについては、固定資産税を安くする対策として、隠したりするわけにもいきません。
家屋調査では、ありのままの状態を見てもらう、というのが基本です。
固定資産税が高すぎる!家屋調査の対策
家屋調査が影響して固定資産税が決定しますが、「納得がいかない」という理由で所有者が裁判を起こすこともあるようです。
ですが、それが勝訴になった判例はほとんどありません。
つまり、家屋調査が終わり、固定資産税が決まったあとにできることは何もない、ということです。
それなら、家屋調査の時点で何か対策はあるのでしょうか。
この点も、実際の所、安くしてもらうための駆け引きや注意点はありません。
例えば、調査員の審査が高く判定された場合に申し入れる、というくらいのことはできますが、それが通るかというと難しいものがあるようです。
ただ、調査員によっては慣れていなかったり、専門ではない場合もあり、人間ですから間違いもします。
ですから、調査が来る前に、前もって少し勉強しておくといいでしょう。
大手のハウスメーカーに聞くと、固定資産税評価額の相場を教えてくれる場合もあります。
場合によっては、ハウスメーカーの相場が違って課税されてしまうこともあります。
そのためにも、まずは固定資産税のことを知っておくことも大切でしょう。
もっとくわしく!家屋調査で決まる家屋評価の仕組み
ここまで、家屋調査対策などについてお話してきましたが、決定した固定資産税に納得できないこともあり得ます。
「こんなに支払うのか...」とがっかりしてしまう方も多いのです。
先ほど、相場はハウスメーカーの人に聞けば分かる、ということを書きましたが、実は一人で簡単に知る方法もあります。
「固定資産税縦覧制度」というものを利用しましょう。
毎年、4月1日~4月30日までの30日間だけ、所有する資産の同一区に限り住んでいるところの区(市)役所、もしくは町村役場で、課税台帳を確認することができるのです。
そして、相場を見て課税額に納得できないなら、「固定資産評価審査申出制度」がありますので、区市町村の固定資産評価審査委員会に審査してもらうよう、申し出ることが許されています。
ほとんどの場合、評価額が大きく変わることはありませんが、大きな不作為があれば適切に対応してもらえます。
対策はないけれど節約はできる!固定資産税の支払方法
家屋調査後に固定資産税が決定したら、その額の変更はめったにできませんが、1%~1.2%分くらいなら安くする方法があります。
それは電子マネーnanacoを利用して支払う方法です。
nanacoは、「税金納付機能」がある電子マネーです。
nanacoで固定資産税の支払いをしても、ポイントは付きませんが、一部のクレジットカードからチャージされると、チャージ分のポイントが付く、という仕組みがあります。
そのため、クレジットカードでnanacoにチャージしてから固定資産税や税金を納めれば、間接的ですがポイントが付与されるのです。
nanacoにチャージしてポイントが付与されるクレジットカードには、下記のカードがあります。
・リクルートカード ポイント付与率1.2%
・ヤフージャパンカード ポイント付与率1%
このようなポイントは、固定資産税対策というほどのものではありませんが、何も割引されないよりマシですよね。
ちなみに、リクルートポイントは、ポンタポイントとしても使えます。
一部スタンドでのガソリンの支払いや、ドコモ料金の支払いにも使えるため、オススメです。
固定資産税の家屋評価の計算方法
最後に、固定資産税の家屋評価の仕組みについてご紹介します。
家屋の評価額ですが、「再建築価格×経年減点補正率×評点1点当たりの価額」で計算されます。
家屋調査での評価方法にも一定の基準がありますが、担当者によって審査の細かい点は任されている部分もあります。
しかし、この計算式は統一されています。
少し難しく感じるかもしれませんので、それぞれの単語について簡単にご説明します。
・再構築価格
国の定めた基準に基づいて、新築の家屋の各場所において点数を設けて算出された建築費が再建築価格です。
・経年減点補正率
家屋が建築後、年数を重ねるとともに劣化し減価する点を考え、再建築価格に一定の率を掛けます。
ある木造専用住宅では、新築から1年後が0.8、2年経つと0.75といったように、年数によって経年減点補正率が減少します。
最終的には0.2まで低下します。
これ以下に下がるということはありません。
・評点1点当たりの価額
こちらは、さらに計算式があり、「評点1点=1円×物価水準による補正率×設計監理費等による補正率」で求められます。
物価水準による補正率は、1.00~0.90までの率で定められ、設計監理費等による補正率は木造の場合、1.05が一般的です。
また、固定資産税には新築住宅に対する軽減措置があり、一般住宅では3年間、長期優良住宅の場合5年間、固定資産税が1/2になる措置があります。
少し難しいですが、細かい税金の計算方法について興味を持つのも、一家の主としての自覚が芽生えたという証拠です。
そこからぜひ、他の税金対策についても学んでみてくださいね。
事前に相場やポイントを学んで家屋調査にのぞもう
家屋調査の対策があれば、多くの方が試したいと考えることでしょう。
ですが、「不便なお家を建てる」、「高級な備品を隠す」なんてことをするわけにはいきませんよね。
前もって調べておくだけでも、実際に調査員が来た時に「こんなものか。」とあきらめがつくかもしれません。
また、ポイントがつくカードの利用もオススメですよ。