分譲マンションの騒音あるある、上の階の音が我慢できない!

分譲マンションは、一軒家と同じく一応の終の棲家として購入するものです。

そんな新しい我が家に入居したとたん、上の階からドタバタと騒音が…。

せっかく購入した我が家が、こんなトラブルに巻き込まれたとしたら、みなさんはどうしますか。

分譲マンションの騒音問題、苦悩は賃貸の比ではない

分譲マンションを35年ローンで購入し、いざ入居してみたら上の階の騒音がひどいという場合、非常に悩ましいですね。

なぜなら、賃貸マンションと違い、簡単に引っ越せないからです。

もちろん賃貸マンションの引っ越しも、費用も労力もかかるのでかんたんではありませんが、分譲マンションはその比ではありません。

100万円以上の諸費用を支払って契約し、35年返済の大きな借金をかかえてやっと手に入れた新居です。

新生活に対する夢も希望もいっぱいで、意気揚々と入居したのです。

それが、上の階の騒音のせいですべて諦めて引っ越しするなど、ありえないことでしょう。

とはいえ、それは上の階の入居者も同様で、一生の棲家と考えているはずです。

では、どうすればよいのでしょうか。

選択肢は2つ、我慢するか、抗議するしかありません。

我慢できるなら我慢する、我慢できないなら抗議するしかないのです。

もし、抗議することを選択した場合、具体的にどのような方法が考えられるでしょうか。

分譲マンションの上の階の騒音は、ある程度予防できる

実は、分譲マンションの上の階の騒音問題は、少なからず発生しています。

悩み相談などのサイトでもよく取り上げられ、それに対する解答も数多く寄せられる問題といえます。

つまり、同じ悩みを抱えている人が多い表れでしょう。

ということは、分譲マンションを購入する際には、騒音問題に対するある程度の覚悟をもって購入しなければならないともいえます。

ただ、購入する前ならば、自分でできる予防策がひとつだけあります。

それは、マンションの構造や遮音性能を確認して物件を選ぶということです。

このような点は、賃貸マンションではなかなか確認が難しいですが、分譲マンションは必ず構造や遮音性に関する資料があります。

わからなければ、営業マンに確認してもらう手段もあります。

目安としては、構造壁のコンクリート厚が180ミリ以上、床と天井のコンクリート厚が200ミリ以上かどうかです。

コンクリートの厚さは、人が飛び跳ねたり、重いものを落としたときのドスンという重量床衝撃音に関係しており、厚いほど騒音が小さくなります。

また、床材がどんなものかも重要で、フローリングがふわふわした遮音材つきであるか確認しましょう。

床の遮音等級を表す数値がありますので、それがL45以上、できればL40であることが望ましいといえます。

これは、スプーンを落とす、椅子を引くなどの軽量床衝撃音を低減する効果が期待できるからです。

分譲マンションの騒音解決は、まず相手を確定することから

ただ、予防手段を講じたとしても、完全に騒音がなくなるわけではありません。

分譲マンションの上の階の人がどのような家族構成で、どのような時間帯で生活しているか、騒音に対する気遣いがあるかも、騒音問題の大きな要素です。

子供のいる家庭ならば、走り回る足音や飛び跳ねる音が心配ですし、日勤と夜勤では活動時間帯がまったく違うため、生活音の発生する時間が問題です。

また、ドアをそっと閉める、テレビの音量に気を付けるなど、当然のことを当然と考えているかどうかでも騒音問題変わってきます。

しかし、そのようなことは入居前にはわからないため、避けようがないのです。

では、実際に起こってしまった騒音トラブルにはどう対応すればよいでしょうか。

まずは、相手を確定する必要があります。

マンションの場合、太鼓現象という音の共鳴や増幅現象が起こる場合があります。

さらに、他の複合的な要因と合わさって、意外な部屋からの騒音が聞こえる場合もあります。

上の階と限定すると、違う場合に自分がクレーマーになってしまうので、まずどの部屋からの騒音かをしっかりつきとめるのが大前提です。

ここからは、あるマンションコミュニティサイトのみなさんの意見に注目してみました。

サイトに投稿や解答をしている人は、過去や現在に上の階の騒音トラブルを抱えていて、経験談を述べています。

そんなみなさんの対応から、わかること、できることをピックアップしてみました。

分譲マンションの上の階の騒音、解決策はまずは理事会から

分譲マンションでは住人による管理組合と、契約業者である管理人が住人の生活全体を管理しています。

管理人は住人に対して公平であるべき外部の人で、住人間のいざこざにはまず介入してくれません。

管理組合は住人代表ですが、対応はさまざまです。

ひとつ言えることは、一軒の住人が文句をいっていても、集合住宅ではなかなか芽は出ません。

もしマンションの中に顔見知りや仲の良いお宅があるなら、上の階の騒音についての状況を聞き、情報を収集する必要があります。

そのうえで、理事会に一度相談をしてみることです。

もし、同じような状況で騒音をがまんしている人がいる場合、理事会で議題にしてくれたり、注意喚起の書面を配布してくれる可能性があります。

または、総会に出席したときに、議題として提案することも一案です。

総会なら、知り合いでない住人の意見も聞くことができますし、マンション全体の騒音状況を知ることができるからです。

もし上の階の住人が出席していた場合など、こちらが自分の部屋番号や名前を名乗って騒音について問題提起した場合、牽制にもなります。

この場合、決して上の階の騒音などと限定して個人攻撃せず、うまく立ち回ることが必要です。

また、総会後は議事録などが配布されますので、一応マンション全体に騒音問題の存在を周知できます。

結果として、何もしないよりは改善が見込まれるといえるでしょう。

分譲マンションの上の階の騒音、個人でクレームをいう場合

また、勇敢にも上の階の家に個人でクレームを申し立てる場合、どのような手段があるのでしょう。

この場合、やはり騒音の出どころが確かであることを確信できていることが前提です。

そのうえで、騒音の程度や種類、日時を、データとして書き残しておきましょう。

また、クレームといっても同じ分譲マンションの住人という立場ですから、丁寧に話すことです。

その際、詳細な騒音の状況を2、3事例織り交ぜることで、相手を納得させる効果が期待できます。

気づかず出していた騒音ならば、注意を促すだけで多少は改善するはずです。

ただ、常識的な相手ばかりではありません。

クレームをいったことで嫌がらせを受けたり、よけいに騒音がひどくなることもないとはいえません。

実際、複数回クレームをいってもなおらない場合、泣き寝入りして我慢している例が多く見受けられるのが実情です。

最終的には、覚悟を決めて民事訴訟に持ち込むこともできます。

その際は、プロである弁護士さんに十分相談して、騒音の影響による損害や騒音の証拠を準備しましょう。

また、裁判の着地点を騒音の改善にするか損害賠償にするか、解決のレベルも考慮し、そのうえで敗訴の場合の覚悟をもって臨まなければなりません。

騒音問題解決のため、相手の懐に入るのも一手

分譲マンションの騒音問題は、程度にもよりますが、比較的頻度の高い騒音トラブルといえます。

ひょっとしたら自分も、知らないうちに加害者になっている場合があるかもしれません。

マンションが集合住宅であることをしっかり理解したうえで、お互いに気を付ける以外に防ぐ方法はないでしょう。

このように、なかなか解決の難しい問題ですが、耳栓、防音シートなど自衛策を講じても我慢できないなら仕方ありません。

相手に被害を伝える、上記のなんらかの方法を取らざるを得ないでしょう。

これは個人的な意見ですが、円満解決に持ち込むために、上の階の住人と仲良くなるというもの一つの手段かもしれません。

相手によって不可能な場合もありますが、ファーストコンタクトで菓子折りなどを準備するのもひとつの手段です。

もし気を悪くさせたら申し訳ないというアピールをしておきます。

さらに日をおいて、今度は気を付けてくれているお礼の菓子折りをもって訪問し、ちょっと世間話などをしてみましょう。

もし、子供が同じ小学校だとか、年齢が同じだとか共通点がみつかれば、多少はお近づきになれるかもしれません。

もし茶飲み友達になれることがあれば、騒音問題は解決したも同然です。

相手の騒音の程度も、自分の騒音の受け取り方も、かわってくるでしょう。

騒音問題は予防と対策でできる限り円満解決を

分譲マンションの上の階の騒音問題についてみてきましたが、せっかくの新居でトラブルを抱えるのは誰しも嫌ですよね。

まずは巻き込まれないように、購入時の騒音トラブル予防を万全にしましょう。

そして、起きてしまったならば、できるだけ円満に解決できる方法を探ることが大切ではないでしょうか。