オートロックマンションのオートロックシステムは、住人がインターホンで来訪者を確認したうえで建物に入れることができます。
防犯システムの中の一つとして、広く採用されています。
一人暮らし、もしくは一人でいる際に、救急車を呼ばなければいけないくらいの体調不良になってしまう場合もなきにしもあらずですよね。
意識を失ってしまった場合には、救急隊員はどうやって部屋の中まで救出に来てくれるのでしょうか。
オートロックマンションのメリット
オートロック式は、まず建物内に共用玄関があります。
外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを使用するか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要があります。
最初に、オートロックマンションのメリットについてお話しします。
●高セキュリティ
オートロックマンションの最大の魅力は、セキュリティの高さにあります。
自分の部屋の鍵だけではなく、建物内にある共用玄関のドアも施錠されているので、正しく施錠さえされていれば住人以外の侵入を阻むことができるのです。
だからこそ、自分が救急車のお世話になる事態に陥った時に、どう対応してもらえるのか不安がある人も多いでしょう。
それについては後述します。
物件によっては、管理人やマネージャー、コンシェルジュが常駐しています。
このような物件は、セキュリティレベルが更に高まり、空き巣も手も足も出ないはずです。
また、玄関前まで来られる心配がないため、ストーカー対策にも役立っています。
●セールス対策になる
断るのが苦手な人にとっては、しつこいセールスは迷惑以外の何者でもありませんよね。
オートロックマンションでは、マンション自体がセールスを禁止している場合もあります。
強引なセールスマンに対しても、まずカメラによって相手の顔を確認できます。
そして、エントランスから部屋まで距離が確保されているので、室内の様子を外から探られることもありません。
ですから、居留守も使いやすいですよね。
また、結局はゴミにしかならないチラシも、管理者のOKが出ないと投函できなかったり、投函ボックスがエントランス内に作られているマンションも急増しています。
救急車のお世話になる時不便?オートロックマンションのデメリット
前項とは反対に、オートロックマンションのデメリットについてもお話しします。
●鍵を室内に忘れてしまうと入れない
こちらはオートロックの最大のデメリットですね。
管理人が常駐していたり、マネージャーがいるマンションであれば、鍵を借りられるので何とかなります。
しかし、夜遅い場合は不在なので中に入ることができません。
実際に入れなくて困っている人を見たことがあります。
うっかり鍵を持ち忘れてしまうことがある人も多いと思うので、これは他人事とは思えませんね。
●手持ちの鍵が多くなる
オートロックマンションでは、オートロックを開ける鍵、部屋のドアノブに差す鍵、駐車場専用の鍵など、鍵を多く持たなければいけません。
それらが一体となっているものもありますが、防犯面から考えると鍵は分けるべきだと言われています。
●緊急事態に救急車を要請しても、救急隊員が入室するまでに手間どる
●管理費や共益費が高い
マンションのオプションであるオートロックは、当然ながら毎日稼働しています。
その設備の維持、管理、保守点検のために必要な費用は、安いものではありません。
●空き巣に狙われやすいケースもある
エントランスが厳重に守られていても、家の窓が開いていれば空き巣を招き入れているのと同じ事になってしまいます。
また、数分で終わる程度の外出時には、鍵をかけない人もいます。
これらは高セキュリティだからこそ、引き起こされる油断かもしれませんね。
空き巣のカモにならないように、油断は大敵です。
オートロックと鍵の種類
オートロックマンションに住んでいると、ふとこんな不安が浮かんできませんか。
「一人の時に突然体調が悪くなり、なんとか救急車を呼んだとしても、その後意識を失って、オートロックの解除ができない状態になったら、救急隊員はどうやって助けに来てくれるのだろう…。」
特に高齢者の一人暮らしの場合は、万が一に備えて知っておきたいですよね。
その前に、オートロックと鍵の種類について知っておきましょう。
あなたのマンションは、どんなタイプのオートロックですか。
<オートロックと鍵の種類>
●集合キー式
部屋についているシリンダー錠用の鍵と同じもので、エントランスを解錠できます。
オートロックの中でも多く使用されています。
●暗証番号式
0~9までのテンキーで暗証番号を入力して解錠します。
こちらもよく使用されているタイプです。
鍵やカードが不必要なので、失くしてしまったり、部屋から締め出されることがありません。
住人自身が個別に暗証番号を設定できる場合と、全住人が同じ番号を入力する場合があります。
連続して暗証番号を間違って入力してしまうと、一定時間経過しないと入れないこともあります。
ですから、正確に暗証番号を覚えておかなければいけません。
●カードキー式
磁気カード式と非接触ICカード式の2種類があります。
財布に入れられるので、失くしたり、部屋に置き忘れることも少なくなります。
オートロックマンションで救急車を要請!救急隊はどうやって入るの?
それではいよいよ、先ほどの救急車を呼んだ際の疑問についてお答えしていきましょう。
オートロックマンションの室内で倒れていると考えられて、ドアに鍵が掛かってる場合は、救急隊が管理会社に連絡して解除してもらうのが通常です。
早急に管理会社と連絡が取れないなどの場合においては、レスキュー隊の出番です。
一分一秒を争う事態ですから、手間取ってしまうと救える命も救えなくなってしまいますよね。
暗証番号式のオートロックの場合は、暗証番号が不明でも開けることができる方法があります。
マンションの自動ドアの近くには、消防や救急隊員が緊急時に使用する、非常用開錠ボタンが設置されているのです。
意識して探さないと見つかりにくいので、住人であっても知らなかった人も多いのではないでしょうか。
実は、このボタンは誰でも押せるようになっているのです。
もしもこのボタンを押してしまうと、とても大きな音で非常ブザーが鳴ります。
ボタンが押されたら警備会社へ自動通報が入るか入らないかは、マンションによって違うそうですよ。
何はともあれ、緊急事態以外は触らないようにしましょう。
救急車を呼ぶ基準
脳梗塞や心臓発作などは、一刻を争うとても恐ろしい病気というのは、よく知られていることだと思います。
救命率を高めるために、各地の消防署では、AEDを使用した救急救命講習などが盛んに行なわれていますね。
高齢化社会の現代です。
オートロックマンションなどでの一人暮らしや、家族不在な状態で、体調が急変する人も今後増えていくでしょう。
そんな人達を救うために、救急車は昼夜問わずに活躍しています。
しかし残念なことに「救急車がタクシー代わりに使用されている」という事実が社会問題となっているのです。
一方で、「救急車を呼ぶべきかわからない」と判断に困った経験がある人もいるでしょう。
そこでここでは、救急車を呼ぶ基準についてご説明します。
詳しくは消防庁で発行している「救急受診ガイド」を確認しておくと安心できるでしょう。
以下の項目に急病人が該当する場合は、ためらわずに急いで救急車を呼びましょう。
●息がない、呼吸がとまっている
●心臓がとまっている、脈がない
●体が冷たくなっている
●呼びかけに無反応
●発声できない、又はろれつが回らないなどして、いつも通りに話ができない
●痛みが激しく冷や汗をかいている、顔色が極めて悪い
万が一に備え覚えておいて損はなし!救急車の呼び方
困ったことに、犯罪は日々発生しています。
手口も巧妙化しているため、それに伴いセキュリティ強化も必然となってきています。
そのため新しく建設されるマンションは、オートロックや2重ロックなどが用いられ、簡単に開けにくい仕様となっているのです。
しかし、ここまでお話ししてきたように、もしものことがあっても、ちゃんと救急隊は部屋まで助けに来てくれるので安心してくださいね。
とはいえ、以下の場合は救急車を利用できないので、注意してください。
●緊急性のない軽い怪我や病気の場合
救急車で病院に行けば待つことなく、すぐに診察してもらえるとは限りません。
●通院や入退院のためのタクシー代わり
本当に必要な人の迷惑になるので、絶対にやめてください。
最後に、救急車の呼び方をおさらいしておきましょう。
通報の際は深呼吸をし、落ち着いて会話をしてください。
①119番に電話をかけます。
固定電話の使用が最も良いでしょう。
②「火事ですか?救急ですか?」と聞かれたら、「救急です」と答えてください。
③住所や建物の目印を伝えます。
④傷病者の容態を伝えます。
指示されたことがあれば、それを実行してください。
⑤通報者の名前、電話番号を伝えます。
救急隊が到着したら、行った応急手当、容態の変化、傷病者の既往歴などを伝えてください。
救急車が到着するまでに少しでも余裕があったら、以下のものを準備しておきましょう。
●お薬手帳を持参する
●持参する靴を用意しておく
●家族へ連絡を入れておく
本当に必要としている人のためにも救急車を正しく利用する
今現在オートロックマンションにお住まいの人や、これからオートロックマンションを購入しようとしている人は、救急隊員が駆け付けた時に管理会社がどう対応するのか、しっかりと確認しておきましょう。
万が一を想定して、実際にとられる対応がイメージできていれば安心できますよね。
救急車の数は限られています。
本当に必要としている人のためにも、適正な利用を心がけましょう。