売買記録を付ける「トレード日記」は、FX取引をする上ではとても重要です。
確かに、大損をした日の記録を記す作業ほど、気の沈むものはありませんし、長続きさせるのも大変です。
しかしながら、日記を毎日付けていくことで、自分を客観的に見ることができ、今後の取引にも活かすことができます。
そこで、この記事では、FXの日記を付けていく目的から、その書くポイントまで、詳しくご説明していきます。
FXでトレード日記を付ける目的とは?
FXをしている方の中で、トレード日記を付けている方は少ないかもしれません。
中には、ブログやSNSなどを利用して、取引記録を記している方もいますが、いざ日記を付けていこうと思っても、それを長続きさせるのはなかなか難しいことです。
では、トレード日記を付けていく目的とは何でしょうか?
結論から言えば、自分を客観視することで、失敗を反省し、今後の取引に向けて活かしていくためです。
確かに、自分が過去に行った取引記録は、それぞれの業者で確認することができます。
しかしながら、淡々と記録を見ることだけでは、今後の取引には何の生産性もありません。
つまり、重要なのは、エントリーや損切りをした・しなかった理由、それがどのような経済指標の中で行われたかなどを記していく、具体的な内容なのです。
それを日々、記していくことで、自分のトレード手法を改善することにも繋がり、今後の取引で利益を生む糧になるはずです。
では、トレード日記を記録する方法についてご説明していきます。
FXのトレード日記は何に記す?ノートとパソコンについて
いざ、FXのトレード日記を書いていこうと思ったとき、問題は何に記録していくかになります。
トレード日記には、主にノートとパソコンの2つの方法に分かれます。
では、2つのメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
①ノート
【メリット】
・持ち運びが可能で、すぐに記録ができる
・データが消える心配がない
【デメリット】
・チャートを貼る際は、プリントアウトする必要がある
・過去の取引記録を探すのが大変
②パソコン
【メリット】
・検索機能を使うことができる
・チャートも簡単に保存が可能
【デメリット】
・データが消えた場合、復元することができない
以上のように、ノートとパソコンには、両者それぞれの良さがあります。
この2つの選び方は、自分が続けやすい、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
ただ、チャートの保存や経済指標の検索について考えると、パソコンでの日記をおすすめします。
例えば、過去の取引について調べる際に、経済指標を貼っておくことで、検索にも時間をとられることなく行えます。
また、パソコンで記録を保存する場合は、Wordファイル、HTMLファイル、もしくは、自動的に計算を行えるExcelは、より効率的に日記を記せます。
いずれにしても、自分にとって記録がしやすい方法で日記を書いていきましょう。
FXのトレード日記のポイント!その①項目とエントリー理由について
では、FXのトレード日記を書いていく上では、何をポイントに書けば良いでしょうか。
まず、最低限必要な項目について、以下にまとめましょう。
・日付
・エントリーした日付と時刻、通貨ペア、タイムフレーム、ロット数
・エントリーした、しなかった理由
・利益確定、損切りの理由
・イグジット、またはストップになった日付と時刻、通貨ペア、タイムフレーム
・その日の経済指標
・経済、時事ニュースについて
・トレード時の具体的な心理状態
・総合的な全体の評価
上記の記録について、特に、「エントリーの理由」と「損切りの理由」「総合的な全体の評価」については、少なくとも記録した方が良いでしょう。
その2点について、まずは、エントリーの理由についてご説明していきます。
注意したいのは、エントリーの理由を書く際に、ただ漠然とした理由では意味がありません。
・なぜその状況でエントリーをしたのか、しなかったのか
・エントリーしたときの心理状態
上記のことを具体的に書く必要があります。
もし、この理由が「なんとなく」のような漠然としたエントリーであれば、それは無計画な取引であり、後々失敗を招く可能性があります。
したがって、エントリーをする際には、その根拠や戦略をもって取引を行うことが重要で、同時にこの記録をすることで、根拠のないエントリーを避けるようにもなるのです。
トレード日記のポイント!その②損切りの理由について
では次に、FXのトレード日記における、損切りの理由についてご説明していきます。
まずは、損切りについて見ていきましょう。
損切りについては、あまり書きたくない方も多いでしょうが、客観視していくためには、非常に重要なポイントです。
損切りの書き方としては、以下を重点的に書いていきます。
・予定通りの損切りが行えたか
・損切りを先伸ばした理由
ここで注意したいのは「予定通りの損切り」なのですが、もし現段階で明確なルールを設けていない場合は、「自分なりの損切りルール」を作ると良いでしょう。
と言うのも、損切りルールがなければ、ダラダラと損切りを先延ばししてしまう場合があり、最悪の場合は大損ケースに繋がりかねません。
また、予定通りの損切りが行えなかった場合は、その理由について明確に記す必要があります。
その理由を直視することで、今後の損切りに対しても意識が変わってくるでしょう。
しかしながら、なぜ損切りについてここまで記録をする必要があるのか、疑問を持たれる方もいると思います。
その理由は、FXでの損切りは、今後利益を出していく上では、避けては通れない必須のスキルであるからです。
計画性のない損切りは、行き当たりばったりの取引を意味し、後々損失をしてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
トレード日記のポイント!その③総合的な全体の評価
トレード日記について、その日の記録を書き終えたら、総合的に全体の評価を行います。
エントリーから決済までの流れを、総合的に評価して、自分なりの分析を書き留めます。
この総合的な自己評価は、今後取引をしていく上で、余計な取引を意識的に避けることにも繋がり、より改善された取引に導いていくはずです。
ただ、日記を付け始めて間もない頃は、全体的な評価をすることが難しいかもしれません。
そのため、日記を継続して書いていく中で、徐々に自分なりのアプローチができるようになってきたら、最後のまとめとして、全体の評価を書いていきましょう。
また、理想的な評価のつけ方としては、「主観的」ではなく、やはり「客観的」に自分の取引に評価を下すことです。
客観的な評価ができるようになれば、それはつまり、自分のFX取引が成長している証でもあります。
過去の取引は忘れてしまう!継続的に記録化しよう!
これまでに、FXのトレード日記について、書き留めるポイントなどをご説明してきました。
前述したように、取引の日記をつけることは、客観的に自分の取引を評価することで、次のステップに繋がります。
そしてもう1つ、自分の取引を記録していく理由があります。
それは、人間の脳は忘れやすくできているからです。
例えば、日記を付けずに、1週間前の取引状況を細かく覚えている人は、少ないはずです。
これは、例えば負けトレードでも同じことが言えて、以前に失敗した負けトレードを、また同じように繰り返すことがあります。
つまり、1度経験した負けトレードは、自分の中で意識化されていなかったために、同じミスをしたとも言えます。
これを防ぐために、トレード日記を書き留めることは、言わば学習することと同義なのです。
これはFXだけに限らず、勉強や仕事においても同様で、1度したミスを書き留めることで、次は間違えないと心に刻みます。
そういった意味でも、トレード日記を付けることには、大いに意味がありますね。
失敗はその日のうちに
FXのトレード日記は、ノートだけではなく、パソコンを使うことで、チャートの保存や経済指標の検索などが効率的に記録できることが分かりましたね。
また、日記によって自分の取引を客観視することは、今後の取引手法を改善していく上で、非常に重要な意味を持ちます。
1度した失敗を何度も繰り返すことのないように、1つ1つ意識化させて、次の取引に繋げていきましょう。