株式投資では、海外の情勢や国内のニュースなどによって株価の変動が起こります。
株価の変動は小さなものだけでなく、ときおりストップ高やストップ安といわれる大きな変動が起きることもあります。
株価の大きな変動は、投資の機会を生み出すことがあります。
翌日以降の株価によっては、利益を出すチャンスになるかもしれません。
株価の変動には制限がある!ストップ高とストップ安
株式投資で利益や損失が出るのは、株価の変動によるものです。
しかし、株価は完全に自由に変動しているわけではありません。
実は、大幅な変動から投資家を守るために値幅制限があり、一定以上・一定以下にならないように管理されています。
この値幅制限があるおかげで、株価が一日で動きすぎることを防ぐことができます。
そのため、一日で株券が紙くずになるということは通常起こりません。
値幅制限の幅は、前日の終値をもとに決定されます。
例えば、100円の株でしたら、この株が翌日500円になることはあり得ません。
100円の株はプラスマイナス50円までの値幅と決まっているからです。
一日のうちで最高に値上がりしても150円、最低に値下がりしても50円ということです。
ちなみに、1000円でしたらプラスマイナス300円、1万円でしたらプラスマイナス3000円と決まっています。
この値幅制限の中で、上限まで株価が上昇することを「ストップ高」、下限まで下落することを「ストップ安」といいます。
ストップ高やストップ安になるのは、経済に関するニュースが発表されたタイミングが多いです。
例えばストップ高になりやすい日というのは、
・業績の上方修正が発表されたとき
・政府による経済政策が発表されたとき
などが挙げられます。
反対にストップ安になりやすい日は、
・業績の下方修正が発表されたとき
・不祥事や倒産などの情報が流れたとき
などです。
ストップ安になったら翌日からの急上昇を狙え!
ストップ安になると、各所で悲鳴が上がる事態になります。
そのため、投資家であれば聞きたくない言葉でしょう。
しかしストップ安は、値崩れした株の保有者でなければチャンスと捉えることもできます。
株価は変動するものです。
ストップ安を利用して、売買のチャンスが巡ってくる可能性があるのです。
まず、どのような銘柄がストップ安になっているのかチェックしましょう。
ストップ安になっている銘柄は、それ以上株価が下がることへの不安から、売られ過ぎている状態になっていることがあります。
しかし、これは情報が先走って本来その株が持つ力量以上に売られてしまっている状態です。
力量からすると、適正価格より割安になっていると捉えることもできます。
そのため、これをチャンスと考える投資家がいます。
割安になった銘柄を買う投資家が出始め、株価の上昇につながります。
すると翌日以降、株価が勢い良く急上昇することも考えられます。
このような急上昇を見極めることが、ストップ安で利益を得ることにつながります。
なぜ株価が下がったのか調査は必須
しかし、気を付けてほしいのは、ストップ安であればどの銘柄でも良いというわけではないことです。
売られ過ぎて株価がストップ安になると、翌日以降に急上昇する可能性があることは確かですが、確実に上昇するとはいえません。
ストップ安の銘柄に張り付いているときは、株価がストップ安になってしまった原因を調べる必要があります。
株価が下がり続けている間に調査しましょう。
たくさんの投資家が売り続けている間は、急上昇は始まりません。
ほかの人が慌てているときこそ、落ち着いた判断ができれば利益を得るチャンスです。
しっかりとして調査をして、買いを入れられる銘柄かどうかを品定めしましょう。
そして、思っていたよりも早く上昇が始まったのであれば、慌ててはいけません。
慌てて買いに走っても遅いのです。
そのときは、見送る勇気も必要です。
そうなってしまうと、急上昇で利益を狙うのは難しくなりますし、値上がり幅もそこまで大きくないことが多いです。
ストップ安銘柄に翌日すぐ手を出すのはNG
ストップ安になった銘柄を急上昇目的で狙う場合、買い注文を入れるタイミングが大切です。
ストップ安になった銘柄を翌日に買うという人もいますが、このやり方は勝率が高くないというデータもあるようです。
むやみにストップ安になった株を買うのは、賢い選択ではありません。
一度ストップ安になった株は、ストップ安が解消したとしても、そのあとも株価が下落し続けてしまうことがあります。
もしその最中に買い注文を入れてしまうと、株価は下落し続けているのですから、含み損をかかえることになります。
そうなると、急上昇して株価が上昇したとしても大きな利益になりません。
大切なのは、株価が下がり切ったタイミングの見極めです。
下がり切ったことを確かめてから買い注文を入れましょう。
株価が底値になったタイミングでなくてもかまいません。
少し値が戻りはじめ、これからどんどん上昇していく、というタイミングで購入するのが望ましいです。
ストップ安の原因によっては翌日急上昇するかも
先ほど、株価がストップ安になった原因を調べる必要があるとお話ししました。
その原因によって、急上昇が始まるタイミングを予測しておきます。
株価がストップ安になった原因によって、急上昇が起こりやすいか起こりにくいかの判断がおおむねできるからです。
急上昇が起こりやすいパターンは、その企業の力量が変化していないときの値下がりです。
例えば、同業界の不祥事など他社の不安から連想して値を下げた場合などが当てはまります。
その企業の力が減ったわけではないため、比較的早く、もしかしたら翌日にでも急上昇が始まるかもしれません。
多くの投資家が、割安株になっていることにすぐに気づきます。
反対に、急上昇が起こりにくいパターンは、その企業の力量が落ちてしまったという場合です。
そのような場合は急上昇を狙うのはやめた方が良いです。
営業利益が減少した、赤字に転落したなどのニュースがあると、急上昇するとは考えにくいです。
その企業自体の力量が落ちてしまっているのですから、適正株価が落ちているということです。
そうなると急上昇は狙えません。
もしかしたら、長期間かけて業績を回復させ株価も回復するかもしれませんが、回復しないかもしれません。
そのような賭けに出る必要はありません。
ほかの株を狙った方が賢明です。
ストップ安になりそうな株は早めに手放すのがベター
最後に、ストップ安になりそうな株を持っている場合についてお話しします。
株式投資を始めると、ストップ高やストップ安という言葉は毎日耳にするようになるでしょう。
ストップ高やストップ安はめったに起こらないと思われるかもしれませんが、毎日のようにどこかで起こっています。
良いニュースが出た企業の株はストップ高になりやすいですし、翌日も翌々日もストップ高が続くこともあります。
逆に、悪いニュースが出た企業は、ストップ安が同様に何日も続くことがあります。
ストップ高になった株は、株価が下がり始めるまで持っていても良いのですが、ストップ安になった株は待っているとまたたく間に何割も下がってしまいます。
今後の上昇を狙って塩漬けにする人もいますが、あまりおすすめしません。
上場廃止になってしまったり倒産してしまうといった最悪の事態が発生すると、持っている株券が紙くずになってしまいます。
損失を大きくしないうちにできるだけ早く手放した方が良いでしょう。
ストップ安は利益を出せるタイミングでもある
ストップ高やストップ安など、株価の急激な変動は大きな利益や損失を生みます。
そのため、投資家にとってストップ安が起こるのは恐怖です。
しかし、逆に投資のチャンスでもあるともいえます。
損失を出すリスクもありますが、利益を出すタイミングでもあるのです。
そのときに必要なのは、投資家としての冷静な判断です。
このチャンスを生かすのは、自分次第ということです。