毎月の家賃は、延滞せずに支払わないといけません。
延滞記録が残ってしまうと、その後のローンの際や引っ越しの際に審査に通らないこともあります。
ですが、事情があって家賃の支払日に払うのが苦しい方もいることでしょう。
支払日が守れないとお悩みの場合に、変更はできるものなのでしょうか。
家賃の支払日の変更はできるの?
「家賃の支払日の後に給料日」という方は多いと思います。
家賃を口座振替している場合、27日に引き落とされることが多く、給料日が末日だと残高が足りず、支払いが遅れてしまうこともあるかもしれません。
大手管理会社を調べてみても、27日を引き落とし日としているところが多く、土日祝日と重なる場合は、翌営業日に変更になります。
これを過ぎると振込で支払うことになりますが、手数料が発生し、余分な支出になってしまいます。
そこで、家賃の支払日を数日間遅らせて、月末、もしくは月初にすることはできないかと考える方がいるようです。
しかし、基本的に入居者側の都合で引き落とし日の変更はできません。
はじめに賃貸契約書に書かれた引き落とし日に同意した上で契約したわけですから、貸主からしてみれば変更する必要性はないのです。
「毎月、ギリギリの状態で家賃を支払い続けている」というのは、貸主側からすれば優良契約者とは言えません。
また、たった一人の我がままのために手間をかけるケースは少ないことでしょう。
家賃の支払日の変更が断られるのはなぜ?
「家賃の支払日を変更する」というのは簡単そうですが、電話一本で済む話ではありません。
契約内容を変更し、銀行に届け出が必要になりますし、貸主は管理の手間もかかります。
たくさんの借主と契約している場合、振り込まれた家賃を一つ一つ確認していく作業も、毎月のことですから楽ではありません。
一人だけ振込日が変わっていることでその方の分を忘れたり、見落としてしまったりするリスクも発生します。
また、支払日の契約を簡単に変えてもいいということになると、それぞれの都合に合わせて変更したいという入居者が増えるかもしれません。
「他の料金が引き落とされる前にしてほしい。」「給料は日払いだから、ある時に一度に振り込みたい。」などの要望があったら、いちいち対応するのは難しくなりますよね。
給与振り込みの日が簡単には変えられないように、家賃の引き落とし日も変更できないのが一般的です。
支払日の変更ができる場合もある
家賃の支払日の変更は基本的にはできませんが、「絶対にできない」というわけではありません。
貸主に相談して、事情を分かってもらい合意に至れば、契約内容を修正して変更してもらえることもあります。
管理会社を通している場合は、まず管理会社に連絡して相談してみてください。
管理会社側も「どうしても変更の必要があるかもしれない」と判断すれば、大家さんに連絡してくれる場合があります。
こちら側の都合での変更は、貸主にはメリットがありませんので、なるべく低姿勢でお願いすることが大切です。
しかし、連絡してくれないからといって不自然なことではありませんし、大家さんの許可が降りなくても仕方ありません。
決められた引き落とし日を守れないなら、その都度なるべく早めに振込をして、管理会社から連絡が来る前に「数日、遅れるかもしれない。〇日までには必ず!」とこちらから連絡しましょう。
その家賃、高すぎない?遅れずに支払うために
ご説明したように家賃の支払日の変更は難しいので、家賃分をその日までしっかりと確保しておくことが重要です。
給与が振り込まれたら、別の口座を「家賃口座」にしてすぐに振り込んでおき、引き落とし日まで手を付けないようにするなど、何らかの対策を考えましょう。
もちろん、給料日に「家賃」「食費」「携帯料金」などと袋分けにしておいて、現金で保管してもかまいません。
また、毎月のように家賃の支払が苦しいと感じるなら、収入に対して家賃が高すぎるのかもしれません。
だいたいの目安ですが、月収に対して家賃は30%が望ましいと言われています。
月収20万円の場合は、6万円~7万円が相当、ということになりますね。
しかし、住んでいる地域が都心なのか地方なのかによっても異なりますし、当たり前のことですが、支出が多ければ釣り合いません。
家計の見直しを行って、家賃が安いところに引っ越すことも考えるといいでしょう。
家賃の支払日当日に入金は可能?
家賃の支払日の前日に口座に残高が無いことに気がついて、お手持ちの現金か、他口座から降ろして入金したいと思うことがあるかもしれません。
「支払日当日でも間に合うのだろうか?」ということについてですが、できれば前日のうちに入金しておいたほうがいいでしょう。
なぜなら、銀行の営業開始時間よりも早い時間に引き落とされることもあるからです。
7時~8時台に引き落としする場合もあります。
当日のお昼に入金しておけば大丈夫、と思っても、銀行によってはそれでは間に合わないこともあるのです。
さらに、日付が変わってすぐの、深夜の時間帯に引き落とされる場合もあります。
これはネット銀行などに多いですね。
もし、当日に入金して間に合わなかった場合。
「引き落としできませんでした。」という連絡が来ても、銀行や貸主側の責任にはできません。
深夜でも朝方でも、取り決められた日であることに変わりはないからです。
また、家賃の引き落としは自動で行われますので、「うちだけ引き落とし時間を変更してほしい」と言っても通らないことが一般的です。
ただし、再振替に対応している銀行、信用組合もないわけではありません。
契約内容の変更にはリスクがともなう
話は変わりますが、貸主側の都合で契約内容が突然変更になる、ということもあります。
管理会社の変更や大家さんの変更は、近年増えていて、賃貸契約中に家賃の振込先が変わる場合もあるのです。
変更の際には、新しい管理会社から通知が届き、そこに旧貸主と新貸主の署名捺印があれば、正式なものだということになります。
もし不安なら、管理会社(通知に書いてある番号ではなく、今まで連絡していた番号)に電話して確認してみてください。
振込方法が変更になることについても確認が必要ですね。
また、変更点は家賃の振込先だけなのかもチェックしましょう。
設備のことで変更があるのか、連絡先も変わるのか、はっきりしておきましょう。
そして家賃を支払った証拠も残しておいてください。
もし通知に気が付かずに間違えて振り込んでしまったなら、すぐに管理会社に連絡してください。
返金して再度振込になるか、旧貸主から新貸主に振り替えが行われるか、どちらかの方法で解決するでしょう。
このように、貸主側に何らかの変更があった場合には、入居者には気を付けなければいけないことが増え、覚えなければいけないことも発生します。
また、間違えて2重支払してしまうことも考えられます。
支払日の変更を考えている方も、逆の立場に立って考えてみると「契約内容変更のわずらわしさ」が理解できるかもしれませんね。
家賃支払日の変更はよっぽどの理由が無ければNG!
賃貸契約を結んだ時に決められていることは、基本的には変更はできません。
大家さんの経営が赤字になって家賃を値上げしたくても簡単にはできませんし、入居者からしてみると困りますよね。
お金のやり取りは、なるべくシンプルに定められたとおりに行うのが好ましいものです。
できれば引き落とし日にしっかり支払い、遅れないようにしましょう。