アパートの家賃を自動引き落としで支払っている方は、引き落とし日までに入金を忘れると滞納になってしまいます。
土日を挟んだりすると、つい入金を忘れがちになってしまいます。
保証会社を使っている方の場合、すぐ支払っても滞納の履歴がつくのは、ちょっと嫌な気持ちになりますよね。
今回は、家賃の引き落としのルールを解説します。
家賃の引き落とし日は時間外や土日に関係なく手数料がかかる!
「引き落とし」とは、日数と金額を指定することで、引き落とし日になると自動的に、自分の口座から指定口座にお金が支払われるといったものです。
振込みの場合「振込手数料」がかかることはよく知られていますが、引き落としの場合も手数料がかかります。
手数料は銀行の営業時間外、土日問わず例外なくかかるのです。
ですが、ガスや電気、水道料金を引き落としにすると、手数料がかからないこともあります。
なぜなら、ガス会社や電力会社、水道局が引き落とし手数料を負担してくれているからです。
では何故、家賃は引き落としにすると手数料がかかり、金額が高くなるのでしょうか。
それは、大家さんは家賃を負担しないからです。
家賃の場合、いくら手数料が勿体ないからと言って振り込みに変えてくれと頼んでも、受け入れられないことが多いです。
特に大きな不動産会社が家賃回収を代行している場合や、クレジットカード払いの場合はまず無理と思ってよいでしょう。
家賃の引き落とし日は27日が多く土日なら翌営業日
主に不動産業者の家賃引き落とし日は27日であることが多いです。
何故27日に引き落としをするかという根拠は諸説ありますが、以下の条件により好都合だからあると考えられています。
・サラリーマンの給料日が25日が多いため、借主が支払いやすい。
・27日が土日に当たっても、翌営業日が30日までに来る。
・不動産屋さんや大家さんの締め日が月末だから。
27日が土日・祝日など、いわゆる銀行の営業外時間の日になった場合、引き落としがされるのは銀行の翌営業日となります。
そのため27日に銀行が締まっていた場合、原則として27日より前にお金を引き落とされることはありません。
27日に次いで多いのが月末です。
いずれにせよ月末のため、15日締めの多いパートやアルバイトの方も、お金は比較的用意しやすい日です。
引き落とし日の前にはちゃんと口座を確認しておきましょう。
引き落とし日前の入金は確実に!土日を挟む場合は特に注意
家賃の引き落とし日は主に27日が多いということをご説明しました。
しかし給与の振り込まれる口座と家賃引き落とし口座を分けていらっしゃる方は、つい引き落とし口座に入金を忘れたり、できないということもあるかと思います。
特に給料日が25日の方は、引き落とし日までに2日しかないため、忙しいと銀行に行けないという方もいるでしょう。
そんな忙しい方が気になるのは、「当日入金で引き落としはできるのか」ではないでしょうか。
結論から先に言えば、これは金融機関によってできるかできないかが分かれます。
引き落としの場合、その手続きは銀行が前日、前々日に行っていることが多く、当日に自動で引き落ちるというものではありません。
そして引き落とし自体が、引き落とし日の営業開始前である深夜帯に済んでいることもあるためです。
そのため、当日入金をしても銀行が深夜に引き落とし手続きを終えている場合、引き落としがされない、ということも起こります。
できていた場合、それは当日引き落としを再度行ったというものであることが多いです。
金融機関によっては一度引き落としが確認できなかったからと言って、当日再度確認してくれるかはまちまちです。
入金を当日にするのは、かなり不確実と言えます。
特に土日を挟む場合は要注意です。
例えば給料日の25日が土曜日だったので、前日の24日に給料が振り込まれたとします。
この場合家賃引き落としの27日は月曜日で、給料日と引き落とし日を挟んで銀行は閉まっています。
特に日曜日はATMを時間で早めに閉めるため、前日ギリギリだと入金できない場合もあります。
給料の入金を確認したら、即引き落とし口座に金額を確保するような癖をつけたいですね。
家賃の引き落とし手数料の目安
家賃を引き落としで支払う場合、手数料はいくらなのか、気になる方も多いと思います。
これは不動産屋さんや大家さんの指定する口座によって、かなり額が変動します。
引き落とし手数料は、最大で毎月700~800円ほどかかるという報告例もあります。
これは何故でしょうか。
理由はいくつかありますが、一番多いのは大家さんの指定口座の銀行が借主と違う金融機関であり、なおかつ手数料の高い銀行である場合です。
例えばみずほ銀行を例にとると、口座引き落としのルールは以下の通りです。
・同行同一支店への引き落とし…一律0円
・同行他店への引き落とし…引き落とし額が30,000円未満の時は108円、30,000円以上なら324円。
・他金融機関への引き落とし…引き落とし額が30,000円未満の時は432円、30,000円以上なら648円。
ですが、これがネットバンクのジャパンネット銀行の場合、引き落とし額は以下になります。
・同行内の引き落とし…一律54円
・他金融機関への引き落とし…引き落とし額が30,000円未満の時は172円、30,000円以上なら270円。
大きく値段が異なるのが分かります。
引き落とし日が土日でも関係なく手数料がかかりますので、この金額は毎月支払うことになります。
家賃の支払いに引き落としは本当に必要か確認し交渉しよう!
前の章では家賃引き落としにかかる手数料についてご説明しました。
では振込と引き落としは、どちらが得なのでしょうか。
前の章で例に挙げた、みずほ銀行をケースに紹介したいと思います。
みずほ銀行の振込手数料は以下のようになります。
・同行同一支店の振込み:キャッシュカードで行えば一律無料。
・同行他店への振込み:振込み額が30,000円未満なら108円、30,000円以上なら216円。
・他金融機関への振込み:振込み額が30,000円未満なら216円、30,000円以上なら432円。
前の章の引き落とし手数料と比べると、若干ですが割安のケースが多いです。
大抵の金融機関は同様に、引き落としは振込より手数料が割高の場合が多いです。
勿論引き落としは引き落とし日に銀行に行き、自分で入金手続きをする煩わしさがないのがメリットです。
ですが振込の場合、手間はあるものの以下のようなメリットもあります。
・土日でも翌営業日の振込が可能
・当日入金も可能
絶対に入金を忘れず銀行に行ける自信のある借主の場合は、振込のメリットも無視できません。
入金方法は物件によっては交渉の余地もあるため、最初に確認して相談してはいかがでしょうか。
家賃は1日でも引き落とし日に遅れれば「滞納」!
最後の章では、入金を忘れた場合のデメリットについてご説明したいと思います。
まず知っておきたいのは、もし家賃の入金を忘れ、引き落とし日に引き落とせなかった場合、それは「滞納」になってしまいます。
場合によっては1度目の引き落としで残高が確認できず、当日再引き落としで支払った場合も滞納扱いされることもあります。
その場合、何が問題になるのでしょうか。
民法上は数日の遅れで即退去を命じられるということはありません。
賃貸物件の強制退去は裁判所の強制執行許可が下りなければ行えません。
家賃滞納の場合、それを許可する目安はおよそ3ヶ月分の家賃滞納だと言われています。
ですが保証会社を利用している方は、このたった1日程度の滞納も後に大事になる可能性もあります。
保証会社利用者の場合、この滞納は記録に残り「滞納の前科がある」とされてしまうのです。
これを頻繁に行っていると、次の引っ越し先で保証会社を利用する際、審査に通らなくなる可能性もあるのです。
そして保証会社利用者は、1日でも家賃支払いが遅れるとすぐに書簡を送られます。
また数日間の滞納を繰り返していると、保証会社の保証料が値上がりになる可能性もあります。
勿論保証会社を利用していない方も、このような滞納が続けば大家さんから保証会社加入を言い渡されることは十分考えられます。
土日を挟む引き落とし日などの場合、つい入金を忘れてしまうことは多々あることと思います。
ですがすぐに払えると思って数日の遅れを繰り返していると、後に後悔することもありますので、家賃の引き落としは確実に行いましょう。
家賃の引き落とし日の前日には口座入金を済ませよう
1日でも入金が遅れると滞納になってしまい、それが続くことで被るデメリットも存在します。
やはり家賃の入金は確実に済ませておきたいですね。
当日入金を当てにはせず、前日までには口座に入金を済ませておきましょう。
土日を挟む場合は特に注意しましょう。