マンションなどの階数のある建物だと、エレベーターが欠かせないですよね。
便利であるはずのエレベーターですが、急に閉じ込められるようなことがあるとパニックになってしまいます。
ドアが開かずに閉じ込められてしまうと、どうにもできません。
こうした場合、ドアを開けることはできるのでしょうか。
また、開け方はあるのでしょうか。
相次ぐエレベーターの閉じ込め事故
現在、ほとんどのエレベーターには、地震時管制運転装置が付いています。
地震時管制運転装置とは、2009年から義務付けられているエレベーターの安全装置です。
一定の揺れが生じると地震を感知する装置が働き、最寄りの階で自動的に停まるという仕組みです。
最寄りの階で停まるとドアが開くので、避難することができます。
なかには火災報知器が働いて、最寄りの階に停止する場合もありますよ。
ただし、この安全装置が必ず付いているエレベーターは、2009年以降のエレベーターです。
古いマンションやビルに取り付けられているエレベーターには、安全装置が付いていないこともあります。
すると、停電したときの状況次第では、ドアが開かない場所で停まってしまうこともあります。
停電になる原因は、エレベーター自体の故障や地震、雷や火事、浸水などがあり、閉じ込められてしまう事故は、年間で1万件をこえているそうです。
では、閉じ込めに遭わないためには、どういったことに注意すればよいのでしょうか。
また、ドアの開け方はあるのでしょうか。
ドアが開かない閉じ込めリスクを避けるためには
みなさんは、エレベーターの仕組みをご存知でしょうか。
エレベーターが動く仕組みは、モーターを使って上下に動かしたり、ドアを開けたりしています。
電動式にも種類がありますが、電力で作動しているエレベーターは、水に弱いです。
なぜなら、水に濡れてしまうとショートを起こしてしまい、エレベーターの故障に繋がってしまいます。
とくに、地下エレベーターなどは、大雨による洪水が原因で故障するケースがあるので、注意しましょう。
閉じ込めリスクを軽減するためには、エレベーターの入り口付近が濡れていたり、古いエレベーターの場合は、極力使わないという選択をしてみましょう。
また、地震や火事が起こったときに、早く非難しようとエレベーターに乗り込んでしまわず、階段や非常用のエレベーターを使うようにしてください。
閉じ込められても、「ドアの開け方を知っているから大丈夫」という安易な考えでいると、思わぬ被害に遭ってしまいますよ。
エレベーター内にある防災ボックスの開け方
閉じ込めリスクを軽減しようと心がけていても、エレベーターに乗っているときに地震が起きてしまっては、防ぎようがありません。
もし、エレベーターに閉じ込められてしまたら、どうすればよいのでしょうか。
まずは、落ち着きましょう。
そして、エレベーターの階数のかかれたボタンを全部押してみます。
すると、最寄りの階で停まって、ドアが開くこともあります。
ただし、停電が原因で停止していると操作ができないので、ボタンを押しても反応がなければ、インターホンで助けを呼んでください。
なお、ドラマや映画などで、天井から脱出する場面もありますが、通常、日本のエレベーターの中からは開けられない仕組みになっています。
救助が来るまでの間、エレベーターのなかで待つことになりますが、そこで気になるのがトイレ事情ですよね。
こうしたことをふまえて、日頃から携帯用の簡易トイレをバッグなどに入れておくと、役立ちますよ。
また、全てのエレベーターに付いているわけではありませんが、簡易トイレやトイレットペーパーが装備されていることもあります。
万が一のときに使うものなので、在庫切れやいたずらがされないように、一度開けると閉まりません。
こうしたボックスの開け方は、カバーを開けてボタンを押せば開きます。
エレベーターのドアは無理矢理開けると危険
すぐに救助が来ればよいですが、なかなか来ないと不安になってきますよね。
そんなときに考えるのは、エレベーターのドアの開け方です。
最寄りの階で停止した場合は、自動的にドアが開くとお話しましたが、一定の時間を過ぎるとドアは閉まってしまいます。
そんなときは、戸開ボタンを押せば、再びドアを開けることができるので外に出てください。
停電してしまいボタンを操作できないとき、ドアをこじ開けてでも外に出たいと思いますが、非常に危険な行為です。
エレベーターが非常停止した場合は、無理矢理ドアを開けることは危険ですので絶対にしないでください。
なぜかというと、エレベーターが急に動くかもしれないからです。
ドアを開け、上半分から脱出できると考えたとしましょう。
このときに、エレベーターが作動してしまったら、どうなるでしょうか。
体は挟まれてしまい、命の危険もありますよね。
外部から開けるドアの開け方
では、エレベーターに閉じ込められている人を発見したら、どうすればよいのでしょうか。
まずやらなければいけないのが、エレベーターの主電源を切ることです。
閉じ込めに遭っている人を救出している最中に、エレベーターの電源が入ってしまうと、急に動いてしまって大変危険です。
必ず、主電源から切りましょう。
電源を切ったら、ドアを開けていきます。
開け方は、専用の道具を使えば開けることができます。
マンションやビルを管理している方は、日頃からエレベーターのドアを開ける道具がどこにあるのかを、把握しておくとよいでしょう。
ドアの開け方は、エレベーター救出方法の講習などで学ぶことができます。
エレベーターのドアを開けることができても、すぐに中にはいると転落の危険があります。
十分に注意して行ってください。
フロアに対してドアの段差がそれほどないときは、すぐに外に出られますが、段差が大きい場合は注意しましょう。
とくに、下に降りる状況であると転落の危険があるため、基本的には上に登るように脱出してください。
段差を緩和するために、脚立などのサポートをするとよいですよ。
子供にもドアの開け方を教えよう
最後に、エレベーターの使用方法について、お話しします。
便利なエレベーターも、正しく使わないと事故が起こります。
▽紐状のものに注意
ペットのリードや子供の縄跳び、マフラーなど、紐状のものがドアに挟まったまま動いてしまうと、引っ張られてしまい、ときには命の危険があります。
挟まってしまった場合は、すぐに戸開ボタンを押してください。
戸開ボタンの開け方を知らないと、事故につながります。
小さな子供にも、こうした危険があることと、挟まってしまったときのドアの開け方を伝えておきましょう。
▽ドアに触れない
エレベーターが来るのを待っているとき、ドアに手をふれていたり体が触れていると、引き込まれてしまうことがあります。
また、ドアが開いたときに転倒する可能性があるので、ドアから離れて待ちましょう。
▽エレベーター内で衝撃を与えない
ジャンプしたり、暴れると、安全装置が働いてしまい、閉じ込められてしまうことがあります。
冷静に判断しよう
マンションやショッピングセンターで乗ることの多いエレベーター。
もしものときに、冷静な判断をすることで、大きな事故を防ぐことができます。
同乗者が居れば、話しかけながら落ち着かせることも大切です。
何とかしようと、無理矢理ドアを開けることだけは、絶対にやめましょう。