nhk受信料は、家にテレビを設置した人がnhkに支払う料金です。
しかし、nhk放送を見ていなくても受信料が発生することに、一部でその意義が疑問視されています。
事実、受信料をめぐって裁判になるなど様々なトラブルも起こっています。
もし、お住まいのマンションがbsのアンテナだった場合、bs受信料も支払うことになるのでしょうか?
bs受信料が発生する条件をまとめました。
nhkの地上契約と衛星契約
まず、nhkの受信料は二つに分かれ、その契約によって受信料が異なります。
地上契約と、衛星契約です。
地上契約は一般的に、テレビを設置した時点で発生する契約です。
衛星契約を結ぶと、bs放送を視聴できるかわりに、bs受信料を払うことになります。
料金でいうと、bs放送の受信料の方が地上契約の受信料より割高となります。
その代わりにbs放送ではサッカー中継やディズニーチャンネルなど、一般の放送では見られない番組を視聴できるというメリットがあります。
地上契約か衛星契約となるかは、その建物に設置されているアンテナの対応種類によって変わります。
一戸建ては個人でアンテナの種類を決めることができますが、マンションのような集合住宅の場合はもともとアンテナが設置されている為、マンションにbsアンテナが設置されているからという理由で、nhk訪問員の方からbs受信料を請求されるという事例があります。
果たしてその義務があるのかを検証していきます。
nhkのbs受信料と地上契約受信料の料金の違い
nhkの一般的な地上契約の受信料と、衛星放送のbs受信料の料金の違いをまとめました。(2018年時点)
1、地上契約
・口座・クレジット払いの場合…月額1,260円、2ヶ月前払い2,520円、6ヶ月前払い7,190円、12ヶ月前払い13,990円
・振込の場合…月額1,310円、2ヶ月前払い2,620円、6ヶ月前払い7,475円、12ヶ月前払い14,545円
2、衛星契約〈地上契約含む〉
・口座・クレジット払いの場合…月額2,230円、2ヶ月前払い4,460円、6ヶ月前払い12,730円、12ヶ月前払い24,770円
・振込の場合…月額2,280円、2ヶ月前払い4,560円、6ヶ月前払い13,015円、12ヶ月前払い25,320円
毎月振込で支払いの場合と口座・クレジット払いでは、口座・クレジット払いの方が少し受信料が安くなります。
そしてbs受信料の方が、地上契約より約2倍ほどの料金がかかります。
マンションのアンテナの都合で、2倍近い受信料を毎月支払うのは居住者にとって大きな負担になります。
マンションがbsアンテナで受信料を支払わなければ罰則があるの?
一般調査ではbs受信料と地上契約の受信料を合わせて、nhk受信料の支払い率は全体の約75%と報告されています。
つまり国民の全体の約25%が未払いということです。
国民の義務であるはずなのに、4人に1人が受信料を払っていないという現状です。
払わなかった場合に、罰則などはないのでしょうか?
放送法第64条1項において以下のように定められています。
「協会の放送を受信することのできる受信機器を設置した者は、協会とその受信についての契約をしなければならない。
ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り、受信することのできる受信設備のみを設置したものについてはこの限りではない。」
要約すると、
・テレビ(受信機器)を設備したものは契約する義務がある
・しかし、払わない場合の罰則については定められていない
つまり憲法上では、マンションがbsアンテナだからといってbs受信料を払わなくても、罰則などはないということです。
しかし、だから払わなくていいということではありません。
nhk受信料についての裁判例
罰則がないと言っても、nhk側が契約に応じない(もしくは契約済みでも支払いに応じない)視聴者に対して訴訟を起こし、実際に裁判になったケースもあります。
・2005年、テレビを設置しているにも関わらず契約に応じない為、訴訟を起こされた大阪市の男性に対し、最高裁の判決は、nhkから受信料の契約を求められて2週間経過したら拒否をしていても契約締結とみなすものとし、約27万の支払いを命じられた。
・2013年、テレビを設置しbs視聴しているにも関わらず、bs受信料の支払いに応じない相模原市の男性に対し訴訟を起こし、東京高等裁判所は男性に109,000円の支払いを命じた。
・2013年、nhk番組の放送内容が偏っているなどの理由で契約を拒否する東京都在住の男性に対し裁判を起こし、最高裁は受信料248,640円と10,800円(受信料改定に伴う増額)の支払いを命じた。
他にもいくつか裁判例はありますが、訴訟を起こされたことによって視聴者側が受信料を支払い、和解で解決した事例もあります。
いずれの判例も、nhk側の主張が通り、訴られた視聴者は受信料を支払うことになっています。
しかし、2017年の裁判ではテレビを設置した時点でnhk受信料を支払うことは合憲(憲法に違反していない)としたものの、nhk側が主張したnhkが契約を求めてから2週間経てば相手の許可なくても契約締結とみなすという主張は認められませんでした。
この内容について、2005年度の判決内容との矛盾を指摘する声も上がっています。
つまり、テレビを設置した時点でnhkに対して受信料を払うことは憲法上違反でないものの、支払わない人間に対して強制的に徴収するには、nhkは毎回裁判を起こして、いつからテレビを設置しているかを証明しなければならないのです。
罰則はないですが、裁判を起こされて証拠を提示されると強制的に払うことになります。
国民の25%が未払いの現状で、毎回訴訟を起こすのは現実的ではありませんが、マンションがbsアンテナでbs放送を視聴しているのにbs受信料を払わなければ、訴訟を起こされる可能性は高くなります。
マンションなどでのbs受信料が発生する条件
何度もお伝えしますが、nhkの受信料はテレビを設置した時点で、受信料を支払う義務が発生するとされています。
では、bs受信料はどうでしょうか?
今のマンションは、ほとんどがbsアンテナといわれています。
アンテナさえ設置されていれば、bs放送を見ることができるのでしょうか?
bs放送を視聴するにはどうしたらよいのか、見ていきましょう。
・テレビにチューナーを設置する
テレビ本体にチューナーが内蔵されていないものでも、BSやCSのチューナーを設置することで、bs放送の視聴は可能になります。
・ケーブルでアンテナからテレビにBSやCSの信号を送ることで、bs放送の視聴は可能になります。
・bsのアンテナを設置する
マンションのアンテナがbs対応していない場合は、住んでいるマンションのベランダにbsのアンテナを設置することにより、bs放送の視聴が可能になります。
以上のような対策をとれば、bs放送の視聴は可能です。
しかし、その場合にはもちろんbs受信料が発生しますので、間違えない様にしてくださいね。
もしbsアンテナのマンションでbs受信料を払いたくないときは
地デジ放送とbs放送を差し替えるときに、後ろのチューナーを毎回差し替えなくてはいけません。
毎回手間なので、電気屋で分配器を購入して差し込んで使うと、リモコンで簡単にbs放送と地上波放送を変えることができます。
しかし、マンションはbsアンテナだけど、分配器を所有していない=bs放送を見れる条件が整っていないからという理由を説明して、衛星契約ではなく地上契約にされる方もいらっしゃいます。
もちろん、この主張については判例もないので、もし裁判になったときにどういった判決になるかはわからないという点もあります。
しかし、nhkの訪問員の方が「分配器を購入すればbs放送が見れるから」という理由で、bs受信料を請求してくるケースもあります。
「bs内蔵テレビを所有したらbs放送が見れるからといった理由で、全く見る意思のない人たちに受信料を請求するようなものだ!」という批判の声も少なくありません。
地上波は契約していて衛星契約を拒んでる人が訴訟の対象になった事例は存在しません。
ですから、全く見ていないならbs受信料を支払う必要はありません。
しっかり事情を説明して対応しましょう。
bsアンテナのマンションのnhkのbs受信料については話し合いが必要
nhk受信料については憲法で定められているものの、まだ曖昧な部分も残っています。
マンションがbsアンテナだからといって諦めて支払いしてしまう前に、しっかり調べて対応しましょう。
もちろんbs受信料を支払って、bs放送を楽しむという事もできます。