外国為替証拠金取引、いわゆるfxのブログは参考に値するか?

外国為替証拠金取引というと、なんだか難しい経済用語のように感じますが、fxなら皆さんも聞いたことがありますよね。

2000年より少し前あたりから、個人投資家に為替取引が開放され、一時期はメディアにもさかんに取り上げられました。

fxは今でいう仮想通貨のような、新しい投資方法だったわけです。

そんなfxは、一般にも定着しており、ブログでfx指南などもされていますが、このブログ、どの程度参考になるのでしょうか。

外国為替証拠金取引(fx)の仕組み

外国為替証拠金取引、いわゆるfxは、外国通貨(為替)を交換売買し、差益を得ることを目的とした投資です。

サービスを提供するfx会社に口座を開設しておくと、ネットやスマホで手軽に売買できるようになっています。

そのため、主婦の小遣い稼ぎや、会社員の副業として人気です。

ブログやバナーで目にすることも多く、皆さんも名前は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

具体的には、ドル円取引の場合、口座にある円を証拠金として取り引きします。

たとえば円でドルを買う場合、通常なら1万ドル買うには、為替レートが1ドル=100円の場合だと100万円が必要です。

しかし、fxの場合は、レバレッジというテコの原理のようなものを効かせることで、少ない証拠金でドルを買うことができます。

個人のレバレッジは25倍が最高で、これを効かせると4万円の証拠金で1万ドルを買うことができるのです。

その1万ドルを保持している間に、ドル円の為替レートが変化し、1ドル=110円の相場になったとしましょう。

そのときに、ドルを売って円に換えると、110万円になります。

つまり、100万円の値打ちのときに買ったものが、110万円になり、差額の10万円が儲けになるのです。

fxでは経済情勢によって為替相場が変動する

このように、とても手軽で、持っておくだけでお金が生まれるのがfxの魅力と言えますが、実は反対の場合もあります。

100万円の値打ちのときに買ったものが、為替レートが1ドル=90円になって、90万円になってしまうこともあります。

この場合は、持っているだけで10万円の赤字になってしまいます。

ただ、決済しなければ、やがて為替レートが変動し、1ドル=110円になり、10万円の儲けに転じることだってあります。

ただ、その逆もあるというのが、いわゆる投資のリスクと言えるでしょう。

ところで、「空いた時間で毎月10万円」「簡単fx必勝法」などと謳うfxブログなどがアップされています。

内容的には、最近の経済情勢を語り、今日の相場を語り、今後の予想などを載せているものが多いように思います。

また、相場の変動に影響がある経済指標の発表などについて解説したり、その後の値動きを予想するものもあります。

fxをこれから始めよう、または始めたばかりという初心者にとっては、これらのブログは貴重な情報源と言えるでしょう。

なぜなら、fxにおける相場の上がり下がりは、各国の経済情勢と密接に関わっているからです。

fxのブログにはそのような情報が集約されているため、初心者でも、読めば根拠のある売買ができるはずです。

fxブログは為替相場の情報の宝庫

ところで、fxにおいて為替相場が上がり下がりするのは、市場参加者が売り買いをしているからです。

ドル円を前提に説明すると、多くの人が円を売ってドルを買うと、ドルの価値が上がって円安ドル高になります。

逆に、多くの人がドルを売って円を買うと、円の価値が上がって円高ドル安になります。

そして、その売り買いの動機となるのが、経済に絡む報道や要人の発言、また、定期的に発表される各国の経済指標です。

経済指標というのは、たとえば日本の場合だと、失業率や四半期GDP、日銀の政策金利の発表などです。

これらは、事前にいつ公表されるかが決まっていて、前回の発表から今回の予想が立てられて、公表結果が予想を上回るか下回るかで相場が動きます。

日本の経済が好調である内容の指標が出れば、円高に振れますし、悪い結果が出れば円安になります。

それ以外にも、世界のどこかで経済危機が起こると、安全通貨としての円に買いが集まり、急激な円高に振れたりもします。

ただ、世界の主要通貨と言えば、やはりアメリカのドルです。

アメリカの経済指標の発表がどこの国よりも影響が大きく、値動きも大きいと言えるでしょう。

このように、為替相場の値動きには、様々なことが影響します。

ブログを見ると、その日の相場に影響しそうな経済指標がピックアップされ、過去データなどもまとめられています。

これを利用しない手はありませんね。

fxブログの中の為替相場の予想には注意を

このようなことから、fx初心者にとっては、ブログは便利な情報ツールであると言ってよいでしょう。

しかし、問題は予想です。

fxとは、あるタイミングで相場が上がるか下がるかの、二つに一つの勝負です。

勝負に勝ち続ければ、莫大な利益も夢ではありません。

実際、為替相場を操れるほどの外国の投資家集団などは、色々な手法で莫大な利益を得ています。

しかし、二つに一つの勝負である以上、確実に勝ち続けるというのは無理な話です。

そして、いくつかのブログを見てみると、毎日ブログをアップしているつわものトレーダーでさえ、予想を外していることがあります。

あっちとこっちのブログで予想が違っているという状況も、当たり前にあります。

大きな指標発表の翌日、売買の参考にした同じブログを見てみると、「なぜ予想に反する値動きになったのか」などが綿々と綴られていたりします。

しかし、後で言い訳のように結果を語られても、fx初心者には何の役にも立ちません。

また、「あくまで個人の予想ですので、責任は負いかねます」などというフレーズがよく書かれています。

実際その通りで、人の予想に乗りすぎないことも大切です。

つまり、ブログに載っている経済情勢の分析や指標などの情報は有益であると言えますが、日々の予想は信じすぎないことです。

これが、fx初心者がブログに対して取るべきスタンスと言えるのではないでしょうか。

為替相場で大切なのは中長期予想

先ほど、「fx初心者にとって、ブログは情報収集に有益であるが、予想は参考程度にすべきである」と述べました。

ただ、予想の中でも多少は参考にすべきものもあります。

それが「中長期的予想」です。

為替相場は、日々上がり下がりを繰り返していますが、長期的な目で見ると、ある日を境に上がり続けている、下がり続けているという傾向があります。

チャートなどを見るとよくわかるのですが、例えば5分足のチャートで今日は下げ傾向にあるように見えたとします。

しかし、それを4時間足や日足に直してみると、逆に3か月間上がり続けていることがわかったりします。

つまり、今日の下げは、上がり続けている中の小さな下げ傾向で、結局また上がっていくという中長期的傾向がわかるわけです。

fxでは、その中長期的な流れを読むことも大切です。

なぜなら、買って持ち続けているドルが今後も上がるならば、持ち続けていた方が利益が増えるからです。

しかし、今後下がり始めるなら、早く決済しておくべきと言えるでしょう。

このような決断をする際に、中長期的な相場の傾向を読むことが必要となってくるのです。

初心者はブログの中長期予想を参考に対策しよう!

このような為替の中長期的な相場の傾向を読むには、やはり過去の実例を知っている、経験していることが必須です。

そのようなことから、fxに関するブログを書いている先駆者たちの意見は参考になると言ってよいでしょう。

そして実際、日々の予測を比べると、ブログによって中長期予想の意見が分かれることも少ないようです。

ただ、傾向には変わり目というものがあります。

その変わり目が完璧にわかるトレーダーは、なかなかいないのが現実です。

それができたら、きっとブログなど書かずに投資のプロになっているはずです。

たとえば、ブログで昨日まで中長期的に下がり傾向と書いてあったものが、急に不明と書かれていたりもします。

このような場合は、初心者の皆さんは、多少買い控えしたり、その日のうちに売り買いしたポジションを決済するなどの対策をすべきと言えます。

そして、はっきりとした流れが出てきて、複数のブログで統一した中長期的傾向が見られるようになるのを待ちましょう。

つまり、儲けより損をしないことを優先する、それが初心者にふさわしいやり方ではないかと思います。

ブログは勉強用に、チャートを見て実地訓練をしよう

fx初心者の皆さんは、一度このようなブログを続けて読んでいただきたいと思います。

用語の勉強にもなり、ちょっと経済通になったような気がするはずです。

その上で、しばらく「チャートを見る」という作業をすることをお勧めします。

そして、「この指標でこう動いた」などが感覚的にわかるようになったら、実際に売り買いしてみましょう。

もし自分の読みが当たったら、もうあなたは立派な個人投資家と言えるでしょう。