空室が続いているのはアパートの駐車場が狭いことが原因?!

アパートなどの賃貸物件に入居を決めるポイントは、家賃や部屋の雰囲気だけではありません。

車を所有している人なら、駐車場の広さが十分であることも、入居の決め手になることもあります。

駐車場が狭いという理由で退去した人はいませんか?

また、空室ばかりではありませんか?

何か対策が必要になってくるかもしれません。

駐車場の寸法基準について

国土交通省の指針では、駐車スペースを最低限設けることを原則としています。

駐車場が狭いと事故が起こりやすくなるリスクがありますし、スペースを大幅に広くするとなると、車を停めるスペースを確保しなければなりません。

駐車場の寸法基準は、

・軽自動車
長さ3.6m 幅2.0m

・小型自動車(5ナンバー)
長さ5.0m 幅2.3m

・普通自動車(3ナンバー)
長さ6.0m 幅2.5m

・大型貨物車およびバス
長さ13.0m 幅3.3m

・小型貨物車
長さ7.7m 幅3.0m

です。

自走式立体駐車場などの場合は、以下のように細かく規定があります。

・車室の高さ 2.1m以上
・車路の高さ 2.3m以上
・車が回転できるように、車路の屈曲部は5m内法半径
・車路の傾斜部の勾配は17%以下で、滑りにくい材料を使う

ほかにも、出入口などの規定があります。

これからアパート経営を行う方は、駐車場関連法規を守る必要がありますので、確認しましょう。

駐車場が狭いのはトラブルの元

アパートの駐車場が狭いと、思わぬトラブルが起こる可能性もあります。

その1つに、乗り降りをする際や車を駐車するときに、隣の車にぶつけてしまうリスクがあります。

車をぶつけた方も、ぶつけられた方も良い気はしないですよね。

大家さんからしても、こうした住人同士のトラブルは避けたいものです。

また、両隣に停めてある車が大きいものだと、駐車スペースも狭くなります。

今までは何の問題がなかったとしても、新しく入居した方の車が大きい場合など、すでに入居している方の駐車スペースがおのずと狭くなってしまいます。

たった数センチ変わるだけでも、ドアを開けにくかったり、何度も切りかえさなくてはならないなどの不満が起こるのです。

十分過ぎる駐車スペースを確保する必要はありませんが、入居者の所有する車の大きさが皆同じではないということを念頭に入れておきましょう。

アパートの駐車場に白線を引こう

車の停止位置になる車止めのみですと、アパートの場合、隣の車の停めかた次第では駐車場が狭いと感じてしまいます。

どこまでが駐車をしていいスペースなのかを分かりやすくするために、車1台分の区切りになる白線を引きましょう。

白線を引く方法はたくさんありますが、塗料を使った方法をご紹介します。

①白線を引いたら乾かす必要があるため、天候の良い日に行いましょう。

事前に入居者の許可と承諾を得ることも大切です。

また、作業中は駐車場が使えなくなるため、臨時の駐車場を確保することで、円滑に行えます。

②まず、土地の幅を計測して白線を引く設計図を書きます。

標準のスペースは、幅2.5m×長さ5.0m×車路幅5.0mです。

狭さを解消したい場合は、この幅よりも広く取りましょう。

③白線を引く前に、アスファルトにある小石や草を取り除いて、綺麗な状態にします。

④必要な道具は、道路線引き用の塗料とスケール、養生テープ、ローラー、チョーク、チョークリームを用意しましょう。

⑤白線を引くところにチョークで目印をつけます。

その目印をチョークリームを使って繋いでいきましょう。

⑥引いた線から塗料がはみ出ないように、線に沿って養生テープをはります。

⑦道路線引き用の塗料をよく混ぜてから、ローラーバケツに出して塗りましょう。

ローラーで塗りにくい箇所は、刷毛を使うと綺麗に濡れますよ。

⑧完全に塗料が乾くまで、コーンなどを立てて侵入禁止にしておきましょう。

アパート経営者として見極める力

駐車場の白線引きに自信がない、または綺麗に引きたいときは業者に依頼しましょう。

白線引きに失敗して、前よりも狭い駐車場になってしまっては困ります。

プロであれば作業にも慣れているため、スムーズに短時間で行ってくれますよ。

依頼をするときは、信頼のおける業者を見極める必要もあります。

なかには、見積書にない料金の請求をされたり、アフターサービスの整っていない業者もあるからです。

アパートを経営するにあたって、良心的な業者を選ぶことも重要になります。

追加料金は発生しないかどうかなど、見積書の内容をご自身でよく確認しましょう。

インターネットを使って、口コミを集めてみるのも良いですね。

また、作業にかかる費用は素人では相場が分かりません。

だいたいの相場を把握していないと、無駄な支払いになってしまいます。

1つの業者で決めるのではなく、2~3社と複数の業者に見積もりをしてもらいましょう。

見積もりだけなら、無料で行ってくれるところが、ほとんどです。

いくつかの見積書を見比べて検討してみましょう。

狭い駐車場を解消するU字ライン

車1台分の区切りとなる白線ですが、さまざまな種類があります。

とくにアパートで良く見かけるのは、1本の線で区切るシングルラインです。

シングルラインでの駐車場の場合、狭い土地だとしても数台分の駐車スペースが作れます。

ですが、設計によっては車の乗り降りが困難となり、狭いと感じることも少なくありません。

この問題を解消するのが、U字ラインです。

U字ラインは文字のごとく、英語の「U」の形のラインをしているため、車を停めると左右にゆとりが生まれます。

このゆとりはドアスペースとなり、車に乗ったり、降りたりすることがスムーズに行えるようになるのです。

車の駐車が苦手な入居者も、停めやすい駐車場になります。

土地に余裕があったり、狭い駐車場を改善したいときは、U字ラインが効果絶大です。

車が停めやすいことは、入居の決め手になることはもちろんですし、「ドアがぶつかった」などのトラブルも少なくなることでしょう。

アパートの駐輪場が狭いことも原因?!

駐車場と同じく、駐輪場も共有スペースになります。

この駐輪場が狭いことが、空室の要因になっているかもしれません。

自転車を所有していて、日々の交通手段として活用しているかたからしたら、駐輪場の広さも重要視することでしょう。

駐輪場のタイプは大きく分けると、平置きタイプと二段式タイプがあります。

この2つを組み合わせている駐輪場もあるかもしれませんね。

アパートの場合、平置きタイプが多いでしょうか。

平置きタイプは自転車の出し入れがしやすい特徴がありますが、このスペースが狭いと困難になります。

できることなら各家庭で自転車を所有していると仮定して、出し入れのしやすいスペースを確保すると良いでしょう。

また、スペースの確保のほかにも、雨風の影響を受けにくいこともポイントです。

屋外に設置する際は、屋根をつけるなどして対策しましょう。

盗難被害が続いているようであれば、防犯カメラなどのセキュリティを行うことで、入居者は安心感を得ることができます。

毎日使う場所だからこそ

生活の手段で使われる車や自転車は、ゆとりのあるスペースに停めたいものです。

毎日利用する場所だからこそ、快適に利用したいですよね。

住人の気持ちになり、住人の声に耳を傾けてみましょう。

過ごしやすい環境を提供することで、空室対策にも繋がりますよ。