遠くで雷が聞こえただけで怖がる人もいるくらい、雷とは恐ろしいものです。
雷で死亡してしまうこともあるのですから、身近にある危険な現象のひとつです。
もし家に雷が落ちたら、恐いですよね。
家の中では、どのような対策が出来るでしょうか。
雷対策をする前に、雷について知る
自然現象は、時に恐ろしい災害を引き起こします。
身近で危険な自然現象というと、雷もそのひとつです。
雷は、人のチカラでは防ぐことは出来ませんので、対処するしか自分を守る術がありません。
雷は、高いところにしか落ちないと思っているかもしれませんが、基本的にはどこにでも落ちる可能性があります。
ビルはもちろん、2階建ての家や、自転車にも落ちるのです。
もし家に雷が落ちたら、その家はどのようになってしまうのでしょう。
まず、雷がどのような現象なのか知っておきましょう。
雷は、落ちるときには200万~10億ボルト、電流にすると1千~20万アンペアにもなります。
あまりに大きな数字ですから、想像がつかないかもしれませんね。
一般家庭では、30アンペアや50アンペアで契約されていることが多いと思います。
そう考えると、雷の電流がいかに強大であるかがわかると思います。
基本的に、雷は「高いもの」に向かって落ちます。
これは誰でも知っていますね。
しかし、グラウンドや海岸などの開けた場所、尾根や山頂などの高所では、人に向かって落雷しやすくなります。
また、木に雷が落ちたら、直撃されなくても近くにいる人に電流が飛び移って感電することもあります。
しかし、クルマや電車、飛行機など金属で囲まれたものの中では、雷の電流は表面を通りますので、内部には流れ込みません。
家などの建物の中にいれば、基本的に安全は確保できます。
雷が落ちたら起こること①
落雷には、種類があります。
・直撃雷…人や建物などに直接雷が落ちることです。
・側撃雷…一度落雷したものが、周囲に再放電することです。
・誘導雷…どこかに落ちた雷の電流が、電線などを伝わって、建物に入ってくることです。
・侵入雷…避雷針などに落ちた雷が、大地に逃げず電線やケーブルに入り込むことです。
家が密集している住宅街であれば、雷が直撃する可能性は低いのですが、誘導雷と侵入雷には気を付ける必要があります。
雷がどこかで落ちたら、他人事と思わず注意しなければなりません。
落ちた雷の電流が、電線やケーブルなどを伝わって周辺に拡散されるのが誘導雷ですが、これによって一時的に大きくなる電圧や電流を「雷サージ」といいます。
雷サージにより、テレビのケーブルや電話線、インターネット、コンセントなどの電気回線から大きな電流や電圧が流れてきます。
そうすると、それに繋がっている電化製品にも大きな電流や電圧が流れることになり、これによって破損してしまう可能性があるのです。
誘導雷の範囲は、数キロメートルにも及ぶといわれています。
自分の家から遠い場所に落ちたから大丈夫、と楽観できないのです。
雷が落ちたら起こること②
高層ビルですと、避雷針が設置してあります。
しかし、避雷針があれば雷が落ちないというわけではありません。
避雷針は、落雷があった場合、電気の通り道となって地面に電流を逃すことで、建物を被害から守る役割があります。
しかし、雷の規模によっては、地面に放電できず、建物に侵入してしまう「侵入雷」が起こります。
また、「瞬停」にも注意が必要です。
瞬停とは、「瞬時電圧低下」といいます。
落雷時に、一瞬電気が切れてしまうことがありますよね。
送電線に雷が落ちたらその場合、その電線への電力を切り離すために一瞬停電した状態になります。
時間にしてわずか数秒ですので、大型の家電でしたらあまり影響はありません。
しかし、一瞬であっても電力の供給が途切れてしまいます。
精密機械、特にパソコンなどは、影響を受けてしまうことがあります。
仕事中のデータが消えてしまったり、ハードディスクが故障してしまうこともあるのです。
家や家電を雷から守る
雷から家や家電を守るために、出来る対策をしておきましょう。
雷雲がすぐ近くにいなくても、ゴロゴロと雷の音が聞こえるのであれば、雷が落ちてくる可能性があります。
家の中にいるときは、雷対策と取りましょう。
まずは影響を受けやすい家電です。
手っ取り早い対策は、コンセントを抜いておくことです。
これで、雷サージを防ぐことができます。
また、エアコンや洗濯機にはアースを付けておくことをおすすめします。
アースを付けることによって、電流が地面に流れるのでより安全性が高まります。
コンセントや電話線に付ける雷ガードのタップも有効です。
可能であれば、LANケーブルも抜いておきましょう。
雷が落ちたら、雷サージによりショートを起こしてしまうことがあります。
そこから発火することもあり、それが雷による火事の主な原因となっているのです。
家を守るためにも、雷を見くびってはいけません。
誘導雷を防ぐ保安器が付いているケーブルテレビなどは、コンセントを抜かなくても雷の侵入を防ぐ対策がされているようです。
しかしそれでも、雷の状況によっては完璧に防ぐことは出来ません。
家に雷が落ちたら、どうすれば良い?
もし家に雷が落ちたら、その電流は外壁の表面を通り、地面に流れます。
家の中にいれば、人が被害を受けることはあまりありませんが、絶対安全とも言い切れません。
電流が、水道の蛇口や電気器具を伝わって感電することがあるのです。
家電の対策をしたら、自分自身も安全対策を取りましょう。
電流は、外壁の表面を通ります。
もし鉄筋コンクリートの家であれば、電流は鉄を伝わって地面に逃げていきます。
しかし木造の場合、水道管や排水管から電気が伝わってくることがあります。
安全のため、壁から離れて、1メートルほど距離を開けましょう。
家の中でも、水を使う部分から離れます。
例えば、入浴中であればすぐに出ましょう。
また、料理も中断して水まわりから離れます。
電球や蛍光灯の近くも避けましょう。
雷の様子を見に、庭に出ることも危険です。
ベランダに立つのも同様に危険ですので、やめましょう。
しかし、もし直撃雷が家に落ちたら、コンセントを抜いてあったとしても、家電に電流が流れ込んでしまう可能性が高いです。
これは、防ぎようがありません。
雷が起きたら、出来る対策をして、安全な場所で待つしかないのです。
家の設備に雷対策を施しておく
最近では、雷を遮断できるコンセントも販売されています。
雷ガード機能がついている電源タップもありますので、家の中で使っているタップを、このようなものの交換すると、より雷対策として有効です。
また、雷サージからテレビなどを保護するために使う雷サージプロテクタもあります。
設置も簡単で、コンセントに差し込み、テレビとテレビコンセントにつなぐだけです。
工事が必要ありませんので、誰でも簡単に設置できます。
雷サージによる、コンセントからの電流の侵入を防いでくれます。
安全性を高めるために、アースも取り付けておくとより良いですよ。
パソコンのデータを破壊してしまう瞬停の対策には、UPSを使うと良いでしょう。
UPSとは無停電電源装置といい、機器とコンセントの間に設置します。
内臓バッテリーにより、コンセントからの電気が落ちたら、電気を供給してくれます。
電源が落ちるのを防いでくれるため、パソコンのデータを守ることができるのです。
日本で、雷が多い地域は東北から北陸地方にかけての日本海沿岸部です。
最も多いのは、石川県の金沢となっています。
雷が多い地域に住んでいるのであれば、あらかじめ家の設備に雷対策を盛りこんでおくことも大切です。
また、雷が多い地域でなくても、周辺にあまり家がない平地に住んでいる、重要なパソコンのデータがある、という場合には、雷対策は必要です。
出来る対策をしておくことが大切
雷は自然現象ですから、人のチカラでコントロールすることは出来ません。
自分や家族、家を守るために出来る対策をしておくことしか出来ないのです。
被害が出てしまうと恐ろしい結果になります。
少しでも出来ることをして、安全を確保しておきましょう。