畳をフローリングに変えたいとは思うけど、工事を考えると、費用と時間が掛かりますよね。
そんなときは、フローリングマットが便利なうえに、安価なのでおすすめです。
畳の上にフローリングマットを敷くだけで、古びた室内が、一瞬で洋風へと変貌します。
ですが、カビやダニの危険性を十分に認識してから、設置することをおすすめします。
このカビ・ダニ対策を読んで、快適なフローリングライフを送りましょう。
フローリングマットを敷く前にまずは正しい知識を
まずは、フローリングマットを敷く前に、その使用方法を学ぶ必要があります。
と言っても、ただ畳の上に敷くだけですから、難しいことではありません。
本当に注意しなければならないのは、カビやダニです。
なぜ、フローリングマットを敷くだけなのに、カビやダニの話になるのでしょうか。
それは、畳の上という条件があるからです。
畳というのは、元々カビやダニの温床になりやすい構造をしています。
細かな目と厚みのある畳の奥深くには、カビとダニが隠れる場所が豊富ですから、一度発生してしまうと、駆除は難しいです。
強力な吸引力の掃除機でも、畳の奥深くに隠れているダニを吸い尽くすことは、極めて困難と言えます。
カビやダニが増殖する条件としては、高温多湿です。
わたし達が住むこの日本は、カビやダニにとっては、とても過ごしやすい場所ということになります。
さらに、ダニはアレルゲン物質でもあります。
小さな子供がいたり、喘息持ちの方には、悪い影響を与える可能性も考えられますので、注意したいところです。
ただ、注意ばかりではフローリングマットを敷くことができなくなってしまいますので、ここからは、その対策をお伝えします。
フローリングマットを設置するには時期がある
意気揚々とフローリングマットを購入して、何も考えずに敷くのは良くありません。
前述したとおり、カビ・ダニの脅威から、ご自身や家族守るためにも、しっかり対策をしていきましょう。
最初に考えるのは、時期です。
フローリングマットを畳の上に敷くだけなんだから、いつでもいいだろうと思われがちですが、カビ・ダニが好む環境を避けて設置すれば、安全性は増すことになります。
具体的には、温度が20~30℃、湿度が60~80%で、爆発的に繁殖するというデータがあります。
この条件に合う季節と言えば、梅雨ということになります。
梅雨は、じめじめとした高温多湿という言葉が、まさにぴったりの嫌な時期です。
それは同時に、カビ・ダニが活発になる時期とも言えますから、このタイミングに、わざわざフローリングマットを敷くのは好ましくないでしょう。
それでは、設置には、どの時期が良いのでしょうか。
気温も低く乾燥している冬は、カビ・ダニが嫌う条件を見事に備えています。
畳の上に敷くことによって、多少の防寒対策にもなりますから、おすすめではあります。
しかし、冬の時期は結露が発生しやすいので、そこだけは要注意です。
では、他の時期はどうでしょうか。
条件を考えると、お住いの地域によって違うと思いますが、10月~5月くらいまでが、接地時期としては良さそうです。
畳の上にフローリングマットを直接敷くのはNG
フローリングマットを、実際に敷くときの注意点を考えていきましょう。
気をつける点は、フローリングマットを直接、畳の上に敷いてはいけないということです。
畳は細かい繊維が折り重なっているので、空気が抜けるようになっています。
それをフローリングマットで蓋をするということは、空気の抜けを悪くする、つまり蒸れや湿気を発生させることになります。
これでは、すぐにでも、カビ・ダニの温床になることでしょう。
まずは、畳をタオルなどで、畳目に沿って乾拭きをします。
ほうきでの掃き掃除でも大丈夫ですが、畳を傷つけないように注意しましょう。
後はフローリングマットを敷くだけですが、その前にダニよけシートを畳の上に、吸湿シートを畳の下に敷きます。
それぞれ、カビ・ダニ対策としてはマストアイテムで、ホームセンターなどにも売ってますので、簡単に手に入ります。
フローリングマットのついでに、一緒に購入しておくと良いでしょう。
ここで注意したいのは、シートには使用期限ありますので、ときどき新しいものと交換する必要があります。
ここまでできたら、ようやくフローリングマットを敷きます。
フローリングマットは絨毯系のものよりも、ウッド系のものを強くおすすめします。
絨毯系はダニが発生しやすく、ウッド系はダニの発生が少ないためです。
せっかくカビ・ダニ対策をしても、マットでダニが発生してしまえば、全て台無しになってしまいますので、気をつけましょう。
畳にカビ・ダニの発生を未然に防ぐ方法
そもそも、畳にカビやダニが発生していなければ、ここまで難しい話にならないのでは?と思われるかもしれません。
高温多湿の日本では、カビ・ダニの発生を100%防ぐことは、ほぼ不可能と言われています。
ですが、爆発的な繁殖を未然に防いで、人体に影響を少なくするということは可能です。
その方法とは、掃除です。
カビ・ダニのエサとなるのはフケや垢、食べカスなども好んで食べます。
畳は目の細かい穴があいてますので、これらの物質が入り込みやすくできており、人間がカビ・ダニにエサを与えているような状況になってしまいます。
それを防ぐためにも、掃除が絶対不可欠なのです。
フローリングマットを敷いた後であれば、掃除機をかけるだけで効果はありますが、畳の掃除は少し手間が掛かります。
固く絞った雑巾で畳の目に沿って拭き掃除、お茶の葉を乾燥させたものを畳の上にばら撒いて、ほうきで掃き掃除と、現代人にはあまり馴染みのない掃除ですね。
さらに重要なのは、これをこまめに繰り返す必要があるということです。
掃除機でも可能ですが、畳の目に沿って傷つけないように掃除機を持って、力をかけずに行います。
お掃除ロボもできないことはないのですが、畳の目など一切気にしないので、畳が傷ついてしまうでしょうからおすすめしません。
どの方法でも、掃除は重要なカビ・ダニ対策なので、しっかり行いたいものです。
カビ・ダニ対策には畳のメンテナンスが重要!
掃除の他にも、もうひとつ重要なカビ・ダニ対策があります。
それは、畳のメンテナンスです。
畳のメンテナンスと言われても、いまいちピンとこないかもしれませんが、これをやるとやらないのでは、畳の保ちが違います。
掃除同様、しっかりやっていきましょう。
まずは、畳干しです。
畳干しとは、畳を起こして日陰干しすることを言います。
日光に直接当てると畳が日焼けしてしまうので、日陰干しをしてください。
風通しの良い外で畳を干すことによって、カビ・ダニ退治にも効果があります。
そのため、最低でも、1年に1回はやっておきたいですね。
特に、梅雨明けなどは必須と言えます。
畳を起こす際は、マイナスドライバーを隙間に挿して起こすと、簡単に起きます。
畳を傷つけないように、接地面の間に、タオルなどの柔らかいものを挟むと良いでしょう。
そして、同時に行いたいのが、換気です。
窓を空けて扇風機を回すと効果的ですし、除湿機を使うのも選択肢のひとつです。
フローリングマットを敷いてしまったからといって、これらのメンテナンスをサボると、そのマットの下は恐ろしいことになってしまいますので、忘れないようにしたいですね。
カビ・ダニがもし発生してしまったら?
ここまで、カビ・ダニ対策を5つほど考えてきましたが、それでも発生してしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
畳には薬品が使えませんので、シンプルに言えば、ものすごく丁寧に掃除をするくらいしか、対処方法がありません。
ダニは目に見えないので、カビが生えてしまった場合です。
まずは、畳目に沿って、掃除機でカビを吸い取ります。
そして、タオルで乾拭き、これを1セットにして、3~4回ほど繰り返します。
カビは人間の目には見えない胞子を飛ばしているので、これ以上繁殖しないように、できるだけ天気の良い日を選んで、外で作業を行うと良いでしょう。
どうしようもないくらい畳が、赤や青や黒のカビで埋め尽くされてしまった場合は、打つ手なしでお手上げになりますから、畳替えも視野に入れる必要があります。
畳によってはカビにくいものや、ダニが発生しにくいというものもありますので、それらを用意してから、新しい気持ちでフローリングマットを設置しましょう。
これ以上ない、清潔なフローリングライフをスタートさせることができるはずです。
フローリングマットも良いけどやっぱり畳が良い
フローリングマットは、確かに手軽で便利ですが、畳には畳の良さがあります。
カビやダニという問題は、面倒くさいかもしれません。
ですが、畳の柔らかさ、い草の香りは、無機質なマットでは味わうことができません。
古き良き文化が失われつつある現代だからこそ、畳の良さを見直してみてはいかがでしょうか。