長い期間、入居していない空室があると、毎月の収入が下がってしまいます。
大家さんは何か対策はないだろうかと、頭を悩ませますよね。
そこで、家電付きの物件が人気を集めているようです。
大きな家電は費用が掛かってしまいますが、調理に欠かせないガスコンロの設置はいかがでしょうか。
都市ガス用なのかプロパンなのか、間違うと危険なので、確認をしてから購入しましょう。
都市ガス用とプロパン用のガスコンロを間違えると危険
家庭用のガスとして、都市ガスとプロパンガスがあります。
どちらもガスなので、同じようですが、ガスコンロを使う際は注意が必要です。
確認をしないで、都市ガスなのにプロパンのガスコンロや、プロパンなのに都市ガス用のガスコンロを使用すると、火災や一酸化炭素中毒の原因になってしまうのです。
また、異常点火し、火傷してしまったり、機械の故障にも繋がります。
これでは、新たな入居者に迷惑が掛かってしまいます。
導入するときは、注意しましょう。
【ガスの種類を確認する】
経営している物件がひとつなら、契約しているガスが、都市ガスなのかプロパンなのか、すぐに分かるかもしれません。
しかし、確実に間違わないためにも、ガスの種類を確認しましょう。
何件もアパート経営している方は特に、注意しましょう。
直接ガス会社に問い合わせてみるのが確実ですが、ガスボンベの有無でも判断ができます。
ガスボンベがあれば、プロパンガスです。
都市ガスは、ガス管が地中に埋まっているので、ガスボンベはありません。
ガス警報器の位置でも、見分けられます。
都市ガスは天井など、上に溜まる性質のため、ガス警報器は天井に取り付けられています。
反対に、プロパンガスは下に溜まる性質のため、警報器も下に付いているのです。
ガス機器が都市ガスに対応か、プロパン対応なのかを確認
契約しているガス会社が分かったら、そのガスに合うガスコンロを購入しましょう。
ガスコンロなどのガス機器には、型番などが書かれたラベルが貼られています。
そのラベルに、都市ガス用などと、ガスの種類が記載されています。
ラベルが見つかれば、このようにすぐ分かるのですが、ネット通販などで購入するときなど、確かめられないこともあります。
そんなときは、ガスの別名で判断しましょう。
都市ガスは、「天然ガス」や「12A・13A」という別名があります。
プロパンガスは、「LP」や「LPG」と言われています。
ネット通販のほうが安く買えることもありますので、こうした別名で都市ガス用なのか、プロパンガス用なのかを判断してみてください。
ただ、大手の都市ガスの場合は「12A・13A」なのですが、これ以外のガス会社と契約している場合もあります。
その場合は、ガス会社に一度、問い合わせてみてから、ガスコンロを購入しましょう。
都市ガス用・プロパン用のガスコンロを購入するときに共通する選び方
ガスコンロの選び方のポイントをお伝えします。
都市ガス用でも、プロパン用でも共通しますので、参考にしてみてください。
まず、ガスコンロを購入する前に、設置する場所のサイズを測りましょう。
ガスコンロのサイズですが、コンパクト56cmタイプのサイズと、標準幅59cmタイプがあります。
設置する場所を採寸して、どのタイプなのか確認しましょう。
次に、意外と知られていない、バーナーの位置です。
2口のガスコンロには、標準バーナーと火力の強い強火力バーナーが、ひとつずつ付いています。
強火力バーナーは、右に付いているものと、左に付いているものがあります。
壁側に、強火力バーナーがこないように選びましょう。
ここまで、ガスコンロの導入を提案しましたが、全室にガスコンロを置くとなると、当然ながら費用が掛かります。
これから入居する方も、すでに入居している方も、「要らない」というかもしれません。
慎重に事前調査をしてから、検討してみましょう。
都市ガス用とプロパンで使うものが違う
ガスコンロが決まったら、ガスを通すゴムホースを選びます。
まず、ガス栓の形を見てみましょう。
【ガス栓の形状】
接続口になるガス栓には、「ホースエンド型」と「コンセント型」があります。
ホースエンド型は、ガス栓とゴムホースをバンドで固定しています。
コンセント型は、ゴムホースとバンドの他に、「ソケット」という部品が必要になります。
コンセント型のガス栓の場合は、忘れずにソケットを買いましょう。
そして、ゴムホースにソケットを取り付けてから、ガス栓と繋げていきます。
【ゴムホースの色】
次に、ゴムホースですが、契約しているガスによって、異なります。
都市ガス用(13A・12A)のガステーブルのゴムホースは、ベージュ(数年前までブルー)のゴムホース。
プロパン用は、オレンジのゴムホースです。
どちらのゴムホースについても、それぞれ性能や品質を規定する規格が違います。
供給ガス種に適合するゴム管を使いましょう。
【ゴムホースの長さと寿命】
必要以上に長いゴムホースや、折り曲げたり、ねじれたりしていない長さにしましょう。
また、短すぎて、ピンとゴムホースが張った状態もよくありません。
ゴムホースを取り換える目安ですが、プロパンガスで使用されているオレンジのゴムホース、または都市ガスで使用されているブルーのゴムホースで約3年。
都市ガスで使われているベージュの、ニューソフトゴムホースは約8年とされています。
取り換えの目安に限らず、ひび割れや固くなったゴムホースは、早めに新しいものと交換しましょう。
ガス栓とガスコンロの接続方法
ガスコンロを、ガス栓をゴムホースで接続していきましょう。
万が一を考えて、ガス警報器を設置後、使用開始してからの作業をおすすめします。
設置する際は窓を開けて換気をし、ガス栓がしっかりと閉まっているか、確認してから行います。
ガスが漏れたまま作業をすると、とても危険です。
火種さえあれば、一気に爆発してしまい、火災へと繋がります。
以上をふまえて、作業していきましょう。
都市ガス用はベージュで、プロパン用はオレンジのゴムホースですよ。
【ホースエンド型の接続方法】
先ほどお話したガス栓の形状が、ホースエンド型の場合の手順をご紹介します。
①ゴムホースにバンドを通し、赤いラインまで、しっかりとガス栓に差しこみます。
②バンドで固定しましょう。
③ガスコンロ側にも、赤いラインまでしっかりと差し込み、バンドで固定すれば完了です。
【コンセント型の接続方法】
ゴムホースとバンドの他に、ソケットが必要です。
①ゴムホースにバンドを通し、白い部分が隠れるまで、しっかりゴムホースにソケットを差します。
②バンドで固定しましょう。
③ガス栓に差しこみ、カチッと音がすればOKです。
④ガスコンロ側にも、赤いラインまでしっかりと差し込み、バンドで固定すれば完了です。
ガスコンロを設置したら最終確認
ガスコンロが設置できたら、最後にガス漏れをしていないか、確認しましょう。
都市ガス用のものでも、プロパンガス用のものでも、必ず確認してください。
きちんと、ゴムホースがガス栓の赤いラインまで差し込んであるかどうか。
ガスコンロ側の赤いラインも確認してください。
ガス栓から、ガスが漏れていないかどうか確かめる方法を見てみましょう。
おすすめは、泡状の洗剤を接続口に付けてみることです。
このとき、泡が膨らんだり動いている様子が見られれば、ガス漏れをしている可能性があります。
ガスは危険を察知しやすいように、においが付いていますが、人間の嗅覚だけで、においを判断することは良くありません。
ガス漏れの確認が終わったら、点火試験を行います。
青い炎が出れば、問題ありません。
ガスは目に見えないものなので、気が付かないうちに、危険な事故に繋がりかねないです。
少しでもおかしいと感じたり、ご自身での設置に自信がない場合は、迷わずガス会社に問い合わせましょう。
また、ガスコンロの設置までしてくれるサービスもあります。
意外と時間の掛かる作業なので、ガスコンロを設置する場合は、頼んだほうが大家さんの体力的には楽になるでしょう。
ガスコンロ設置はご自身で
いかがでしたでしょうか。
きちんと確認さえすれば、ご自身でもガスコンロの設置まで可能です。
ガスコンロ本体とホースなどの部品、設置手数料といった経費が掛かります。
少しでも安くしたい大家さんがいらっしゃいましたら、設置はご自身でやられてみてはいかがでしょうか。
その際は、ガス漏れなどに注意して行ってください。