様々な年齢、職業の方が一緒に住むアパートやマンションでは、常日頃から様々なトラブルが起こります。
その中でも、騒音によるトラブルは特に身近な問題と言えるではないでしょうか。
一時的なものであれば我慢も出来ますが、騒音が続くようでは参ってしまいますよね。
今回は騒音問題の対応方法についてご紹介していきますので、ご参考にしていただければ幸いです。
アパートの騒音トラブルの種類
アパートの騒音にお悩みの方が気になると思われる、下記の内容についてご紹介していきます。
・アパートの騒音トラブルの種類
・アパートの騒音トラブルで気をつけること
・アパートの騒音に関する法律について
・アパートの管理会社への効果的な連絡方法
・騒音トラブルに対する管理会社の対応
・管理会社に騒音の対応してもらえない場合は
◆アパートの騒音トラブルの種類
まずは騒音の種類によって、対応の仕方や連絡先が違うので、騒音の種類確認をしていきましょう。
・アパート、マンション外からの騒音
工事現場や近くの事業所などからの騒音の場合は、建設会社や行政へ相談しましょう。
・アパート、マンション内からの騒音
今回ご紹介するケースになります。
上の部屋からの足音、子供の騒ぐ声、夜間や早朝の洗濯機の音、ピアノやオーディオ機器の音などが挙げられます。
管理会社がある場合は管理会社、管理会社がない場合は大家さん、または不動産会社に連絡すると良いでしょう。
アパートの騒音トラブルで気をつけること
騒音が続くと、今すぐにでも何とかしたいと思うかもしれませんが、直接入居者の方に伝えることは、余計なトラブルを招く可能性があるので止めた方が無難です。
自分ひとりで解決しようとはせずに、必ず管理会社や大家様へと相談して伝えてもらうようにしましょう。
なぜなら騒音問題は殆どの場合、騒音を出している相手は『これくらいなら大丈夫だろう』と思っている事が多いからです。
そのためアパートの入居者同士ですと感情論になりがちですし、相手の方によっては余計なトラブルに繋がる場合もあります。
口論になった結果逆上して、事件に発展するケースも過去何件も起きています。
アパートの管理会社の方はそういったトラブルに関してはプロの方たちです。
下記で詳しく記述しますが、「何号室の方から苦情がありまして…」などとは言わずに、極力名前は伏せて通達してくれますし、余計なトラブルを避けることが出来ます。
アパートの騒音に関する法律について
騒音問題について困った際に、法律的に問題があるのかどうか、気になる方は多いかと思います。
結論から言うと、現状『生活騒音』を取り締まる法律はありません。
騒音に関する規制法としては『騒音規制法』という法律がありますが、これは工場及び事業場における事業活動による騒音を対象としたものです。
先に紹介した『アパートの外からの騒音』がそれに該当しますね。
一方で今回のようにアパートなどの『生活騒音』を規制する法律はありません。
日本の狭い国土では集合住宅はなくてはならないものですが、生活騒音を完全に無くす事は不可能です。
そのため多少の生活騒音はある程度我慢する必要があり、やむをえない場合は当事者間で解決すべきだというという考えで法整備が進まないという背景もあります。
このように生活騒音を規制する法律はありませんが、地方自治体によっては早朝や夜間の生活騒音に対する条例を設けている場所もあります。
条例に抵触しているようであれば、アパートの管理会社としても対応し易いです。
そのような規制があるのかどうか、内容についてなど市町村や都道府県の担当課に問い合わせてみると良いでしょう。
アパートの管理会社への効果的な連絡方法
管理会社への連絡も、ただ漠然と騒音をどうにかして欲しいと言ったところで、あまり効果的な対応は望めません。
管理会社に連絡する際は、わかる範囲でいいので騒音の具体的な内容を伝えましょう。
また、こちらから具体的な要望を伝える事で対応の向上が見込めます。
例としては、
・騒音を感じるようになった具体的な期間、日付、時間など
・騒音の種類(子供の足音、オーディオ音など。)
・騒音をどうして欲しいか(この曜日は、この時間以降は辞めて欲しいなど。)
客観的な状況と、具体的な対応方法を提示することで管理会社としても、騒音元の入居者の方に対応し易くなります。
騒音元の入居者にしても、何時以降は特に注意する必要があると分かれば改善が見込めます。
連絡した際にはアパートの管理会社の方に騒音問題に対してどのように対応してくれるのか、いつ頃までに対応してくれるのかを聞いておきましょう。
また、対応後に報告の連絡をお願いしておく事も有効です。
騒音トラブルに対する管理会社の対応方法
管理会社としても騒音問題の解決は非常に難しく、対応方法を誤れば問題を更に大きくしてしまうので、慎重に対応する会社が大半です。
一般的には入居者の方から連絡を受けた後、以下のような手順で対応します。
・共同掲示板、または全住居への文書による通達
まずは、文書による差しさわりのない通達を行います。
アパート、マンションの全住居に向けて通達することで、騒音に悩んでいる入居者が特定し難くなるので、その後の余計なトラブルを防止することが出来ます。
・個人宛への文書による通達、電話
それでも改善が見られない場合は、個人宛への文書での通達、または電話などで口頭の注意を行います。
その際は、被害者側の入居者の同意の下行われることが多いです。
『上の階の入居者が言っています』というように、苦情を入れた入居者が分かるような言い方はしませんが、どうしてもある程度は分かってしまうためです。
騒音に法的な規制がない以上、管理会社として出来る対応には限りがあります。
騒音問題がなかなか改善しないという事例が多いのもこの為です。
いずれにしても、問題解決は騒音元の入居者次第となってしまいます。
管理会社に騒音の対応してもらえない場合は
管理会社としても騒音問題は解決が難しい為、関わることは敬遠されがちです。
そのため、なかには悪質な管理会社も存在します。
いくらこちらからお願いしても対応してくれなかったり、入居者同士で解決するように言ってくるところもあります。
そういった場合は以下のような行動が効果的です。
・複数の部屋から苦情
騒音の規模にもよりますが、アパート、マンション内の複数の入居者が騒音を感じているということになれば、騒音元の住人に対して注意をしやすくなります。
周りに同様の騒音を感じている方が居ればお話を聞いてみるのも良いでしょう。
・大家に相談する
管理会社は貸主である大家に代わって、賃貸借契約に基づいた入居者に対して、良好な住居を提供する義務を請け負っています。
つまり、管理会社からしてみれば大家がお客様な訳ですから、大家から直接管理会社に話が伝われば対応してもらえる可能性が高まります。
・弁護士に相談する
弁護士に頼む場合は、騒音に関する法律がない以上、民事的な解決を図ることとなります。
自治体によっては無料での法律相談が開催されている場所もあるので行ってみるのもいいでしょう。
しかし当然のことながら多額の費用がかかりますし、仮に賠償金を得られたとしても僅かな場合が多いので、あまりお勧めできる方法ではありません。
アパートの身近な騒音トラブル
今回は騒音トラブルと管理会社への対応方法について解説させて頂きました。
生活騒音の問題は、個々の家庭から起きているため管理会社や自治体でも解決の難しい問題だという事がお分かりいただけたと思います。
対応の仕方によっては住民同士のトラブルに繋がりかねないので、冷静な対応を心掛けていただければと思います。