アパートから退去者!新たな入居のために掃除するのはだれ?

集合住宅のアパートなどは、人の入れ替えがあります。

住人が退去した際、生活していた部屋のままでは汚れていて、新たな住人を呼び込めません。

以前の住人の気配を、感じなくなるくらいの掃除が必要になります。

退去した後の部屋を掃除するのは、大家さんなのでしょうか。

それとも、以前住んでいた入居者なのでしょうか。

アパート退去後の部屋の掃除費用はだれ負担?

住人がアパートに入居して数年たち、退去する旨を住人から伝えられました。

空いている部屋に新たな入居者を募集しますが、前の住人が長年使用していた部屋です。

こまめに掃除をして綺麗に使ってくれていたとしても、見えないところは汚れているかもしれません。

このときに行うべき掃除を、ハウスクリーニングと言います。

部屋の掃除が済んでいると、次の人が、すぐに入居できる状態にしておくことができます。

また、入居を考えている方から「どんな部屋なのか見てみたい」とお願いをされたときに、汚い部屋ではイメージが良くありませんよね。

そのため、基本的には退去後に、ハウスクリーニングをします。

このハウスクリーニング費用ですが、基本的に大家さんが負担しましょう。

なぜならば、住人が毎月支払っている家賃に、このハウスクリーニング代が含まれているといった、見方がされるからです。

どちらが支払うのか争う裁判を見ても、「大家さんが負担するものである」という判断がされています。

入居者が退去時に掃除費用を負担するケース

アパートのハウスクリーニング費用は原則、大家さんだとお話しましたが、中には借主の負担になるケースもあります。

ハウスクリーニングに対する特約がある場合です。

この特約の条件を満たしていると、特約有効と判断されます。

では、その条件を見てみましょう。

②賃貸契約書などに明記されている

アパートの賃貸契約書などに、入居者がハウスクリーニング費用を負担する旨が、記載されているかどうかです。

③入居者の了承

ハウスクリーニング費用を入居者が負担することを理解したうえで、了承しているかどうかです。

アパートの契約書に明記されていて、入居者の署名捺印が押されていれば、②と③の条件を満たしていると言えます。

問題は①で、専門業者に依頼するほどの掃除なのか、ハウスクリーニングを行う必然性が、あるのかどうかの線引きが難しいところです。

退去者や入居者とトラブルにならないためにも明確に

ハウスクリーニング特約を、アパート賃貸借契約書に記載するときに、内容を細かく書きましょう。

不確かなことは、退去者や新たな入居者と、トラブルになりやすいです。

●負担割合

部屋を掃除するために掛かる費用を全額負担するのか、半額負担なのかでも、金額が大きく変わってきます。

●内容

掃除に掛かってくる費用の、具体的な内容を記載しましょう。

壁紙の張り替えは何平米でいくら、畳交換は1枚いくらなど、明確にすることで両者とも安心できます。

ハウスクリーニング料金が分かっていれば、契約書に書いておくと、トラブルになりにくいです。

当然ながら、世間一般的な相場額でなければいけません。

相場はというと、1平米あたり約1,000円。

1R・1K(20平米)ですと、ハウスクリーニング費用2~3万円が相場です。

部分的な掃除で言えば、キッチンのシンクや換気扇など各2万円。

トイレや浴室、洗面台など各1~2万円掛かります。

相場額を超える支払い額がトラブルに発展し、思わぬ出費となりかねないので注意しましょう。

また、自分のためにも、ハウスクリーニングがいくら掛かるのかを把握しておくことで、悪徳業者に引っかかるといったリスクもなくなるでしょう。

アパートの部屋の掃除は義務ではない?

アパートに住んでいた人が、退去費用を支払っているにも関わらず、掃除をしていない場合は詐欺罪に当たります。

法律違反です。

ですが、ハウスクリーニングは義務ではありません。

部屋を掃除するかしないかは、大家さん次第ということです。

アパート退去費用を住人から取らずに、部屋の掃除をしないまま、次の入居者に部屋を貸すことも、極端に言えば可能です。

特約を書いていない場合は、大家さん負担になりますが、掃除をしなければ費用も掛かりません。

しかし、義務でないのであれば、掃除をしなくても良いかというと、そうではありません。

むしろ、デメリットのほうが多くあります。

なぜなら、部屋を綺麗にするハウスクリーニングは、次の入居者に気持ちよく生活が始められる物件であるといった、良いイメージを持ってもらえるからです。

前に住んでいた住人の形跡があると、あまり良い印象がつきません。

空室を避けるためにも、部屋を掃除して、綺麗な状態で新たな入居者を待ちましょう。

アパートのハウスクリーニングはだれがする?

新しい入居者が訪れるように、アパートの部屋を掃除していきましょう。

掃除する人ですが、以下の方法があります。

・大家さん(管理会社)清掃業者に依頼する
・不動産業者が清掃業者と提携している
・大家さん本人が掃除する

大家さんが依頼するにしても、清掃業者と提携しているにしても、掃除のプロである専門業者に依頼するのが、最も望ましいです。

素人では、できない部分も綺麗にしてくれて、知識もあるため、スムーズに作業を進めてくれます。

張り替えられたクロスや床、ピカピカのお風呂場やシンクにしてくれますから、新築と変わらない状態とはいきませんが、それに近い状態に仕上げてくれます。

しかし、中には手を抜き、ずさんな清掃業者もいることも覚えていてください。

清掃業者は直接入居者と関わることがないため、苦情やクレームを受けることは、ほとんどありません。

すると、仕事がおろそかになりやすく、手抜き掃除になってしまうのです。

もちろん、プロですから、きちんと綺麗に掃除してくれます。

手抜き掃除をする業者はレアケースではありますが、こうした事態を招かないためにも、大家さんがきちんと確認しましょう。

大家さんが掃除!入居者が気になるトイレの掃除術

ハウスクリーニングは業者に頼まず、自分で掃除したいという人もいるかもしれません。

所有するアパートですから、自分で手入れをしたい。

また、経費を節約したいといった理由ではないでしょうか。

最後に、入居するときに気になる、トイレの掃除方法についてご紹介します。

トイレにある黄ばみや黒ずみ、黒カビやヌメリなどは、酸性とアルカリ性が混ざった複合汚れです。

これには、重曹とクエン酸が効果的です。

まず、重曹スプレーを作りましょう。

スプレーボトルに40℃くらいのお湯200ml、重曹大さじ1杯を入れて、しっかり振って混ぜ、重曹スプレーを作ります。

便器の内側に重曹スプレーを吹きかけて3分放置し、トイレブラシを使って掃除しましょう。

手アカ汚れにも効果的です。

雑巾に重曹スプレーを吹きかけて、ペーパーホルダーやドアの取っ手、壁と床も拭きましょう。

次に、クエン酸スプレーを作りましょう。

スプレーボトルに、水200mlとクエン酸小さじ1杯を溶かしましょう。

雑巾にクエン酸スプレーを吹きかけて、タンク上の手洗い用蛇口や水受けを拭きましょう。

水垢に効果的です。

クエン酸は酸性なので、タンク内の器具を傷める可能性があります。

クエン酸水がタンク内に流れてしまわないように、注意しながら行いましょう。

便器の内側の黄ばみも、クエン酸スプレーを吹きかけて、頑固な汚れはトイレットペーパーでパックすると、より効果的です。

部屋を綺麗にするのは必要経費

新しい住居を探していて、掃除がされていない物件を選ぶ人がいるでしょうか。

掃除の行き渡った部屋から、新たな生活をしたいと考える人がほとんどですよね。

新たな入居者を確保するためにも、ハウスクリーニングは必要経費です。

信頼できる清掃業者に依頼して、しっかりと掃除してもらいましょう。