アパート経営開始!買うべきは4階建てEVなし階段のみ物件?

アパート経営を始めようと、中古のアパートを購入すると、理不尽なこともたくさんあります。

経営するなら、必ず成功させたいですよね。

アパートの建物条件によって、入居率は変動します。

では、『4階建て・EV(エレベーター)なし・階段のみ』のアパートを購入した場合、空室にならずに、しっかりと経営を続けていくことができるのでしょうか。

アパート経営をする大家さんの一般的なお金の流れ

区分マンションと比べて、アパートは購入金額が高額になる傾向がありました。

それゆえ、アパート経営はハードルの高い投資とされてきたのです。

しかし、金融緩和により、不動産投資についても、融資を受けやすくなったのです。

その結果、アパート経営の人気が急上昇しています。

アパートを経営する大家さんの一般的なお金の流れは、どのようになっているのでしょうか。

<大家さんのお金の流れ>

①入居者から賃料をもらう

②賃料から管理費を引かれる

③共用部の電気代、清掃費などを支払う

以上が、月々のお金の流れになります。

賃料を貯めておいて、以下の流れがあります。

④入居者が退去する際は、リフォーム費用を支払う

⑤固定資産税、保険、税理士報酬などを支払う

⑥確定申告をする

このときに、やっと、大家さんの1年間の利益が確定します。

この他にも大規模な修繕や、入居者からの苦情の対応、災害前後の対策をしなければいけません。

今回は、4階建ての中古のアパートで、階段のみの物件について、お話していきます。

新築アパートと比べて、中古アパートには、大きく以下のメリットがあります。

●初期費用を比較的安く抑えられる
●安く抑えた費用で、リフォームすることが可能
●高利回りが実現しやすい

階段のみの4階建てのアパートの部屋に住むメリット・デメリット

実際に、4階建て、階段のみのアパートに入居している方のメリット・デメリットをご紹介します。

まずは、4階建てのEV(エレベーター)なしのアパートの部屋に住むメリットです。

●夏場に不快な蚊がいない
●窓を開けても、家の中を見られる心配があまりない
●他人の生活音や、車の音があまり気にならない
●暑い夏場は比較的涼しい、風通しが良い

ここからは、デメリットについてお話します。

●たくさん買いものしたときや、大きい商品の荷物を運ぶのが大変
●妊娠中に、何段も階段を上り下りするのが大変、また転落などの危険がある
●子供が寝てしまうと、子供を抱っこして、階段を上がらないといけない
●ゴミ捨てをサッとできないから面倒臭い
●1階まで降りるのが面倒で、引きこもりがちになる

以上のように、メリット・デメリットがあります。

多くの人はどうしても、4階建てでEVがないというと「不便」という言葉が浮かびますよね。

負のイメージを入居者が最初に持ってしまうことで、大家さんは入居者の募集に苦労することもあり得ます。

なかなか入居者が決まらず、空室期間が長くなってしまうと、当然ながら賃料収入が入らなくなってしまうので、大家さんは何か対策をしなければいけません。

何階以上のアパートにはEVを設置しなければならないのか

4階建てや5階建てのアパートで、EV(エレベーター)が付いていない物件の場合は、階段昇降が楽ではないシニア層には、見向きもされないことも多いです。

確かに、若い人でも何段もの階段昇降は辛いし、なるべくなら避けたいと思うものです。

そのような理由から、4階や5階の部屋は入居者の出入りが激しくなります。

そして、入居者が退去した後に新たな入居者が決まったとしても、賃料を以前よりは安く設定しなければならなくなるでしょう。

少子高齢化で、人口はどんどん減少していくにもかかわらず、アパートやマンションの戸数は増加しています。

今後、条件のあまり良くない物件は、苦戦を強いられるでしょう。

入居希望者の実際の声として「防犯上の関係で低い階は遠慮したいけど、EVなしで階段だけで上層階に住むのは辛い」といったような悩みを、よく耳にします。

では、何階以上の建物は、EVを設置しなければいけないのでしょうか。

建築基準法では、6階建て以上の高層住宅や、高さ31メートルを超える建物には、非常用のEVなどを設けなければならないとなっています。

5階までは、大家さんがEVを設置するか、選択できることになっています。

あくまでも義務ではないため、事実上は6階以上でない低層・中層物件では、EVはない可能性もあるのです。

4階建てのアパートで階段ではなくEVありの物件を購入すると

入居者側としては、4階建てのアパートでは、階段ではなくEVがあって欲しいと思うでしょう。

ですが、大家さん側からすると、EVが付いている物件を購入する際には、事前に頭に入れておいたほうが良い情報があります。

EV(エレベーター)の付いているアパートなどの物件は、積算価格や固定資産税が高く、維持費の負担も大きいのです。

新聞やニュースでEVによる、命に関わる痛ましい事故が起きてしまったのを、見たり聞いたりしたことがあると思います。

EVによる重大な事故を予防するためにも、常日頃の安全点検が必要不可欠なのです。

また、定期的に、必ず法定点検が必要となります。

つまり、メンテナンス費用が掛かるのです。

メンテナンス費用の目安は、一般的に月に約5万円ほど掛かります。

ざっと計算しても、年間で約60万円のコストが掛かることになるのです。

さらに、EVが故障してしまったら、修理するための部品代が掛かります。

この部品代は、驚くことに数十万円~数百万円にもなります。

以上のことから、エレベーターを設置した後は、継続的に費用が掛かります。

その他にも、電気代なども掛かってくるので、掛かる費用に対してのEV効果を、しっかりと見極める必要があるのです。

アパートの賃料を安く変更しなくてもよい境界線は3階?4階?

これから不動産投資するうえで重要なポイントは、客付けの感覚と賃料操作の感覚です。

投資物件選びの大きなポイントになると思うので、ここでぜひ知っておきましょう。

投資物件を購入する際に、4階~5階建てでEV(エレベーター)なし、階段のみの物件は数多くあります。

空室を作らないための経営ポイントは、4階~5階建てでEVなし、階段のみの物件は、若年層向けの差別化と賃料操作を行うことにあります。

実際に4階建てでEVなし、階段のみの物件を所有している大家さんの話を聞いても、客付けは案外問題ないそうです。

ただし、階段のみのアパートの賃料は、少し安くする必要はあります。

賃料を変更しなくて済むのは、3階までですね。

つまり、たとえ4階で階段のみの物件でも、その立地条件などによっては、2千円~3千円くらい賃料を安くすれば入居者は現れるでしょう。

4階建て・階段のみのアパートの入居者ターゲットは?

賃貸経営に、空室は禁物です。

ゆえに、空室を作らない経営が、何よりも優先されます。

前項で、4階建てで階段のみのアパートでも賃料を少し安くすれば、あまり問題ないとはお伝えしました。

しかし、階段の昇降がとても辛いシニア層にとっては、やはり借りにくい物件となってしまいます。

4階~5階建ての階段のみのアパートの入居者ターゲットは、あくまでも若年層なのです。

賃料を3千円安くするだけでも、若年層には、とても効果的です。

さらに、若年層向けの差別化をするなどの工夫も必要でしょう。

例えば、3LDKから2LDKへの間取りの変更です。

間取りを変更して、広いリビングを提供することで、恋人同士のみならず、趣味が豊富な人にも気に入ってもらえるでしょう。

つまり、EV(エレベーター)なしの4階~5階でも、2~3千円くらいの賃料を安くすれば、客付けは可能なのです。

これは、地方でも都心でも同様に可能です。

EVありの物件を購入するよりは、経費は掛からないと思います。

そのぶん差別化をして、賃料を安くすれば、十分戦っていけるはずです。

実際に、エレベーターなし物件を調査した人の報告にもあります。

そのため、階段のみの5階建ての場合でも駅近だったり、人気がある土地であれば、家賃が安いので入居者が見込めるでしょう。

階段のみでも入居者は確保できる

アパートの入居者の立場からすると、あると便利なEV(エレベーター)ですが、大家さんの立場からすると維持費用は、ばかにならないようですね。

中古物件で購入した場合は、EVの入れ替えが必要な可能性もあり、大金が必要となります。

中層物件で階段のみでも、物件の利便性や賃料次第で、入居者は確保できるでしょう。