その他資本剰余金からの配当!源泉徴収されないのはなぜか?

超低金利時代の今、銀行預金の代わりに株に投資している人も多いのではないでしょうか。

売買益の他に「配当金」があることも、株の魅力の一つですね。

そんな配当金ですが、「利益剰余金」から支払われているものと、「その他資本剰余金」から支払われているものの2種類あるということを知っていますか?

その他資本剰余金から支払われた配当金は源泉徴収されないのですが、それはなぜなのかみていきましょう。

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配当金が支払われるのはなぜか?

株の投資家が、株で得られる利益として、株の売買益の他に「配当金」があります。

株を保有しているだけで配当金を受け取れることがあるのです。

企業によっては配当金を出さない場合もありますし、配当金が出る場合の金額も各企業ごとにより異なります。

配当金は、「利益剰余金」から支払われるものと、「その他資本剰余金」から支払われるものの2種類に分かれています。

ほとんどの場合、配当金は利益剰余金から支払われています。

利益剰余金とは、企業が売り上げなどから得た利益のうち、社内に留保しておくお金のことで、必要経費としても活用されるものです。

配当金は、「1株あたり○○円」という形で表されることが多いです。

例えば、1株あたり5円の配当だった場合、100株持っていれば500円、1000株持っていれば5000円の配当となります。

配当利回りのいい株を多く保有することで、配当で得られる利益が大きくなります。

企業は、配当金という形で、出た利益を投資家に還元しています。

では、なぜ企業は利益を内部保留せず、投資家に還元しているのでしょうか。

その理由はいくつかあります。

〇自社株を長期保有してもらうため

〇買収の対象として狙われるのを避けるため

〇買収されるのを防ぐため

〇株主総会を手短に終わらせるため

以上のようなものが、企業が配当金を出している理由として挙げられます。

その他資本剰余金とはどんなお金か?

先ほど、配当金は「利益剰余金」と「その他資本剰余金」から支払われているとご説明しました。

配当金は企業の利益を株主に還元するものなので、通常「利益剰余金」から支払われています。

利益剰余金とは、出た利益を社内に留保しておくお金のことでしたね。

では、配当金のもう一つの出どころである「その他資本剰余金」とは一体どんなものなのでしょうか。

会社法において、資本剰余金とは「資本準備金及び資本準備金以外の資本剰余金(その他資本剰余金)」のことです。

言い換えると、資本剰余金は「資本準備金」と「その他資本剰余金」という2つのお金に分けられます。

株式会社は株主から支払われたお金のうち、2分の1以上の金額は資本金としなければならないと決まっています。

資本金としなかった残りのお金は自動的に「資本準備金」になります。

資本準備金は、会社が溜めておかなければならない一定額のお金で、会社の債権者を守るための制度です。

一方の「その他資本剰余金」は、「資本としての性質を持った剰余金」とされます。

利益を出すことによって生まれる「利益剰余金」とは性質が異なり、株主の払い込みをはじめとする資本取引で生まれる余剰金です。

その他資本剰余金が発生する場面としては、

◯資本準備金を取り崩した

◯自己株式を処分した際に差益がでた

◯資本金を増加する際に、資本金や資本準備金に組み込まなかったお金がある

といったことが挙げられます。

資本金や資本準備金を配当金にするための資金とすることは出来ませんが、その他資本剰余金は配当金に充てることが出来るのです。

では、通常の配当では「利益剰余金」から支払われていますが、なぜ「その他資本剰余金」から支払われる場合があるのでしょうか?

その他資本余剰金から配当されるのはなぜ

ほとんどの場合、配当金は「利益剰余金」から支払われています。

しかし、稀に「その他資本剰余金」から配当金が支払われる場合があります。

その他資本剰余金から配当をするということは、その企業の資産を切り崩して配当をしているとうことになります。

それは一体なぜなのでしょうか。

その他資本剰余金から配当される理由は以下の場面が考えられます。

◯純利益が少ないため

◯買収のターゲットされないようにするため

◯資本を減らし自己資本利益率や総資産利益率を上げるため

特に、高配当を売りにしている企業は、株主を安定的に確保するために高配当を維持しなければなりません。

業績が悪く利益剰余金が少なかった場合でも配当を行わなければならない場合、その他資本剰余金を配当するための資金に充てるのです。

また、資本の性質を持つその他資本剰余金を減らすことは、資本を減らすことを意味します。

資本を減らすことで、企業買収のターゲットにされるの避ける狙いがあります。

これは、通常の利益剰余金から配当する場合にも同じことが言えます。

また、資本を減らすことで自己資本利益率や総資産利益率を上げることもできるのです。

その他資本剰余金からの配当金は実は配当金ではない!?一体なぜ?

なぜ「利益剰余金」からではなく「その他資本剰余金」から配当が支払われるかご説明してきました。

ここまで、その他資本剰余金から支払われているお金を「配当金」とお伝えしてきましたが、実はその配当金は通常の配当とは性質が異なり厳密には「配当金ではない」のです。

混乱してしまうかと思いますが、ここで分かりやすくご説明いたします。

通常の配当である利益剰余金のからの配当金は、税務上「配当所得」として課税の対象となります。

しかし、その他資本剰余金からの配当は「譲渡所得」に分類されます。

その理由は、その他資本剰余金は、資本金や資本準備金の取り崩しや自己株を処分することによって生まれたお金だからです。

資本とは株主から払い込んでもらったお金であるため、その他資本剰余金も元々は株主が支払ったお金なのです。

そのため、その他資本剰余金から支払われる配当は、株主に払い込んでもらったお金を払い戻していると考えることができます。

利益剰余金からの配当金とは性質が異なり、その他資本剰余金からの配当金は実質「配当金ではない」のです。

その他資本剰余金からの配当金は源泉徴収されない!

通常の配当である利益剰余金からの配当金と、稀にしかないその他資本剰余金からの配当金の性質の違いについてご説明してきました。

その他資本剰余金からの配当は「配当金」と呼ばれていますが、実際は「配当金」ではないということを頭に入れておきましょう。

この2つの配当金は、かかる税金についても違いがあります。

利益剰余金からの配当金には税金がかかりますが、その他資本剰余金からの配当金には税金がかかりません。

それはなぜなのでしょうか?

通常、利益剰余金からの配当がある場合は「配当所得」となります。

そのため、課税の対象となり、源泉徴収として所得税7パーセント・住民税3パーセントの合計10パーセントの税金が天引きされます。

一方、その他資本剰余金からの配当の場合には税金がかからないので、配当金全てを受け取ることができます。

その理由としては、先ほどもご説明しましたが、その他資本剰余金からの配当は「譲渡所得」に当たるからです。

「資本」とは、元々株主が支払ったお金です。

そのため、その他資本剰余金からの配当には「過去、株主が払い込んだ出資金の払い戻し」という扱いになります。

そのため譲渡所得となり、課税の対象とはならないのです。

その他資本剰余金からの配当にはデメリットもある

会社の業績が悪い場合でもその他資本剰余金から配当金がもらえれば、株主としてはなんだか得をした気分になりますね。

その企業の株を持ち続けようと考える方もいるのではなでしょうか。

しかし、その他資本剰余金から配当がでるということには、株主側のデメリットになる場合があることを認識しておかなければなりません。

配当金がでるのに、株主のデメリットになりうるのはなぜでしょうか。

それは、企業が減資するということは、会社の信用に関わってくる問題だからです。

資本金が信用となって、事業が大きくなっていく場合もたくさんあります。

減資をするということは、その企業の信用が下がることを意味しますので、業績が下がったり株価が下がったりすることも考えられるのです。

また、配当金を出すこと自体に疑問を持つ投資家もいます。

資本金からの配当に限らず、利益からの配当でも、配当を出すということはその企業が事業を拡大するための資金を減らしていることになります。

長期保有スタイルの投資をするのであれば、配当をしない企業が事業を大きくすることに期待した方がよい場合もあるようです。

アメリカでは無配当だった企業が配当金を出すと「成長に限界がきた、成長が鈍化し始めた」と捉えられることもあるのです。

配当金には2種類あることを知っておこう!

配当金には、「利益剰余金」からのものと「その他資本剰余金」からのものの2種類あることをご紹介しました。

配当金は、ほとんどの場合には利益剰余金から支払われるものですが、稀にその他資本剰余金から支払われる場合もあり、その場合には税金がかかりません。

「税金がかからない配当」であることから、なんとなく得をした気分になってしまうかもしれませんが、その配当をすることで企業の資本金が減っていることを忘れてはいけません。