alcのメリットとデメリット!穴あけや穴埋めはどうやるの?

建物の外壁材にはいろいろな種類があります。

今回ご紹介するのは、alc外壁です。

alc外壁を検討しているかたに、特長やメンテナンスについてお話していきます。

また、alc外壁への穴あけや、穴埋めの方法も併せてご覧ください。

alc外壁は軽い?

はじめに、alc外壁の特長を見ていきましょう。

alc外壁をお考えのかたは、参考にしてみてください。

別名、軽量気泡コンクリートともいわれているとおり、alc外壁はコンクリートの一種です。

みなさん、コンクリートというと、どんなイメージでしょうか。

硬くて重いイメージですよね。

しかし、alcはコンクリートのジャンルでありながら、とても軽い素材になります。

軽い素材の秘密は、内部にあります。

alcは内部に細かい気泡の穴が空いているため、通常のコンクリートの約1/4の重量にまで抑えられているのです。

この気泡は単なる軽量化のためだけではなく、空気の層によって断熱性を高め、季節に問わず一定の温度に保つ特長があります。

また、耐久性の高さから外壁だけではなく、屋根や床用としても幅広く使われている素材になります。

同じ外壁材であるモルタルやサイディングとは、また違う面を持ち合わせた外壁です。

では、次項でalc外壁のメリットやデメリットを見てみましょう。

穴あけや穴埋め方法も、後ほどご紹介します。

どんなメリットがalcにはあるの?

まず、alcのメリットからお話しします。

●耐久性

先ほどもお話したとおり、耐久性の高さがメリットのひとつです。

しっかりと定期的にメンテナンスをしていれば、外壁の張り替えなどの大掛かりな工事が50年ほど不要です。

半世紀近い耐久性が期待できるのには、驚きですよね。

●断熱性

そして、優れた断熱性も大きなメリットといえます。

暑さが厳しい夏や、寒さのこたえる冬には、エアコンなどの空調機器の使用も増えますよね。

こういった時季の電気代はかさむものです。

しかし、断熱性が優れていれば一定の温度をキープできるため、エアコンの使用を減らせます。

電気代の節約にもつながりますよね。

●耐熱性

セメントやケイ石を主原料にしているため、耐熱性があります。

熱を受けたとしても燃えにくいため、もし隣の家が火事になったとしても、燃え移るリスクを軽減できます。

住宅の安全性を高めてくれる素材であるといえますね。

●加工のしやすさ

柔らかい素材であるため、穴あけなどの作業に関しても、コンクリートの穴あけのように苦労することはありません。

alc外壁のデメリットは?

どんなものにも、メリットがあればデメリットもあります。

ここからは、alcのデメリットについて解説していきますね。

穴あけなどの加工がしやすい反面、alcの主成分はセメントであるため水を吸収しやすく、塗膜の劣化などでalcの内部にある気泡に水が侵入してしまうことがあります。

このようにして内部に水が貯まると、気温がグッと下がる冬の季節に凍結してしまい、凍結した水が膨張することでひび割れの原因となってしまうのです。

外壁がひび割れてしまうと建物にも被害が広がってしまい、耐久性に関わってきます。

もし、ひび割れが見られる場合は、塗装などで外壁表面を守りましょう。

そのときは、防水性が高く、伸縮性が高い「弾性塗料」のような塗料を選びましょう。

弾性塗料を使うことで、ひび割れによる水の侵入を防ぐことができますよ。

また、価格の面でお話しすると、alcはほかの外壁材と比べて高価な印象を受けるかもしれません。

機能性に優れているため、高価になってしまうことは否めないのですが、ご自身のプランとよく照らし合わせて選択してみましょうね。

専用のホルソーで穴あけ

柔らかい素材であるalcは、穴あけをする工程にそれほど苦労することはありません。

ただし、配管や器具の取り付けのための穴あけの場合は、材質にあったホルソーを使用しましょう。

コンクリート用のホルソーでもalcの穴あけはできますが、alc専用のホルソーもありますよ。

alcは、内部に鉄筋が100mm間隔で入っています。

この鉄筋はホルソーでも切断することはできますが、なにも考慮せずに鉄筋を切断してしまうと強度が落ちてしまいます。

建物に大切な強度を、落としてしまってはいけませんよね。

とはいえ、構造耐力上支障のない鉄筋であれば、一部を切断しても差し支えることはありませんので、十分に構造をふまえた上で穴あけをしましょう。

また、穴をあけるときは大量の粉塵が出ます。

粉塵を吸い込まないようにマスクをして作業したり、養生をするなどの準備を行ってから穴あけを行いましょう。

なにごとにも、準備が必要です。

穴あけをしたら器具の取り付けを行う

alc外壁に穴あけをして器具の取り付けを行う際には、alc専用のビスやアンカーを使うことが一般的です。

このときに注意していただきたいポイントがありますので、順にお話します。

▽トリオン

専用の棒を使って、ハンマーで打ち込んでいきます。

しかし、alc外壁にひび割れがみられたり、古いalc外壁の場合は、トリオンの使用が原因で崩れてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

▽alc用ビス

ビスが十分に入っているのにも関わらず、強く締め付けようとまわし続けてしまうと、alc自体が削れてしまってビス留めが効かなくなってしまいます。

ビスを取り付ける場合は、まわし過ぎに十分注意しましょう。

▽alc用のアンカー

いろいろな種類があるalcアンカーですが、コンクリートのような強度は見込めません。

そのため、支持方法やピッチなどを検討したうえで作業を進めていきましょう。

取り付け器具ひとつでも、注意する点が違いますので、外壁の様子をよく見ながら作業しましょう。

穴あけをしたら専用のセメントで穴埋め

さいごに、穴あけをした配管貫通部の穴埋め方法を簡単にお話します。

穴埋めは、alc専用のセメントを使いましょう。

施工のやり方は、水を加えながら練っていくだけです。

モルタルを使うときの要領でOKです。

少しパサつきが気になる場合は、数回に分けて埋めてみましょう。

alc専用のセメントは、alcの補修材としても使えます。

alcは衝撃に弱いですが、もし衝撃を受けても平面が削られるだけで欠損となることはありません。

しかし、欠けてしまった部分から雨水が入り込み、鉄筋が錆びてしまうこともあります。

稀なケースではありますが、内部の鉄筋が錆びたことで膨張し、破裂してしまうこともあります。

こういった箇所を見つけたら決して放置せずに、早めに補修しましょう。

パネルに浮き上がっている部分があれば取り除き、細いワイヤーブラシなどを使って鉄筋やボルトについた錆を落として、錆止めをします。

錆止めをしたら、alc専用のセメントやALC補修材、エポキシ樹脂モルタルなどを使って穴を埋めていきましょう。

仕上げに塗装をすれば完成です。

加工のしやすいalc

モルタルやサイディングとは違う、alc外壁はいかがでしたでしょうか。

耐久性や断熱性に優れた外壁は、魅力的ですよね。

alc外壁の良い面や注意したいところをふまえて、検討してみましょう。

また、すでにalc外壁を使っていて穴あけをする場合には、鉄筋の重要性を考慮しつつ、適切な部分に穴を開けることが大切です。