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不動産契約の際に、署名・捺印を依頼されるのはなぜ?

2019.1.13

憧れのマイホームを建てるために、理想とする土地や物件を探し歩き、ようやく購入したいものが見つかったら契約を結びます。

その際にはまず、不動産会社に交渉依頼書を提出するのがセオリーです。

そして、契約時にはご自身で署名・捺印することを依頼されますが、この場合、実印でなければいけないなどの決まりはあるのでしょうか。

今回は、それについて見ていきましょう。

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不動産売買の契約と別物ながら交渉依頼書にも署名と捺印は必要

交渉依頼書は、「物件が欲しい」という意思を売る側に示すための書類です。

そのため、交渉依頼書に署名と捺印をして申し込みをしても、すぐに契約が完了するわけではありません。

双方が提示する条件に不一致が生じ、交渉がまとまらない場合はキャンセルすることも可能です。

キャンセルした場合、申し込みの際に支払う一時金(通常5~10万円程度)は返金されます。

なお、交渉依頼書に捺印する印鑑については、実印である必要はなく、認印を使用しても差し支えないということも知っておきましょう。

交渉依頼書については、不動産購入申込書と称している場合もあり、不動産会社によって異なりますが使用用途は同様です。

交渉依頼書の申し込み後、順調に交渉が進めば、次の段階は重要事項説明となります。

これは、不動産売買の契約に先立ち、物件についての重要な事柄を説明するものです。

この重要事項説明においても、内容に了承してもらえれば署名と捺印を頂戴します。

この段階を踏まえて、いよいよ不動産売買の契約に移ります。

不動産売買の契約にあたって契約書の署名と捺印は当然必須

不動産は高価な財産なので、売買するにあたって口約束でやり取りすることは有り得ません。

稀に、個人間で売買を行う際には口約束で済ます場合もあるようですが、必ず売買契約書を用いて締結するのが妥当です。

売買契約書を用いることは法律で定められているわけではないものの、書面を使用しない契約はトラブルに発展しやすいため、不動産売買にはほとんどの人が契約書を使用します。

そして、不動産売買契約書の作成にあたっては、売主と買主の双方の署名と捺印を必要とします。

この場合の捺印については、認印ではなく実印を使用することが一般的です。

認印では無効になるという決まりはないのですが、実印を使用することが常識となっているのが現状です。

署名と実印での捺印となるので、たとえ家族であっても他人に依頼することはできず、当事者本人による記名を必要とします。

不動産会社は不動産売買契約書の作成にあたり署名を依頼するのが原則

そもそも、「署名」とはご自身で作成した書類の責任を明確にするため、自ら氏名を書き記すことを指します。

同じような言葉に「記名」というものがありますが、記名は自ら書き記すことを必要とせず、ご本人以外の人に依頼して書き記してもらっても構いません。

さらに、記名の場合は、パソコンなどで入力したものを印刷しても良いとされています。

しかし、署名は必ず本人がしなければなりません。

そして、本人が署名する理由のひとつは、裁判に備えるためです。

仮に、所有する不動産の相続をめぐって裁判で争うことになった場合、署名の有無が重視されます。

署名があれば、筆跡鑑定などで証拠として認められ、裁判を有利に進められる可能性が高まるので、きちんと署名しておきましょう。

また、不動産売買契約書に署名するにあたっては、同時に捺印を依頼されることも通例です。

そのため、不動産売買契約書を作成する際には、

・ご自身で出向くことと

・捺印に必要な実印を持参すること

が必要になります。

もし、実印をお持ちでない方、あるいはせっかくの機会に実印を一新したい方は、あらかじめ作成しておくことと、行政への印鑑登録を忘れないようにしましょう。

不動産契約で実印での捺印が依頼される理由

不動産の購入は、決して安い買物ではありません。

そのため、自動車の売買契約などと同様に実印プラス印鑑証明書を用意するよう不動産会社は依頼をします。

契約をする当事者が購入若しくは売却する意志が明確なのか、確認をするのが実印を依頼する大きな理由です。

当事者が本意ではないのに、契約書に署名させられる場合も大いにあります。

そのため、実印による捺印は、当事者が契約を交わす意志があるかを確認・証明するためのツールとしても機能しているのです。

補足情報として、実印とは、「自分の住所地を管轄する行政が証明した印鑑」のことを指します。

不動産や自動車といった高額な商品の売買に限らず、相続の手続きにおいても実印は大変重要なのです。

しかし、実印と印鑑証明書があれば誰でも当事者に成りすますことができます。

悪用されてしまえば、金銭面でのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

実印の取扱いには細心の注意を払って下さい。

不動産売買契約書の署名を他者に依頼できるケース

原則として、当事者による署名と捺印が必要とされるのが不動産売買契約書です。

ですが、仮に成年後見制度を活用し「成年後見人」がサポートしている場合、成年後見人に依頼し契約書を作成することが可能です。

その際、成年後見人は当事者に替わり、様々な書類に署名や捺印をすることができます。

また、たとえば病気や怪我などのやむを得ない事情により、日常的な判断力や理解力が欠落した場合でも、成年後見人がサポートしていれば不動産の処分をすることも可能です。

ただし、後見監督人が選任されている場合は、後見監督人の同意を得る必要があったり、不動産の処分にあたっての必要性、相当性が認められるか否かも重要となります。

具体的には、被後見人が親族などに経済的援助をすることを目的として、成年後見人が不動産処分を行うことは認められていません。

仮に、被後見人自身の生計を確保することを目的に不動産処分ができたとしても、その後の入金や出費について細かくチェックされます。

また、成年後見人が不動産処分を行う際には、家庭裁判所に申立てを行う必要があります。

そして、申立てを行う際には、不動産の全部事項証明書や固定資産評価証明書、契約書案の写しや、査定書等を提出する必要があり、非常に長いプロセスになるということに留意すべきでしょう。

不動産契約では複数の印鑑での捺印を依頼される

不動産購入にあたっては様々な手続きあり、書類も多岐にわたります。

そして、手続きによっては実印だけでなく、銀行印、認印といった全ての種類の印鑑を必要とします。

実印を依頼することは、これまでも記した通り売買契約やローン契約を交わす際に、契約当事者が購入、売却する意志が揺るぎないのか、最終確認するために実印を依頼しています。

銀行印は、ローンの返済口座を開設したり、ローンの引き落としを希望する際に必要です。

認印は、確認書類などに使用するため、各書類において捺印を依頼されます。

不動産の購入においては、用途に応じて各種類の印鑑を必要としますが、不動産の売却に関しては、全ての書類において実印を使用します。

また、売却する不動産の登記が共有名義である場合には、名義人全員に実印での捺印を依頼することになります。

繰り返しますが、手続きによって捺印に使う印鑑が異なるので、しっかり確認して間違えないようにしましょう。

契約当事者による署名も忘れずに行い、きちんと契約を結ぶことが重要です。

署名と捺印の重要性を認識することが大切

署名と捺印は、不動産の取引に限らず契約を交わす上で重要なことです。

ひとつひとつのプロセスの意味を知ることにより、使用する印鑑の目的、あるいは署名の大切さを認識しながら進めることができます。

人生に幾度も訪れない不動産のやり取りにおいて、その意味を知った上で席に座ることに損はありません。

また、実印はとても大事なものなので、その取り扱いには十分注意し、悪用されることのないようにしましょう。

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