通貨発行益とは?仮想通貨との関わりもわかりやすく解説!

新聞や経済誌を読んでいると、「通貨発行益」という言葉を目にすることがあります。

また、近年では、仮想通貨の台頭と共に、ビットコインの通貨発行益に関しても、関心が集まるようになっています。

しかし、一般的には、「通貨発行益」という言葉は馴染みがなく、調べてみても難しい言葉の羅列で説明されていることが多いです。

そこで、この記事では、通貨発行益についてわかりやすく解説し、ビットコインとの関わりもご説明していきます。

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通貨発行益とは?わかりやすく解説すると

世間一般的に、「通貨発行益」という言葉に関わることは少なく、経済用語であると言っても過言ではないため、その説明には難解な言葉が付きまといます。

では、「通貨発行益」とはどのような意味なのでしょうか?

「通貨発行益」とは、通称「シニョレッジ」とも呼ばれ、政府や中央銀行が発行する貨幣の価値(額面価値)から、その製造コストを差し引いたものを指します。

つまり、「発行する通貨の価値」と「その通貨を発行するためのコスト」との差を意味します。

もっとわかりやすく言うと、例えば、1,000円の価値のある通貨を、40円の生産コストで発行すると、その差額は960円になります。

したがって、その通貨発行益はプラス960円ということになります。

その一方で、例えば、50円の価値のある通貨を、60円の生産コストで発行した場合は、その通貨発行益はマイナスになることがわかります。

つまり、通貨の製造コストが、発行する通貨の価値を上回る場合もあるわけです。

そういった、通貨発行益がマイナスになるケースは、アメリカでも起こっています。

アメリカで起きている「通貨発行損」をわかりやすく解説

通貨発行益のマイナスは、実際にアメリカで起こっている事例です。

2014年時点のアメリカでは、1セント通貨(ペニー硬貨)を発行するために、1.7セントの製造コストをかけていました。

さらに、5セント通貨に関しては、8セントもの製造コストをかけていたため、製造原価が額面価値を上回るという、「逆ザヤ」の状態になっていました。

この通貨発行益のマイナスは、わかりやすく「通貨発行損」とも呼ばれ、その逆ザヤによる発行損は、およそ9,000万ドル(106億円)以上にも及んだと言います。

このような発行損は、当然税金から賄われるので、税金の無駄遣いになることは明らかです。

そのため、このペニー硬貨の廃止を巡る議論が盛んに行われ、多くのメディアからは「ペニー論争」と取り上げられました。

2017年のアメリカでも、ペニー硬貨は1セントとして愛用されていますが、製造コストは1.82セントかかっているので、発行損は継続して生じていることになります。

中央銀行の通貨発行益とは?わかりやすく解説

前項では、通貨発行益を踏まえ、逆ザヤ状態の「通貨発行損」について、アメリカを例にわかりやすくご説明してきました。

では次に、「中央銀行」における通貨発行益についてご説明していきます。

通貨発行益は、前述してきた「製造業的な通貨発行益」と、本項でご説明する「中央銀行における国債の利息収入」との、2つの意味合いに分けられます。

まず、「中央銀行」とは、日本を含めた多くの国家が持つ銀行で、全ての金融の要となる機関です。

日本では、「日本銀行」として知られ、国によって中央銀行の仕組みも異なる場合がありますが、主にその国家の経済を維持するために、金融政策を行うことで、金利と物価の安定化を図っています

また、中央銀行は、国債や手形を担保に銀行券(紙幣)の発行を行っています。

わかりやすく言うと、銀行券を発行する代わりに、その国債や手形を買い入れることで、そこから利息である通貨発行益を得ることができます。

つまり、「中央銀行における国債の利息収入」とは、中央銀行が買い入れた国債から、中央銀行が発行する紙幣を差し引いた、差額を意味しています。

以下は、上記の説明を式に当てはめたものです。

・中央銀行が買い入れた国債-中央銀行が発行する紙幣=国債の利息収入

ただ、各国に点在する中央銀行は、政府の政治的な介入による銀行券の発行を避けるため、独立的に銀行券の発行をすることができます。

そのため、大半の国では、中央銀行の通貨発行益は公共サービスに還元するなどの取り決めがされています。

通貨の発行を政府の主導に?政府紙幣について

前項では、「中央銀行の通貨発行益」についてご説明してきました。

国債の利息収入が、中央銀行の通貨発行益になっていることがわかりましたが、国債の利息というのは、言うなれば国の借金と同義です。

そのため、近年では、このような中央銀行の「通貨発行権」を、完全に政府の下で行う、「政府紙幣」の議論が世界的に行われています。

通貨を発行する権利を、「通貨発行権」と呼んでいます。

また、「政府紙幣」とは、わかりやすく言うと、通貨の発行において中央銀行を介さずに、政府が独自に通貨を発行することを意味します。

つまりは、「通貨発行権」の主導権を、完全に政府が握ることを指します。

と言うのも、日本を含めたほとんどの国では、政府の管轄下にある印刷会社で紙幣を発行し、それを一時的に中央銀行に引き渡します。

そして、その引き渡された紙幣を、中央銀行が銀行券として市中に流通させる仕組みになっています。

したがって、政府紙幣のシステムになれば、国債の利息なども気にする必要がなく、「製造業的な通貨発行益」だけを純粋に得ることができるのです。

ただし、経済状態が通常のインフレーション率である場合、利益になるからと言って紙幣を発行しすぎてしまうと、異常なインフレーションに陥る可能性もあります。

そのため、政府紙幣への舵きりに関しては、経済への懸念もあるため、慎重な議論がなされています。

決まった発行元がない?ビットコインの通貨発行益について

これまでに、通貨発行益についてわかりやすくご説明してきました。

この「製造業的な通貨発行益」について、近年では、ビットコインが注目を浴びています。

そもそも、ビットコインには決まった発行元がなく、その発行・流通は、マイナーと呼ばれる採掘者によってサポートされています。

ビットコインのマイニング(採掘)は、誰でも参加することができ、参加者によって発行数が増えていきます。

そのため、明確な発行元は断言できないというわけです。

つまり、ビットコインの通貨発行益とは、「ビットコインをマイニングするためのコスト」と、「その報酬であるビットコインの価値」の差額を意味します。

ビットコインのマイニングには、高性能なコンピュータと、それを動かす電気代がかかると言われています。

そのため、そういったマイニングコストよりも、報酬であるビットコインの価値が上回れば、マイナーはその通貨発行益を得られることになります。

仮想通貨のビットコインが注目されている理由は、こういった通貨発行益の仕組みがあるからなのです。

ビットコインで通貨発行益を得るには?その方法について

前項では、ビットコインの通貨発行益について、わかりやすくご説明してきました。

ただし、ビットコインをマイニングして通貨発行益を得るには、高額な費用がかかるコンピュータを所持していなければなりません。

そのため、一般の個人でビットコインをマイニングするのは難しいため、通貨発行益を得るには、仮想通貨のマイニングを代行している業者を利用することが、一つの方法です。

マイニング代行業者は、高性能なコンピュータを用意することで、顧客に対してコンピュータのハッシュレート(採掘速度)を購入してもらいます。

そして、そのハッシュレートによってマイニングされたビットコインを、その顧客に渡します。

このような代行業者を頼る仕組みは、通貨発行益への高額な投資を躊躇する方にとっては、おすすめできる方法です。

ビットコインを含めた仮想通貨の台頭は、このような通貨発行益の面に関しても、今度大きな影響を与えていくでしょう。

通貨発行益を理解するために

通貨発行益には、「製造業的に得る発行益」や「中央銀行の国債利息から得る発行益」といった、二面性の意味を持つことがわかりました。

この両者の意味を混合させないことが、通貨発行益の正しい理解に繋がります。

また、通貨発行益は、ビットコインでも大きな関心を集めているため、今後の仮想通貨の発展にも期待ができますね。