固定資産税を決めるための家屋調査を拒否することは可能か?

皆さんが新築戸建てを購入されたり、大幅な増改築を行われたような場合、市区町村の役所などから、家屋調査のお願いの連絡がきます。

しかし誰しも、実際に居住している家の中を、他人に見られることはあまり気持ちの良いものではありませんね。

固定資産税のためとは言え、もし断れるものなら断りたいところですが、この家屋調査を拒否することは可能なのでしょうか。

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固定資産税を算出するために家屋調査が必要な理由

戸建住宅など新たに建物を建てる場合や、増改築を行う場合、建築主は確認申請書を役所に提出しなければなりません。

役所は、この申請や登記所からの通知によって、建物の所有者などを把握します。

そして、その建物の所有者には固定資産税という地方税が課せられることになります。

ところで、固定資産税は基本的にはその評価額に標準税率の1.4%を掛けて算出しますが、評価額はどのようにして決まるのでしょうか。

固定資産税は、土地と建物それぞれに掛かるものですが、土地に関しては、国土交通省が定める土地の公示価格などを基準としています。

しかし、建物に関しては、同じ延床面積であっても、材質や建て方、造作の有無などで建築費が大きく変わるように、その評価も違ってきます。

そこで、役所から家屋評価担当職員がやってきて、一軒一軒調査を行うというわけです。

もちろん、その評価には基準があり、木造か非木造かによっても違います。

そして、屋根や基礎、外壁、柱や内壁、天井、床、設備に至るまで、家屋の各部分の使用資材や施工の状態に応じて、個々に点数を付けて評価します。

この作業を家屋調査と言い、正しく固定資産税を算出するためには、必要な作業と言えるでしょう。

とはいえ、他人に家の中をジロジロ見て回られるため、できることなら拒否したいと思う人の方が多いのではないでしょうか。

固定資産税の家屋調査を拒否するとどうなるの?

実際、質問サイトなどで、よく「家屋調査の通知が来たけれど、拒否しても構わないのか」などの質問をしている人がいます。

それだけ他人に家の中に立ち入られることに抵抗を覚える人は、多いという証拠でしょう。

しかし、実は家屋調査を行う担当職員には、民法により質問検査権が認められています。

民法第353条第1項には、「徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権」が規定されており、調査対象者はこれに対応しなければなりません。

なぜなら、家屋調査を行う理由は公平に課税額を算出するためであり、それを拒否することは正しい納税を阻害することになつながるからです。

合わせて、民法第354条第1項には、「固定資産税に係る検査拒否等に関する罪」が規定されています。

その内容は、「帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者」は1年以下の懲役又は、50万円以下の罰金に処するというものです。

このように、一応は法律に規定されていて、罰則もあるので、できるだけ協力するのが得策であると言えます。

ただ実際は、もし家屋調査を拒否しても、図面を見てモデル家屋に当てはめる評価方法などで課税額を算出し、固定資産税の課税は行われます。

ただ、その場合、本来の価値より高く評価されてしまうこともあり得ることは覚悟しておくべきでしょう。

これでも拒否する?家屋調査の手順とその内容

もし前述のような不利益を被る可能性があるのなら、家屋調査に協力した方が、納得して納税できるのではないでしょうか。

ちなみに、いくら家屋調査担当職員には前述のような権限が与えられているといっても、強制的に家の中に立ち入ったりはしません。

市区町村によって多少の違いはあるようですが、手順としては、まず最初に書面などで家屋調査のお願いが届きます。

そして、書面に記載されている連絡先に電話するなどして、調査日の日程を担当者と調整して決定します。

基本的には平日の9時から16時ごろで都合の良い日を選びますが、平日が無理であれば、休日や夜間でも対応してくれるようです。

またその際、準備が必要な書類なども指定されます。

新築の戸建などでは、間取り図面(平面、立面)や見積書、工事請負契約書や該当するなら長期優良住宅認定通知書のコピーなどが必要です。

そして調査日当日には、2名の担当職員が来て、指定した書類を回収し、不明点を質問や実地計測などで確認しながら、家屋調査が進められます。

調査の他、職員からの固定資産税の課税方法などの説明などもあり、時間的には40~50分、長くても1時間はかからないと言います。

それくらいであれば、拒否しないで協力すべきではないでしょうか。

家屋調査に家具や服装は全く関係がない

ところで、家屋調査に関して、拒否できるかどうかの他にも次のような質問をされている方が多いです。

・高級な家具があると査定が高くなるのか

・家具を入れる前に家屋調査をしてもらうことはできるか

・服装や化粧で査定が変わるのか

しかし、家具や服装で家屋調査の評価が変わるわけではありません。

家屋調査はあくまで固定資産税の算出のために、固定資産の評価をすることが目的です。

その家の住人が裕福そうか貧乏そうかなどはまったく判断対象ではないのです。

そして、固定資産とは、屋根・基礎・外壁を備えた家屋や倉庫などの建物に掛かるもので、家財に掛かるものではありません。

従って、例え大型4Kテレビが置いてあっても、シャンデリアがぶら下がっていても、住人がきれいに化粧をしていようがいまいが、関係がないのです。

ただ、仕様書にあるような備え付けの設備、例えば床暖房設備や給湯設備、置き型ではないビルトインのソーラーパネルなどは評価対象になります。

マンションの固定資産税は家屋調査なしで決まる

ちなみに、同じマイホーム購入であっても、戸建と違って分譲マンションなどの場合は、家屋調査などは行われていません。

実際、私も自分名義のマンションと、主人名義のマンションの購入経験がありますが、2度とも家屋調査は行われませんでした。

このような分譲マンションの場合、多くは建築した施工業者や販売業者から図面等の書類を借用して評価を行い固定資産税を算出しています。

また、戸建の場合は増改築の場合も家屋調査が行われますが、分譲マンションを入居時にリフォームしたような場合も調査は行われていません。

このような点は、戸建の所有者から見ると不平等に感じられ、書類で済むのならと立ち入りの家屋調査を拒否する原因になりかねませんね。

ただ、マンションは建材の種類や設備仕様も、一部を除き単一である場合が多く、戸建と比べて自由度がない上に、戸数が3桁になる場合も多々あります。

そのため、役所も資料のみで査定を済ませているのが実情でしょう。

ただ、マンションであっても、例えば隣の空き室を購入して、2部屋を1つの居住空間に変更したような場合は、家屋調査が入る可能性があります。

これは、登記上の変更を伴うものであり、入居者が黙っていたとしても登記所から役所に通知がいくためです。

この場合は、マンションであっても家屋調査に対応することが必要です。

拒否するより前向きに家屋調査に取り組んでみては

今回は、家屋調査についてその内容に触れながら、拒否することが可能かどうかについて論じてきました。

家屋調査は固定資産税額を正しく公平に算出するためのもので、任意とは言いながら民法にもその担当職員の権限が規定されています。

また、事前連絡があり、日程のすり合わせも可能で、1時間程度で済むこともわかりました。

そして何よりも、それによって自身の所有する固定資産が正しく評価され、家屋調査を拒否した場合のような不利益を被る可能性を回避できます。

このようなことから、私は可能な限り前向きに家屋調査に協力することが一番の得策ではないかと考えます。

めったにない経験ですので、担当者の方にくっついて、評価方法や基準などについても、いろいろ教えていただくよい機会かもしれません。

ひょっとしたら、そこで得た知識が、買い替えや増改築の際に役立つかもしれませんよね。

また、担当者の人からすると日常的な業務で、清潔な家から生活感のある家、押し入れを開けると中身が落ちる家まで大概のパターンは経験済みでしょう。

そんなことよりも、業務に協力的であるかどうかの方が重要であり、心証にも影響するはずです。

そこで皆さんも、あまり嫌がらず、前向きに家屋調査に臨まれてみてはいかがでしょうか。

権利を享受するのなら家屋調査も義務といえる

役所などの行政機関は、私たち住民に対して納税や各種手続きなどの義務を課します。

家屋調査もその1つでしょう。

しかし同時に、困ったとき、助けが必要なときに手を差し伸べてくれるのも行政ですよね。

このような権利を享受するなら、片方だけではなく、義務もしっかり果たすべきであると思うのです。