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所得税の計算方法を解説、毎月の給与から天引きされる額は?

2018.6.13

会社員のみなさんは、毎月の給与から所得税が天引きされていますよね。

その金額は、どのような計算で算出されているのかご存知でしょうか。

そして、なぜ年末になると過払い分が返金されたり、不足分が追加徴収されたりするのでしょう。

今回は、気になるその所得税の計算方法について解説します。

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会社員の所得税が毎月の給与から天引きされるのはなぜ

所得税といえば、自営業の人などは、3月中ごろに確定申告をして、国に所得税を納めていますよね。

しかし、会社員のみなさんは、特別なことがない限り確定申告はしなくてよいはずです。

それは、会社の給与から、毎月所得税が天引きされているからです。

これを源泉徴収といい、会社などの事業所は従業員から所得税を徴収し、従業員に代わって国に納付することが法律で定められています。

源泉徴収は、所得税法に基づいて国税庁が細かくその方法を規定しています。

各事象所では、それにのっとって経理や給与計算担当者が給与や所得税の計算をし、従業員の給与から所得税を天引きしています。

そして、天引きした所得税は、給与支払い月の翌月10日までに、会社がみなさんに替わって国に納付しています。

つまり、会社員の場合は、本来個人で申告納税すべきところを、すべて会社が代行しているわけです。

ちなみに、住民税も同様で、こちらは特別徴収された住民税を、所得税と同じタイミングで、会社が市区町村に納付しています。

では、実際に徴収される所得税は、どのように計算されているのでしょう。

毎月の所得税の計算をするための手順

みなさんは、給与支給日になると、会社から給料明細をもらうと思います。

明細の中身は、基本給、皆勤手当、交通費などの支給項目、厚生年金、健康保険、税金などの控除項目と、細分化されていますね。

そして、総支給額から控除額合計を差し引いたものが、差し引き支給金額として口座に振り込まれています。

みなさんが受け取るのは、最終的な計算結果であって、その計算の仕方は結構複雑です。

所得税の計算の前に、まずは変動部分の支給項目と控除項目の金額を確定しなければなりません。

支給項目では、たとえば残業代など、残業時間は月によって変動しますので、単価×時間で残業代を算出します。

変動部分を確定することで、その月の総支給額がでますね。

次に、控除項目のうち健康保険や厚生年金は、あとで詳述しますが、当年9月から翌年8月まで、年度の変更月以外は基本的には同額です。

一方、総支給額の変動によって毎月変わるのが雇用保険です。

雇用保険は毎月の給与総額に雇用保険料率(一般の事業では従業員0.3%)を掛けて算出するので、月によって変動します。

このように、支給総額や税金以外の控除項目を確定して、初めて所得税の計算に移ることができます。

毎月の所得税の計算方法、社会保険料控除後の金額と税額表

では、所得税の基準となる社会保険控除後の金額を出していきます。

簡単に計算方法を公式化しておくと、

社会保険料控除後の金額=総支給額-非課税交通費-社会保険料等の控除額(厚生年金、健康保険、雇用保険等)。

のようになります。

そして、この金額と扶養親族等の数によって、所得税の金額が決められています。

その金額を定めたものが、国税庁のHPにある「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」です。

たとえば、社会保険料控除後の金額が25万円の場合は、税額表をみると、24.8万円以上25.1万円未満のところに当てはまります。

その欄を横にたどると、扶養人数0人の場合の所得税は6,530円、1人の場合は4.920円、2人の場合は3,300円などと所得税が書かれています。

ちなみに、税額表は甲欄と乙欄に分かれていますが、複数の事業所で収入を得ている場合について、主たる収入を甲、従たる収入を乙としています。

税額表は、本来課税所得を算出する際の給与所得控除や基礎控除、配偶者控除、扶養控除等も織り込み済みなので簡単です。

この表の所得税を社会保険料控除後の金額から差し引き、さらに市区町村から送られてきた住民税を差し引いたものが最終的な支給金額となります。

毎月の所得税を手計算する場合の方法

また、税額表ではなく、一応計算式に当てはめて、電子計算機で計算する方法もあります。

この場合、社会保険料控除後の金額から、給与所得控除の額、さらに基礎控除、配偶者控除、扶養控除の額を引き去ります。

この金額を課税所得といいますが、これを税額の算式にあてはめて計算していきます。

たとえば、社会保険料控除後の金額が25万円の場合は、給与所得控除の額は25万円×30%+1.5万円で9万円です。

基礎控除は31,667円、配偶者控除も31,667円、扶養控除も1人につき31,667円です。

配偶者と扶養親族1名と仮定すると、控除額は9,001円です。

社会保険料控除後の金額25万円-給与所得控除9万円-扶養等の控除95,001円=64,999円。

この課税所得に税額の算式を当てはめて計算します。

課税所得64,999円の場合、64,999円×5.105%=3318.1円ですが、10円未満切り捨てとなり、所得税は3,310円ということになります。

税額表でみる扶養人数2人の欄の所得税は3,300円だったので、10円の誤差がでていますね。

しかし、最終的に年末調整の際に、他の所得控除を加味し、年収ベースに直して所得税を再計算しますので、誤差は解消されることになります。

つまりは毎月の所得税は概算であり、年末に初めて正式な所得税の年額を出し、差額を返還したり、追加徴収するというわけです。

そう考えると、わざわざ計算機で計算しなくても、税額表を利用する方が簡単ですね。

毎月の所得税の計算、社会保険料豆知識

先にも少し述べましたが、何ヶ月分か給与明細をよく見てみると、総支給額が多少変わっても、厚生年金、健康保険は同額で推移していると思います。

これは、所得税の計算と違い、厚生年金、健康保険保険料は、標準報酬月額という基準によって等級別の金額が決められているからです。

毎年4・5・6月の給与の平均支給額を標準報酬月額とし、9月分から1年間、それに対応する厚生年金や健康保険の保険料を徴収しているのです。

ただし、2等級以上の大幅な昇給や減給があった場合は、随時改定があります。

詳しくは協会けんぽのサイトにある、「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を見ていただければわかります。

たとえば、支給総額が30万円であれば、報酬月額29万円~31万円にあたり、健康保険の等級は22等級です。

右に数字を追っていくと、協会けんぽの健康保険料折半額は15,195円、介護保険を含むと17,670円、厚生年金保険料折半額は27,450円です。

この数字の根拠は、健康保険料は標準報酬月額の10.13%、介護保険料は1.65%で、支払いは会社と従業員の折半であることです。

厚生年金保険料は、一般で18.3%、これを同じく労使折半で支払うことになっています。

このような事情から、健康保険と厚生年金保険料は、実際の支給金額にかかわらず、改定月までは同額となっているわけです。

所得税がかかる交通費、かからない交通費

最後に、交通費に少し触れておきましょう。

交通費には少しややこしい規定があります。

それは、非課税交通費と課税交通費の規定です。

一般的に、給与支払い時に一緒に支給される通勤交通費について、公共交通機関を利用している場合の交通費は、月に上限15万円まで非課税となります。

ただ、車で通勤している場合など、距離によって非課税になる金額の上限が定められています。

通勤距離が片道2キロ未満では全額非課税ですが、2キロ以上10キロ未満の場合は4,200円、最高で55キロ以上だと31,600円と非課税額が規定されています。

たとえば片道8キロで車通勤している場合に、会社の規定で通勤交通費として1万円が支給されているとします。

すると、非課税交通費は4,200円、課税交通費は5,800円ということになります。

所得税の計算で、社会保険料の控除後の金額を算出する際、非課税交通費4,200円は控除しますが、課税分の5,800円は控除してはいけません。

このような細かな法律の規定によって、みなさんの所得税は計算されているわけです。

興味を持ってみると面白い所得税の税額表

所得税の計算方法を解説してきましたが、面倒くさい、ややこしいと思っている方もいると思います。

しかし、税額表などを見てみると、結構面白く、学ぶことも多いのです。

例えば給料が月1万円増えると保険料や税金はこうなる、もし今の倍になったら、などと想像しながら見てみるとどうでしょう。

手取り目標を立てたりしながら、是非興味を持ってみていただけたらと思います。

 - 税金, 経営, 経済