水回りや玄関などの内装リフォームを、タイルを使っておしゃれにしたいと考える方が増えてきています。
それは、タイルのデザイン性や機能によるところが大きいようです。
しかし、初期費用がかかるなどデメリットもあります。
そこで、タイルを使って内装リフォームをする場合のメリット・デメリットや費用について見ていきましょう。
内装リフォームに使いたい!タイルの魅力とは?
タイルの魅力は、なんと言ってもそのデザイン性の高さでしょう。
タイルは形や色、材質などが豊富なので、内装リフォームをする場合などは、その場所に合ったテイストが作りやすい建材です。
タイルのその独特の光沢は、光の当たり方で表情を変えるので、インテリアのアクセントになります。
一般的な内装材としては、壁紙や塗装などになりますが、それらに比べると、タイルは組合せによって、何通りものデザインをつくることが可能です。
シンプルやモダン、エレガントやナチュラルなど、さまざまなテイストを作り出すことが、タイルを使うと案外簡単にできます。
さらに、タイルは防汚性、耐水性、耐火性に優れているので、浴室や洗面所、トイレなどの水回りはもちろん、キッチンなど水と火の両方を使う場所にも安心して使えます。
また、防汚性、耐水性に優れていることから、汚れが付きにくく、例え油や水が飛んだとしても、水拭きや中性洗剤で簡単に汚れが落とせます。
そして、劣化や色あせもしにくいため、いつまでも内装リフォームしたままの状態を保つことができます。
このように魅力がたくさんあるタイルですが、デメリットもあります。
その一番のデメリットは、費用の面でしょう。
タイルを使った内装リフォームの相場費用は?
内装リフォームを行う場合、フローリング材のような定番商品と比べると、タイルは初期費用が多くかかります。
通常、内装リフォームには、工事費用と部材(タイル)代がかかりますが、タイルの場合は、使うタイルの種類によって金額が大きく変わってきます。
まずは、基本的な工事手順と相場費用を見ていきましょう。
タイルに張り替える場合、今使っている床材をすべて取り除き、新しくタイルを張ります。
・床材を取り除く費用 1m²×約2,000~4,000円
・廃材の処分費用 1m²×約300~500円
・タイルの施工費用 1m²×約6,000~10,000円
合計するとかかる費用は、1m²×約8,000~15,000円となります。
これにタイルの費用がかかってくる計算になります。
一般的に、タイルに張り替える施工費用は、面積が大きくなるほど安くなる傾向があります。
また、タイルによって施工方法が複雑であったり、タイル1枚あたりのサイズが大きい、形が複雑など、作業の手間がかかる場合は、費用が高くなることもあるので注意しましょう。
今回は、床材を取り除く方法をご紹介しましたが、今使っている床材の上からタイル材を張る「重ね張り工法」というものもあります。
この工法ですと、床材を重ねるので、段差ができてしまいますが、床材を取り除く費用と廃材の処分費用がかかりません。
タイルのデメリット!内装の施工費用の他には何がある?
前述したように、内装リフォームでタイルを使うと、通常より費用がかかります。
その他に、タイルを使うことでどんなデメリットがあるのでしょうか。
タイルは、ほとんどの場合陶器製なので衝撃に弱く、物を落とすとひび割れてしまうことがあります。
また、タイルは硬く冷たいので、足腰に負担がかかる、冬など寒い季節にはより足元を冷え込ませてしまう、などのデメリットがあるのでリビングなどには不向きな床材です。
このようにタイルは、費用や材質などでデメリットが多いですが、見方を変えるとそれがメリットにもなります。
初期費用はかかりますが、掃除が楽であったり、色あせなどの劣化があまりないので、長い目でみれば導入時の費用も高くないと言えるかもしれません。
また、硬く冷たいのであれば、使う場所を限定すれば良いですし、床暖房とセットでリフォームしてしまうという方法もあります。
タイルの特長のひとつに「温まりにくく冷めにくい」蓄熱性があります。
この特長を活かせば、窓からの日差しや暖房器具を上手につかうと、省エネになるかもしれませんね。
タイルで内装リフォーム!費用を抑えるにはタイル選びから
前述したように、タイルにはさまざまな種類の形や色、材質などがあります。
タイルによっては、1m²あたり1,000円代のものから、数万円のものまであるので、内装リフォームの費用を抑えるには、タイルの種類を知ることが大事です。
それでは、タイルの種類をご紹介しましょう。
【タイルの種類】
《陶器質》
・焼成温度 1000度
・吸水率 22%未満
・透明度は無い
・多孔質で厚く重い
・割れやすいので床ではなく、室内の壁などに向く
《磁器質》
・焼成温度 1300度
・吸水率 1%未満
・透明度あり
・硬質で耐摩耗性や耐摩耗性が高い
・その吸水性と硬質性から、外壁や床に向く
《せっ器質》
・焼成温度 1200度
・吸水率 5%未満
・透明度は低い
・硬さはあるが、膨張のする性質がある
・温度変化の激しい場所には不向き
また、これらに光沢を出す釉薬(ゆうやく)を塗ったものを「施釉(せゆう)タイル、塗らないものは「無釉(むゆう)タイル」と言います。
なかでも、陶器質タイルは表面に釉薬を塗ることで、鮮やかな色を出すことができます。
上記の3種類の他に、セラミックタイルやテラコッタタイルなどもあります。
内装リフォームのタイルの選び方
主なタイルの種類は、おわかりいただけたかと思います。
それでは、次に内装リフォームをするときのタイルの選び方について見ていきましょう。
【イメージする】
内装リフォームをする場所によって、どのようにリフォームしたいのかイメージしましょう。
「シンプルで落ち着く」「カラフルで楽しい」など、どんな雰囲気の空間にしたいのか具体的に思い描いてください。
【色を選ぶ】
空間をイメージしたら、メインの色を決めましょう。
爽やかなブルー系、落ち着くグリーン系、明るいイエロー系、華やかなレッド系など、雰囲気に合った色を選んでください。
メインカラーが決まれば、その色に沿ってアクセントカラーを加えたり、グラデーションにしたりとアイデアが生まれてきます。
【用途で絞り込む】
メインカラーが決まったら、用途で絞り込みましょう。
水まわりなのか、床や壁に使うのかで、タイルの種類は変わってきます。
それぞれの用途に合ったタイルを選んでください。
【価格で絞り込む】
いくつか候補が決まったら、最後に費用面から絞り込みましょう。
タイルを張る広さで、使うタイルの枚数も変わってきます。
1m²あたりの費用と、内装リフォームの広さをよく考えて予算に合ったものを選んでください。
内装リフォームは自分でタイルを張って費用を抑える!
「キッチンカウンターにタイルを張りたい」「洗面所の壁の汚れをタイルで隠したい」など、手軽に内装リフォームをしたい方もいるでしょう。
そこで、内装費用を抑えるためにも、自分でタイルを張ってみてはいかがでしょうか。
今は職人技を必要としない便利なタイルがたくさん販売されているので、それを使えばDIYでタイルを張ることができます。
それほど大きくないスペースであれば、通販や100均などでも購入できるシール式のタイルシートがおすすめです。
一例を挙げてみましょう。
・陶器質タイルシート 29.2cm×29.5cm 税込み710円
・磁器質タイルシート 23cm×23cm 税込み800円
・せっ器質タイルシート 30cm×30cm 税込み478円
このようなタイルシートを組み合わせることで、DIYでタイルを使った室内リフォームが簡単にできます。
また、100均のシール式のタイルシートは、13cm×13cmのものや10cm×20cmのサイズがあり、陶器風やガラス風など種類も豊富です。
しかし、見た目はタイルのように見えますが、材質はエポキシなどの合成樹脂でできていて、熱に弱いので注意してください。
タイルの内装リフォーム費用はさまざま
タイルで内装リフォームと言っても、その費用は実にさまざまです。
それは、施工費用というよりも、タイルの価格によるものです。
先に紹介したタイルシートも一見安く感じますが、1m²に換算してみると、シートが9枚は必要になるので1枚の価格×9枚になります。
劣化しにくい、掃除しやすいなどのメリットもありますが、やはり初期費用は高額になりやすいので注意しましょう。