賃貸物件に入居中、突然引越しをしなくてはならなくなることもあります。
その場合、解約手続きが必要になります。
引越しだけでも大変な手間がかかるため、解約手続きはスムーズに済ませたいですよね。
しかし、契約期間の途中で解約するとなるとそうはいかない恐れがあります。
この記事では契約期間の途中での賃貸の解約手順や注意点について説明していきます。
契約期間の途中で賃貸を解約する際の注意点
賃貸物件に入居中、契約期間の途中でも解約できます。
突然引っ越さなければならなくなった場合は、必然的にこの解約方法となるでしょう。
まず気をつけたいのは、貸主に解約の意思と退去日を伝える時期です。
できるなら2〜3ヶ月前には意思を伝えるようにしましょう。
なぜなら、退去日が決まると家主は次の入居者を探す必要があるからです。
次の入居者が決まらないまま退去日を過ぎると、家賃収入を得られない期間が発生します。
そのため、解約の意思表示から退去までの期間があまりにも短すぎる場合、退去者が数ヶ月分の家賃を補償しなけらばならないことがあります。
退去する前日などはもってのほかです。
ここまでご説明したのは、入居者の自己都合による解約です。
一方で、廃業や建て替えなどの貸主の都合によって契約期間の途中で解約しなくてはならなくなることがあります。
しかし、貸主は入居者に対する早めの通知が義務付けられていて、入居者は最低でも退去日の6ヶ月前には退去日を知ることができます。
引越しに十分な時間を確保できるため、入居者が路頭に迷うことはないでしょう。
ケースとしては多くはないですが、騒音や家賃滞納などの契約違反による解約も考えられます。
契約書に記載のある禁止事項をよく確認して、節度を持った行動を心がけましょう。
賃貸物件の契約期間満了後は更新または解約を
一般的な賃貸物件の入居者は契約満了後、契約を更新してそのまま住み続けるか、解約して退去するかのどちらかを選択します。
先程、契約期間の途中で解約をする場合の注意点についてお伝えしましたが、契約に沿った最も一般的な解約のタイミングは、契約期間満了時です。
契約満了日のおよそ2ヶ月前にさしかかると、賃貸の管理会社から契約満了日が近づいていることを知らせる書類が届きます。
届いたらたらすぐ記入できるように、どちらを選択するか早めに決定しておくと良いでしょう。
更新する場合は更新の同意書にサインします。
更新には家賃の1、2ヶ月分の費用を支払うことが多いです。
ある程度のまとまった資金が必要となることを頭にとめておきましょう。
また、解約する場合は担当者に連絡して解約の意思と解約日を伝えます。
次の入居先探しや引越し業者の選定など、引越しには多くの手間と費用がかかります。
早めに見積もりを出し、計画的に引越し準備を進めましょう。
契約期間の途中で解約できない賃貸物件
賃貸における契約方法は普通借家契約と定期借家契約の2つに大別できます。
一般的な契約方法は普通借家契約です。
普通借家契約は契約期間が1年以上で、原則として契約期間の途中での解約が認められています。
普通借家契約は前項の内容にもある通り、期間満了時に契約を更新するか解約するか選ぶことができます。
一方、定期借家契約とは契約期間に1年以上といった縛りはなく、契約期間を自由に定めることができる契約です。
普通借家契約とは異なり、契約期間が終了すると更新するか解約するか選択することはなく、必ず解約することとなります。
更新したい場合は、もう一度期間を定めて契約し直す必要があります。
定期借家契約は貸主の要望に合わせて契約期間を定められるため、普通借家契約と比べて安く貸し出される場合が多いです。
その分、契約内容が厳格で、期間中は借り続けることが前提となっている契約方法であるため、原則として途中解約はできません。
ただし例外として、床面積が200平方メートル未満の居住用建物は条件を満たすことによって途中解約を申請することが可能です。
その条件とは「転勤、療養、親族の介護などのやむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難な状態である」です。
定期借家契約を検討している方はこれらのことも考慮に入れて、慎重に決断しましょう。
賃貸を途中解約すると違約金は発生するのか?
賃貸を途中解約しても、基本的には違約金は発生しません。
しかし、契約期間が始まってすぐに途中解約した場合には、違約金を請求するという特約を設けている貸主もいます。
初期費用が安い物件や人気のない物件の中には特にそのような物件が多いです。。
気になる費用ですが、賃貸物件によってさまざまです。
一概には言えませんが、一人暮らし物件の相場は家賃1ヶ月分くらいと考えてください。
ただし、物件によっては3ヶ月分の家賃を支払わなければならないケースもあります。
違約金の金額が気になった方は契約書を確認してみてください。
契約書に違約金の支払いを義務付けるような記載があった場合、入居者には支払い義務が発生します。
一度印鑑を押して同意した事実をくつがえすのは大変難しいです。
違約金を延滞し続けても、貸主側に裁判を起こされたら勝訴する可能性はほとんどないでしょう。
そのような認識の齟齬を生じさせないためには、契約書に同意する前に契約内容をよく確認することが大切です。
賃貸契約を途中で解約するときの流れ
まずは契約書の内容を確認して、契約期間の途中で賃貸を解約した場合の決まりごとを把握しましょう。
先のトラブルを避けるためにも、十分に読み込んだのちに貸主との交渉を進めましょう。
次に、解約する旨と退去日を管理会社に報告します。
報告後、管理会社へ解約通知書を郵送することによって正式な解約手続きは完了です。
解約通知書が見当たらない場合は、管理会社に問い合わせましょう。
そのあとの流れは契約期間を満了して解約する場合とほとんど変わりません。
退去当日に退去の立会いを行います。
担当者と共に部屋に問題がないか確認して、それが終われば鍵を返却します。
退去の立会いは30分もあればで終わるでしょう。
そして1週間ほどすると、部屋の現状回復費用の見積もり結果が管理会社から通知されます。
その結果が納得できるものであれば、口座振込などによって敷金の清算を行い、解約完了となります。
納得がいかなければ担当者に問い合わせて疑問を解消しましょう。
賃貸契約を途中で解約するときの注意点
賃貸契約を途中で解約するなら、旧居と新居で家賃の二重払いが発生しないように引越しの日程を適切に設定しましょう。
二重払いが起きてしまうと、最大で1ヶ月分の家賃が無駄となります。
まず同意書を確認して、契約最終月の家賃をどういった形式で支払わなければならないか把握しましょう。
「月払い」か「日払い」の形式をとる賃貸物件が多いです。
どちらであるかによって、引越しに最適なタイミングが異なります。
2年の契約期間の中でも最終月の支払いだけは日払いとしていることがほとんどです。
日払いの場合は、好きなタイミングで引越しても問題はありません。
しかし、月払いの場合は二重払いが発生しないようによく考える必要があります。
月払いの場合は月初と月末、どちらで退去したとしても1ヶ月分の家賃を支払う必要があります。
そのため、旧居を月末に退去し、翌月の始めから新居へ入居するのがおすすめです。
引越にかかるコストを抑えるために、二重払いが発生する日数を少しでも減らしましょう。
契約書の内容をよく確認することが大切
賃貸契約は、手間や費用を考えると、契約満了での解約をおすすめします。
しかし、急遽引越すことになった場合はやむを得ません。
途中解約の条件は各々の賃貸物件によって多種多様です。
まずは契約時に同意した内容をよく確認し、途中解約を申し出ましょう。