引っ越しには多くの費用がかかります。
その中でも比較的大きな割合を占めるのが「敷金・礼金」です。
敷金は退去時の原状回復にかかる修繕費用を賄うものなので支払いは仕方ありませんが、礼金となると「なんだか納得のいかない支払いだな」と感じている方も多いことだと思います。
礼金は、交渉次第では値下げできるかもしれません。
しかし、それがたとえ新築物件だとしても可能なのでしょうか。
ここでは、礼金の値下げ交渉についてお話ししていきます。
礼金は交渉次第で値下げできる!
引っ越しには引っ越し代金をはじめ、家賃の前払いや敷金・礼金の支払い、家具・家電・必要雑貨など、多くの費用がかかります。
誰でも、少しでもその費用は抑えたいものですよね。
その中で「礼金」は引っ越しにかかる費用の中で比較的大きな金額となりますが、実は交渉次第で値下げが可能なのです。
そもそも礼金は、「この物件を貸してくれてありがとうございます」という意味合いで借主側が貸主側に支払うものです。
礼金にはさまざまな説がありますが、その一つをご紹介します。
ひと昔前に、子どもの一人暮らしを心配する親御さんが「これからアパートに住むわが子をどうぞよろしくお願いいたします」という意味で、大家さんに支払っていた慣習でした。
それが礼金として今でも残っていると言われます。
つまり、礼金は法律上支払うべきと定められているわけではありません。
しかも、貸主側からすると礼金より毎月の家賃や空室率を下げることを重視していますから、「礼金を値下げして長く入居してくれるのであれば、それに応じますよ」という場合があるのです。
ですから、交渉次第で礼金の値下げは可能なのです。
それでは、その物件が新築でも値下げ交渉はできるのでしょうか。
新築物件は礼金の値下げ交渉は可能?
貸主側は毎月の家賃や空室率を下げることを重視しているので、交渉次第では礼金を値下げしてくれることがあります。
それが、もしも新築の物件でも可能なのでしょうか?
結論から申し上げると、それは不可能なケースが多いです。
新築物件は、人気物件の条件の一つです。
ですから、わざわざ礼金の値下げをしなくても入居者が現れる可能性が高いので、値下げの交渉に応じてもらえないことが多いのです。
それでは、新築物件のように礼金の値下げ交渉が難しい物件は他にどのようなものがあるのでしょうか。
●築年数が浅い
新築物件と同様、築年数が浅い物件は人気があるので値下げ交渉は難しいです。
●駅近物件
駅近物件は利便性がいいので人気の物件です。
そのため、駅近物件も礼金の値下げ交渉は難しいでしょう。
●物件が人気エリア内にある
JR沿線など、人気エリア内にある物件も値下げ交渉は難しいでしょう。
●周辺環境がいい
物件からコンビニや病院、学校などが近くて周辺環境がいい場合も値下げ交渉は難航することでしょう。
●物件の設備がよく便利
物件の設備が整っていて、ゴミ出しなどいつでもOKというような物件も人気があるので、値下げ交渉は難しいでしょう。
新築・駅近物件など以外で礼金の値下げ交渉できる物件とは?
新築や築年数が浅い物件、駅近などの物件では礼金の値下げ交渉が難しいことはわかりましたが、いったいどのような物件であれば値下げ交渉がしやすいのでしょうか。
●築年数が古い
築年数が浅いと値下げ交渉が難しいのですが、築年数が古ければ交渉の余地があります。
また、リノベーションしている物件も値下げ交渉がしやすいと言われています。
●最寄り駅が遠い
最寄り駅が遠い物件は一般的に人気があまりありません。
ですから、値下げ交渉がしやすい物件でもあります。
●空室が多い
あまりに空室が多いと家賃収入が滞るため、礼金の値下げ交渉に応じてくれる場合があります。
●周辺環境が悪い
夜中まで営業している飲食店が物件のすぐ隣にあったりなど、周辺環境が悪いと借り手がなかなか現れない要因となります。
そのため、礼金の値下げ交渉がしやすい物件とも言えます。
●一階
物件の中でも一階にある部屋は防犯上の問題などで敬遠されやすい傾向にあるため、礼金の値下げ交渉がしやすいです。
礼金の値下げ交渉が可能かどうかは時期も関係ある!?
新築などの礼金の値下げ交渉が難しい物件もあれば、人気があまりない物件であれば交渉が可能であることをおわかりいただけたことと思います。
しかし、人気がないように思える物件で礼金の値下げ交渉を行っても、必ずしも応じてもらえるとは限りません。
礼金の値下げ交渉には「時期」も関係しているのです。
まず、礼金の値下げ交渉の一番いい時期は、5月のGW明けから8月頃です。
1月から3月は、一番人の動きが多い時期です。
その時期は、入学・就職などで引っ越しをする人が多くいるのです。
そのため、物件自体に需要があるので、人気のない物件でも入居者が現れる時期なのです。
9月以降は会社の異動時期に当てはまることが多いため、やはり引っ越しする人が多くいます。
これらのことを考えると、GWが明けて落ち着きを取り戻した5月のGW明けから8月頃までが人の動きがあまりなく、値下げ交渉をしやすい時期と考えられるのです。
ですから、礼金の値下げ交渉が可能かどうかは時期が関係していると言えるのですね。
礼金の値下げ交渉はどう行う?
契約したい物件が決まり、礼金の値下げ交渉に踏み切る際、具体的にはどう行うのでしょうか。
まず、一番最初は値下げの交渉自体が可能かどうかを貸主側に聞く必要があります。
そして、この物件を気に入っていること、入居したら長く住む予定などと、誠実な態度を示してください。
実際に金額交渉をする際は、あいまいな言い方は避けるようにしてください。
例えば、「礼金、いくらか安くなりませんか?」などです。
値下げ交渉をする際は同じような物件と比較して、「ここと同じような条件の物件には礼金がありませんが、この物件も同じようにしてくれませんか?」などです。
このように具体的に例を挙げると、貸主側も交渉に応じてくれることがあります。
先ほども申し上げましたように、新築などの人気物件は値下げ交渉が難しいことが多いですが、空室が続いているような物件は成功率が高いとよく耳にします。
強引な値下げ交渉は避けるべきですが、誠実な対応で交渉に臨むと案外交渉に応じてくれるかもしれません。
やっぱり新築がいい!値下げ交渉不可なら何を節約する?
引っ越すならやっぱり新築がいいという方も多いことでしょう。
しかし、申し上げておりますように新築物件では礼金の値下げ交渉は難航する場合が多いのです。
礼金の値下げ交渉がダメであれば、引っ越しに際して他に何が節約できるでしょうか。
まず、引っ越しは「物件に入居するための費用」と「荷物の引っ越し費用」の大きく二つに分けられます。
物件に入居するための費用を削減できないとしたら、荷物の引っ越し費用を削減するということを考えましょう。
引っ越し業者によっては、見積額が数万円の差が出ることがあります。
ですから、他社と相見積もりをして条件のいい引っ越し業者を探すといいでしょう。
礼金の値下げ交渉がうまくいかなくても、かかる費用をトータルで考えて他で節約できないか検討することをおすすめします。
礼金の値下げ交渉は物件の条件次第!
物件に入居する際にかかる費用で比較的大きな割合を占める礼金ですが、物件の条件次第では値下げ交渉の余地があります。
しかし、交渉しやすい時期というのもあるので、それを踏まえて交渉してみましょう。
さらに、交渉を行う際は誠実な姿勢で臨むようにしてください。
もしも、礼金の値下げができなかったとしても引っ越しにかかる費用はトータルで考えるべきなので、他に削減できるところはないか模索してみましょう。