新築を建てる際、外観の仕上がりをより良く見せるためには、外構デザインも大切になります。
外構には、玄関アプローチやブロック塀などの他に、車をとめる駐車場も必要ですが、まずはどれくらいのスペースで駐車場を設けるのか検討した上で、デザインを決めていく必要があります。
そこでこの記事では、新築の駐車場の基礎知識やデザインなどについて、詳しくご説明していきます。
駐車場は新築の設計段階で確保!デザインは二の次
新築を設計していくにあたり、まず同じタイミングで押さえておかなければならないのが「駐車場」です。
と言うのも、土地に対する駐車の仕方やそのスペースは、新築の建物にも大きく影響を与えるため、新築の設計段階で考えておく必要があります。
例えば、いざ新築が完成して駐車場を使い始めてみても、駐車しづらいスペースであったりと、意外と不満が出やすい部分です。
また、駐車場は住宅の外観イメージに影響するため、そのデザインも大切になってきます。
しかし、デザインよりも前に、まずはその敷地に対し、車をうまく駐車するためのスペースを確保することが先決になります。
次項では、駐車場をうまく確保するためのポイントを見ていきます。
新築で実用的な駐車場をつくるために!失敗しない3つのポイント
新築の外観に関わる駐車場のデザインを見ていく前に、まずは車をとめるための実用的なスペース確保についてお話していきます。
実用的な駐車場の確保には、3つのポイントを抑えることが大切です。
①車の寸法とスペース
駐車場は、現在乗っている車のサイズで決めるのではなく、将来的な車の乗り換えも考慮しておく必要があります。
例えば、現在乗っている軽自動車に合わせて駐車場を作ってしまった場合、今後大型車に乗り換えることは難しくなります。
一般的な駐車スペースとしては、1台あたり横幅2.2~3m×奥行幅4~6.5mを目安とし、敷地と新築の大きさの兼ね合いで決めていきます。
②車のとめ方
車のとめ方には、主に「直角駐車」「並列駐車」「縦列駐車」の3つが挙げられます。
敷地の大きさや建物の形によって変わってきますが、駐車時の切り替しなどの動きをシミュレートしておくことも忘れてはいけません。
③ドアの開閉
駐車場は、ただ単に車のスペースだけではなく、ドアの開け閉めも考慮した設計にする必要があります。
また、乗り降りドアだけでなく、バックドアの開け閉めができるスペースも考えておきましょう。
新築の外観に左右する!デザインに関わる駐車場の舗装方法は?
駐車場のスペース確保について分かったところで、次にデザインに関わる床仕上げについて見ていきましょう。
駐車場の本格的な工事は、新築の完成後に行われますが、駐車場の床にどのような舗装材を使うかで、デザインも変わってきます。
主な舗装方法としては、以下の2つになります。
①コンクリート仕上げ
一般的に、駐車場の舗装材としてはコンクリートが最もポピュラーです。
強度や耐久性に優れており、メンテナンスをそれほど必要としません。
ただし、コストが高く、コンクリートが固まるまで時間を要します。
おしゃれなデザインに仕上げるためには、目地を工夫するなどの方法があります。
②アスファルト仕上げ
素材としては、砕石や砂などの「骨材」と「アスファルト」を混合したものですが、単価が比較的安く、工事にかかる時間が短いことがメリットとして挙げられます。
ただし、耐久性の低さからひび割れができやすく、その都度補修が必要になります。
また、夏場は太陽光の熱で高温になるため、注意が必要です。
以上の両者はコストや耐久性なども異なりますが、デザイン性を重視したいのであれば、コンクリートがおすすめです。
デザイン重視ならコンクリート仕上げ!目地の役割とは
前項でご紹介した、デザインを重視して仕上げることができる「コンクリート仕上げの目地」について詳しくお話していきましょう。
駐車場の仕上げに使われるコンクリートは、一般的に「目地」が設けられていることが多く、その目地の入れ方によっては、様々なおしゃれなデザインに仕上げることができます。
そもそも目地とは、コンクリートのひび割れを防止するために、継ぎ目として設けるものです。
コンクリートは耐久性に優れてはいますが、施工前後は気温変化に伴って伸縮を繰り返します。
例えば、この伸縮を考慮した処置をせず、真っ平らにコンクリートを敷いてしまえば、新築後に集中的なひび割れが発生する可能性が高くなります。
つまり、目地はコンクリートの伸縮による力を分散させる「伸縮目地」であり、本来のコンクリートの形や耐久性を保持する役割があるのです。
さらに、目地があることで、外部からの衝撃や地震による振動にも耐えることが期待できます。
そんな目地を利用したデザインの種類について、次項で詳しく見ていきましょう。
種類によって目地のデザインも様々!新築に合わせた目地にしよう
駐車場で目地を利用したデザインは様々にありますが、その新築と調和した見栄えにしていくことが大切です。
では、一般的に用いられることの多い4つの種類をそれぞれ見ていきましょう。
①エキスパンタイ目地
目地部分に耐久性の優れたゴムが使用されており、コンクリートの膨張・伸縮を吸収し、分散します。
雑草が生える心配もないため、メンテナンスの頻度も低く、目地の種類の中では代表的なものになります。
均一の色合いでクールに仕上がり、スタイリッシュでシンプルなデザインになります。
②植栽目地
目地に植栽を生やすことで、無機質なコンクリートを温かみのある仕上がりにしてくれます。
一般的には多年草が多く使われており、一年を通して駐車場に柔らかな彩りを添えることができます。
ヨーロピアン調、洋風の新築との相性が良く、開放的な外構にしたい方にはおすすめです。
③砂利目地
目地に砂利を敷いて、シャープなデザインに仕上げることができます。
価格も安く、雑草対策以外にも雨水を吸収してくれるメリットがあります。
砂利のバリエーションも豊富なので、家の雰囲気に合った砂利を選ぶと良いでしょう。
④石目地
ピンコロ石やレンガなどの石材を、少し広く幅とった目地に敷きます。
家のデザインだけでなく、玄関アプローチや花壇との統一性を図るコーディネートができます。
以上4つは一般的な目地の種類になりますが、上記以外にもやり方次第で個性的なデザインに仕上げることもできます。
まずは、実用性を第一とし、それを踏まえた上で駐車場のデザインを考えていきましょう。
外構業者選びの3つのポイント!信頼できる業者を選ぼう
これまでに、新築に駐車場をつくるための知識や、そのデザインについてご説明してきましたが、思い描く駐車場のイメージを形にするためには、信頼できる外構業者に依頼をする必要があります。
しかし、外構業者選びはハウスメーカー選びよりも難しいとも言われており、多くの人が苦労する部分です。
ここからは、理想の外構を実現させるための外構業者選びについて、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
①工事内容に合った業者を
外構業者は、業者ごとに得意分野が異なり、ブロック塀やフェンスなどのエクステリアを得意とする業者や、和・洋テイストそれぞれを得意とする業者など様々です。
庭やフェンス、駐車場など、あらかじめ工事内容や予算が決まっているのであれば、その分野を絞って業者を選ぶと良いでしょう。
②安さよりも実績を見る
複数社で見積もりをとることは大切ですが、安さだけで安易に決めることはおすすめしません。
コストが安いのは安いなりの理由がある場合が多く、思っていたものと違う結果になる可能性もあります。
そのため、安さよりも信頼性に伴う実績を重視して見極めていくことがおすすめです。
③保証・アフターサービスがある
引き渡し後も、引き続き責任を持った保証・アフターサービスをしてくれる業者が望ましいです。
これらの対応ができない業者は避けた方が無難です。
外構工事はただでさえ高額になりますが、ただ安さだけで業者を選ぶことは禁物です。
得意分野やこれまでの実績、保証・アフターサービスなどをしっかりと確認し、信頼できる業者を絞っていきましょう。
まずは実用性が第一
車をとめる駐車場は、日常的に使っていくものなので、使いやすい実用的な設計にしなければなりません。
そのため、まずは実用性を第一に、それを踏まえた上でデザインを考えていく必要があります。
また、コンクリート仕上げでは、様々なデザインの目地を選ぶことができ、駐車場をよりおしゃれに仕上げることができます。
家のテイストに合わせて、外観をコーディネートしていきましょう。