アパートを契約する際に手にする書類といえば、そのアパートの賃貸契約書です。
契約に関する重要な事柄が記載されているため、大切に保管しなければなりません。
しかし、もし何らかの理由でその賃貸契約書を紛失してしまった場合、契約自体に支障が出ることはあるのでしょうか。
また、再発行についても詳しく見ていきましょう。
アパートの賃貸契約書を確認!①設備に関する紛失には注意
アパートを契約する際に、貸主と借主双方に渡るのが賃貸契約書です。
契約書と聞くと何だか難しい内容に思え、よく目を通さずに保管している方もいるのではないでしょうか。
しかし、アパートの賃貸契約書には、述べた通り貸主と借主双方にとって重要な事柄が記載されているのです。
そのため、アパートの賃貸契約書を手にした際には、よく内容を確認するようにしましょう。
アパートの賃貸契約書を確認する際のポイントを以下でご紹介します。
・借りる物件と賃貸契約書に記載されている物件の相違を確認
まず、アパートの賃貸契約書の初めには、借りる物件に関する事柄が記載されています。
それは住所はもちろん、そのアパートがどのような構造でできているのか、間取りに関してなどです。
また、そのアパートの施工がいつ終了したのかも記載されていますので、その日から現在までの期間を計算すれば、築年数を割り出すこともできるでしょう。
借りる物件と記載されている物件に相違があることはあまりありませんが、部屋番号の記載ミスなどがないか確認しておくと良いです。
・設備の確認
借りる物件に、すでに備わっている設備が記載されています。
実際にアパートに出向き、記載されている設備が備わっているか確認すると良いです。
また、アパートの賃貸契約書に記載されている設備に何らかの不具合が生じた場合、基本的には借主が修理費などを負担する必要はありません。
しかし、例えばシャワーヘッドを節水シャワー用に交換し、元から備わっていたヘッドを紛失してしまった場合などには注意が必要です。
元から備わっていたシャワーヘッド代などを借主が負担する可能性があります。
このように、明らかに借主の過失が原因で生じた不具合に関しては、借主が費用を負担することも考えられるのです。
次項でも、引き続きアパートの賃貸契約書を確認する際のポイントをご紹介していきましょう。
アパートの賃貸契約書を確認!②貸主の連絡先は紛失も視野に
アパートの賃貸契約書を確認する際のポイントはまだあります。
・諸費用の確認
アパートの賃貸契約書には、契約に必要な諸費用も記載されています。
一般的な諸費用としては、敷金や家賃が挙げられるでしょう。
敷金は、契約するアパートの1月分の家賃に相当する金額であることが多いです。
その金額よりも明らかに多い場合は、それによるトラブルを防ぐためにも、理由などを貸主に確認するようにしてください。
また、家賃がいくらなのかなどもアパートの賃貸契約書に記載されていますので、確認しておきましょう。
アパートの貸主が親族などの場合、まれに口約束のみで家賃を決めてしまうこともあります。
口約束は法的な効力がないもののため、必ず賃貸契約書に記載されている家賃と相違がないか確認しましょう。
・貸主の連絡先を確認
アパートに入居後、貸主と連絡を取ることもあるでしょう。
貸主の連絡先もアパートの賃貸契約書に記載されていますが、できればそれとは別に、メモや携帯の住所録に保存しておくことをおすすめします。
いざ貸主と連絡を取ろうとした際に、紛失してしまったのか、アパートの賃貸契約書が見当たらないなどの場合にも役立ちます。
メモであれば、冷蔵庫など使用頻度が高く、目に付きやすい場所に貼り付けておくのも良いですね。
これら以外にも、アパートの賃貸契約を解約する際の方法や敷金に関する事柄も記載されていますので、よく確認しておきましょう。
このように、貸主と借主にとって重要な事柄が記載されているアパートの賃貸契約書ですが、もし紛失してしまった場合はどうなるのでしょうか。
アパートの賃貸契約書を紛失!契約に支障は出る?
先述した通り、アパートの賃貸契約書は重要な書類ですが、いざ内容を確認しようとした際などに見当たらないということもあります。
他の書類に紛れて仕舞ってあったなどということもありますが、どう探しても見当たらない、つまり紛失してしまった場合には多くの心配が頭をよぎります。
アパートの賃貸契約書は、名前の通りそのアパートを契約した証明であるため、契約の解除など、何らかの支障が出ては困ってしまいますよね。
しかし、もしアパートの賃貸契約書を紛失してしまっても、契約が解除されるようことはありません。
アパートの賃貸契約を結ぶ際、賃貸契約書の調印を行います。
その時点で、この契約は無事に成立済みであるとみなされるのです。
もし、これが元で貸主から契約の解除を求められた場合には、その貸主の行為は不当であるとみなされます。
アパートの賃貸契約書を紛失!今後を考えて貸主にコピーを依頼
いざ、アパートで生活をスタートさせると、契約前には気付かなかった点に疑問を感じるようなこともあるでしょう。
契約時には、アパートの賃貸契約書を確認することが大切とお伝えしましたが、入居後にもその際の内容を全て覚えている方は少ないのではないでしょうか。
そこでアパートの賃貸契約書を再確認することになるのですが、もし紛失してしまった場合には手元にないため、当然内容を確認することはできませんよね。
そのような場合には、アパートの賃貸契約書を所持しているもう1人の人物、つまり貸主にそれを見せてもらい、内容を再確認するのが良いでしょう。
また、アパートの賃貸契約書の内容を今後また再確認する場合を想定して、ただ見せてもらうだけでなくコピーをとらせてもらうと良いです。
アパートの賃貸契約書を何度も貸主に確認させてもらうのは、その都度貸主の手を煩わせることになってしまいますので、コピーをとらせてもらうことで避けましょう。
アパートの賃貸契約書の原本が必要なケース
アパートの賃貸契約書を借主が紛失してしまっても、契約解除など契約に支障が出ることはないいことは先述した通りです。
しかし、場合によっては、アパートの賃貸契約書が必要となることもあります。
また、コピーではなく、アパートの賃貸契約書の原本を基本とするのです。
それはどのような場合かというと、契約したアパートで借主が起業する場合などです。
起業内容にもよりますが、多くの場合、役所などでまず起業の許可を貰うことになります。
しかし、起業する方が住んでいる場所に確実性がなければ、その人物にも信憑性がないとみなされ、役所としても簡単に起業を認めることはできません。
このことから、アパートの賃貸契約書のコピーではなく、確実性のある原本が求められるのです。
そのため、起業を考えている方は、賃貸契約書を紛失しないよう注意を払ってください。
しかし、もし紛失してしまった場合、アパートの賃貸契約書の再発行はできるのでしょうか。
アパートの契約書の再発行は歓迎されない
アパートの賃貸契約書を紛失してしまった場合、再発行はできます。
しかし、前項で述べた起業のためなど、よほどのことがない限りは行なわないでしょう。
また、再発行は以下のようなことからあまり歓迎されません。
・証明の確実性が下がる
アパートの賃貸契約書を再発行する場合、元のものと発行日が変わってしまいます。
再発行した日が発行日となるため、実際の発行日との相違が生まれ、契約の証明である賃貸契約書の確実性が下がることに繋がるでしょう。
・貸主が再調印を拒む可能性がある
これは上記の内容と通ずるものがあるのですが、アパートの賃貸契約書の発行日が変わることは、貸主からすれば好ましいことではありません。
述べた通り証明の確実性が下がるため、その書類に再調印するのは気が進まない貸主もいるでしょう。
また、無理にお願いして再調印してもらえたとしても、今後の貸主と借主との間に溝ができるきっかけとなる可能性もあります。
アパートで何か困ったことなどがあった際は、貸主に頼る場面も考えられます。
そのアパートで有意義な生活を送るためには、関係を友好なまま持続させることも重要です。
再発行できるとはいえ、原本を紛失しないようにしっかりと保管しておくことは大切と言えます。
紛失を防ぐ!アパートの賃貸契約書は保管にも工夫を
アパートの賃貸契約書は、もし紛失してしまった場合には再発行もできますが、貸主との関係に与える影響なども考えると、紛失しないのが最善です。
また、アパートの賃貸契約書は重要書類のため、あまり人目に付くような場所の保管は避けた方が良いでしょう。
銀行の通帳など、使用頻度が高く、なお重要なものと一緒に保管するのも良いですね。