小さい子どもがいるご家庭で注意して欲しいのが、窓からの落下事故です。
実際、窓やベランダから落下する事故が後を絶ちません。
大事な子どもの命に関わる事故に繋がりかねないので、窓の落下防止対策は大切です。
悲しい事故が起こってしまう前に、自分で対策をしてみませんか。
それでは、DIYで出来る窓の落下防止対策をご紹介していきましょう。
データで見る窓からの落下防止の重要性
窓やベランダからの落下事故と聞いても、「うちの子はまだ小さいから大丈夫」と、安心してはいませんか。
しかし、厚生労働省の調査によると、事故にあう危険な年齢は、1~3歳とされていて、救急搬送された全体の53.6%を占めています。
小さいからこそ、注意が必要なのです。
また、気候が良くなり、窓を開ける機会が多くなる時期は特に注意が必要です。
以下で詳しく見てみましょう。
【年齢別救急搬送の割合】平成22年~26年の調査による
・0歳 3.2%
・1歳 19.2%
・2歳 17.9%
・3歳 13.3%
*このうち、窓からの落下事故は79.1%、ベランダからの落下事故は23.9%
【季節別救急搬送の割合】
・春 3~5月 27.1%
・夏 6~8月 32.6%
・秋 9~11月 24.3%
・冬 12~2月 16.0%
このようなデータを見ると、小さい子どもの窓からの落下事故は大変多いと言えます。
また、1階の窓からの落下事故も軽傷ではありますが、多く報告されています。
たとえ階が低いからと言って安心は出来ません。
したがって、「子どもに言い聞かせてある」や、「ある程度の対策はしてある」などと思っていても、事故は起こってしまう可能性があるというのが現実です。
そうならないように、落下防止の対策をしっかりしておきましょう。
そのためには、専用の落下防止ガードを業者に頼んで取り付ける方法もありますが、DIYでも簡単に対策が出来るので、ぜひ、試してみてください。
窓からの落下防止!DIYするときのポイントは?
では、どのようなことに注意してDIYを行えば良いのでしょうか?
一般社団法人リビングアメニティ協会によると、床からの高さ80~85㎝の窓には落下防止対策が必要と言われています。
これは、子どもの危険もさることながら、大人でも少し身を乗り出すと落下しかねない高さです。
小さな子どもの落下も心配ですが、大人も気を付けなければいけません。
特に高齢者と同居されている場合は注意が必要です。
また、重心よりも低い窓は落下しやすいので、一般的に理想的な落下防止の手すりの高さは110㎝と言われています。
子どもの場合は、現在の身長に20㎝をプラスした高さを目安にすると良いでしょう。
ただ、成長していく子どもの身長に合わせて、窓周りの安全基準も変わっていくことを頭に入れておいてください。
そして高さの次は、手すりの隙間です。
子どもは体よりも頭が大きいので、頭が通ってしまうと、そのまますり抜けて落下しかねません。
特に外付けの手すりは、下の部分に隙間が出来ている場合があるので注意してください。
手すりの柵の間隔や隙間などは、狭ければ狭いほど良いのですが、11㎝以下であればすり抜けられないと言われています。
このことを念頭に置いて、落下防止の手すりをDIYしていきましょう。
子どもの窓からの落下防止対策!DIYでバーを取り付ける
DIYで一番手軽な落下防止対策は、窓の内側に「バーを取り付ける」方法です。
アルミなどで出来た手すり用のバーを購入し、金具で留めれば落下防止対策になります。
この場合、「手軽に」と考え、突っ張り棒など済ませてしまうのでは、かえって危険なので絶対にやめてください。
子どもが突っ張り棒に手を掛け、這い上がろうとしたとき、体重を掛けた時点で突っ張り棒が外れてしまえば、かえって子どものケガを誘発しかねません。
したがって、しっかりとバーを固定する必要があります。
また、手すり用のバーは、ホームセンターや通販で手に入ります。
長さも太さもさまざまありますので、窓のサイズにあったものを探してみてください。
お値段も手頃で、長さにもよりますが、1本1,300円くらいからあります。
固定する金具もバーの太さに合わせて一緒に購入しましょう。
なお、金具とバーがセットになっているものも販売されているので、そちらを購入するのもおすすめです。
前述したようにバーの隙間を考慮し、2~3本平行に付けると安心ですね。
子どもの窓からの落下防止対策!+ワイヤーネットでDIY
先程は、落下防止対策として窓に数本バーを平行に取り付ける方法をご紹介しました。
しかしバーだと、かえって子どもが頭を入れようとしたり、ぶらさがったりする危険もあります。
そのような場合は、ワイヤーネットをプラスしてみましょう。
こちらも簡単にDIY出来ます。
設置方法は、前項のように取り付けたバーの間にワイヤーネットを結束バンドで留めていくだけです。
上下隙間なく、子どもの手が隙間に入らないよう、バーにワイヤーネットを固定していきましょう。
100均ショップのワイヤーネットでも、出来るだけ細かくしっかりと留めれば、頑丈になります。
また、ワイヤーネットは幅の広いものよりも、幅の狭いものを使うとたわみにくいです。
ワイヤーネットの格子の大きさにも注意して、より細かいものにすれば、子どもの手が外に出にくくなり、より安全性が高まります。
子どもの窓からの落下防止対策!園芸用ラティスでDIY
もう少し頑丈なもので落下防止対策をしたい方におすすめなのが、園芸用ラティスです。
園芸用ラティスとは、木で出来たフェンスで、木枠に斜め格子状に細い板が渡してあるものです。
ガーデニングしている家の庭などでよく見かけると思います。
これもDIYで設置することが出来ます。
それでは、DIYの手順を見ていきましょう。
【園芸用ラティスをDIY】
1.取り付ける窓の採寸をします。
2.ラティスの長い方の外枠を1か所外します。
*最後にはめるので取っておきましょう。
3.窓に合わせてラティスを切ります。
4.枠の部分を先に切り、格子部分ははめ込み用に枠より10㎜ほど長くして切ってください。
5.切った部分に外していた外枠をはめ込みます。
6.窓にビスなどで固定して完成です。
切断部分や、ささくれなどが気になる場合は、紙やすりなどできれいにしましょう。
また、外枠を外すときは、ハンマーなどで内側から少しづつ叩いていくと楽に外せます。
ラティスを使った落下防止対策の利点は、加工がしやすいことと、金具を取り付ければL字の窓も隙間なく覆うことが出来るということです。
こちらも、ホームセンターや通販で購入出来ますし、お値段も手頃で1枚2,000円台からあります。
子どもの窓からの落下防止!DIYより先にすべきこと
これまで、DIYで行う窓からの落下防止対策を見てきました。
しかし、DIYで対策をする前に気を付けなければならないことがあります。
それは、窓周りの環境です。
窓からの落下事故の多くは、窓の近くに子どもの踏み台代わりになるものがあり、そこによじ登って落ちてしまうというケースです。
寝室の窓からベッドは離れていますか?
ソファが窓辺に置いてありませんか?
テーブルやイスが窓の近くにありませんか?
たとえDIYで対策をしていても、その上によじ登れるような環境では意味がありません。
この記事をきっかけに、窓周りの環境を見直してみましょう。
また、外付けの手すりなども高さや隙間、強度などもチェックしておきましょう。
ときに子どもは、想像もつかない行動に出ることがあります。
落下防止対策をしているからと言って安心せず、日ごろの子どもの行動をチェックすることも大切です。
窓の落下防止対策はDIYで簡単手軽に
このように、DIYで窓からの落下防止対策をすることが出来ます。
DIYでしたら、思い立ったらすぐに出来ますし、コストも大きく削減出来るのがうれしいですね。
ポイントを押さえて、しっかりした落下防止対策をしましょう。
そして、大事な子どものために窓周りの環境も整えておいてください。