皆さんは、集合住宅に住んだことがありますか?
アパートや団地、マンションなど色々ありますね。
最近のマンションは構造もしっかりとしていて、近隣の音が遮断され、快適な部屋も多くなっています。
しかし、木造や軽量鉄骨構造のアパートは、どうしても近隣の音が響いてしまうことがあります。
両隣はもちろん、上下の音も気になるということもあります。
今回は、アパートで足音の苦情が出やすい原因と、その解決方法をご紹介します。
アパートの足音の苦情は構造でも違う
一般的に、マンションは鉄筋コンクリート構造になっています。
それに対して、アパートは木造や軽量鉄骨構造が多いです。
そのため、同じ集合住宅でも、マンションよりアパートの方が周辺の音が聞こえやすいのです。
木造建築のアパートは、どうしても音が響きやすくなります。
そのため、「2階の人の足音がうるさい」、「夜中に帰宅してきて眠れない」といった苦情もよくあるようです。
しかし、同じ2階建てでも、軽量鉄骨構造にすると防音性が上がるため、住人のトラブルが少ないと言われています。
軽量鉄骨構造は、建てる時にはコストがかかりますが、防音性などの理由から多くの人に人気があります。
そのため、近年建てられているアパートは、木造建築よりも軽量鉄骨構造のものが増えているようです。
苦情にもなるアパートの足音はどれくらいの騒音?
アパートの構造は、20年前や30年前に比べると、木造建築の他に軽量鉄骨やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)といった構造の建物が増えています。
軽量鉄骨やSRC構造の建物でも、階上の住人の足音や家具を動かす音は下の階に響きます。
それでは、私たちはどれくらいの音になると、「うるさい」と感じるのでしょうか。
音は「デシベル」という単位で表します。
うるさいと言われているのは、100デシベル以上で、電車通行時のガード下や交通の激しい交差点などです。
飛行機のエンジン音は120デシベルと、さらに大きいです。
意外かもしれませんが、犬の鳴き声、カラオケ店の部屋の中は90デシベルです。
90デシベル以上になると「会話が成り立たない騒音」になります。
90デシベルには、ピアノの音、工場内の音、怒鳴り声が該当し、よくご近所トラブルの原因にもなりますね。
逆に静かな音と言われているものを挙げると、図書館や閑静な住宅街が40デシベル、深夜の住宅街や鉛筆の音が30デシベル、木の葉が触れる音や雪が降る音が20デシベルとなります。
それでは、足音はどれくらいかというと、上階の子どものバタバタと走り回る足音は、およそ50~60デシベルになります。
50~60デシベルは静かな事務所や静かな街中と同じくらいになりますので、通常の生活ではあまり気になりません。
むしろ怒鳴ったり、犬を飼ってほえているほうが、騒音になります。
しかし、50~60デシベルという音が、うるさいと感じるか、うるさくないと感じるかは、やはり階下の住人の感じ方によります。
階下の住人がいつも静かな人なら、うるさいと感じ苦情になってしまいます。
下の階にも同じような小さい子どもがいると、あまり騒音だと感じることがなく、苦情にならないこともあります。
小さい子どもがいる場合は、音が階下に響かない工夫も必要ですね。
歩き方を変えてアパートの足音の苦情を解決
アパートに住んでいる人からの、「子どものバタバタと部屋を走り回る足音がうるさい」という苦情を耳にすることもあるでしょう。
また、スリッパで歩く音や大人の歩く足音でも「うるさい」と感じることもあります。
大人同士の場合は、苦情を言うことをためらってしまいますが、体重があるために子ども以上にうるさくなります。
大人でドスンドスンという音で歩く人と、同じ体重があっても足音がしない人では、何が違うのでしょうか。
皆さんは、歩き方が上手な人と下手な人がいるのをご存知ですか。
よく、雨の日に歩き方の違いで、足元の水たまりを跳ねて汚してしまう人もいれば、そうでない人もいます。
歩き方にくせがあり、靴底の減り方に偏りがある人もいます。
そして、足音もうるさいほどに立てる人と、全く足音がしない人がいます。
足を床に着ける時につま先と土踏まずの間の、足指の付け根の部分から足を下ろす人は、あまり足音がしません。
踵(かかと)から足を下ろす人は、どうしても足音がしてしまいます。
それはどうしてでしょうか。
踵で歩くと、着地の際に全体重が踵1点に集中するので、衝撃音が響きやすくなります。
一方、足指のつけ根から着地すると体重が分散されるので、床への衝撃が少なくなり、足音は響きにくくなります。
また、踵から足を下ろす歩き方は、足全体にも衝撃が走りやすいです。
この衝撃は脊髄を通り、歩くたびに脳にも常に緊張が伝わって、身体にもあまりよくありません。
歩くときには、踵を着けずに指の付け根で歩くようにしましょう。
足音がうるさいという苦情を避けるためだけでなく、ご自身の健康対策のためにも歩き方を工夫してみるのも良いかもしれません。
スリッパ選びでアパートの足音苦情対策を
踵歩きの人は、スリッパを履くようにすると、つま先歩きに変えることができると言います。
しかし、このスリッパのパタパタという足音もアパートの階下に響いて、うるさいと苦情になることもあります。
スリッパには色々な形やサイズがありますが、大きすぎるスリッパを履いていると、どうしても歩きながら、パタパタ音がしてしまいます。
子どもが大人用のスリッパを履いて走り回ると、危ないだけでなく足音にスリッパのパタパタ音が加わってかなりうるさくなりますよね。
歩き方は問題ないのに、スリッパが足に合っていないために、床に打ち付けるようになってしまい、階下に響いてしまうこともあります。
歩き方を直すために、スリッパを利用するなら、足に合ったサイズのスリッパを履きましょう。
また、スリッパの履き方にも、問題がある場合もあります。
スリッパをひっかける、と言いますが、本当につま先だけをちょっとひっかけて、しっかりと履いていないと、パタパタ音がします。
また、スリッパの素材によっても音が響くものがあります。
底の薄いビニール製のスリッパは足音がしやすくなります。
合成皮革のツルツルしたスリッパも、足が中で滑って音がしやすくなります。
トイレ用や病院の待合室にあるようなものですね。
しかし、しっかりと踵の部分にクッションがある布製のスリッパはあまり音がしません。
踵にクッションがあるスリッパは、踵の保護にもなりますので、歩き方を変えたい人には良いかもしれませんね。
スリッパも上手に選んで、アパートの階下の人からの苦情対策にしましょう。
絨毯を敷いてアパートの足音の防音を
最近のアパートは、畳よりもフローリングの部屋が多くなっています。
そのため、どうしても足音が階下に響きやすいのです。
スリッパなどの対策もありますが、小さい子どもには、スリッパを履かせることが転倒などにつながり危ないこともあります。
そこで、床にラグマットや絨毯を敷きましょう。
床と足の間にクッションが入ることで、かなりの防音効果になります。
ラグマットや絨毯は、アパートの床に傷をつけることも防止しますので、一石二鳥ですね。
冬は保温効果もあり、暖房費の節約にもなるかもしれません。
絨毯は足音だけでなく、椅子を引くときの音や掃除機をかける時の音など、生活音全体が階下に響く音を緩和させることもできます。
暑い夏はコルクタイプの絨毯にすると、消音効果に加えて防塵の効果も得られるのでおすすめです。
また、小さい子どもがいるご家庭の場合、「子どもが小さいのだから、うちは足音がしても当たり前」と考えていませんか?
しかし、逆に、赤ちゃんが寝ている時、上の階で子どもの足音がうるさいと気になりますよね。
その際、「お互い様なのだから苦情を言うのはおかしい」と、トラブルになることもあります。
トラブルになる前に、家庭の中でできる工夫をしてみましょう。
生活リズムを考えてアパート選びを
アパートでは、「上の階の人の足音がうるさい」と、管理会社に苦情の申し立てをすることがあります。
逆に、「管理会社を通して、足音がうるさいと階下の人に言われたが、思い当たる節がない」ということもあります。
ご近所付き合いというものは、とても難しいもので、どれほど気を付けていても周囲の人に、悪意を持って見られてしまうこともあります。
万が一、本当に苦情となるほどの足音を常に立てているのであれば、それは音を出している側が責任を持って対処することになります。
しかし、「普通の生活音にも気を遣っているのに、苦情を言われる」という場合は、上階の人には責任はありません。
階下の人が神経質で、イライラをどこかにぶつけたくて、苦情という形で言われるなら、それはその人の問題かもしれません。
お互いのトラブルを緩和させるためには、管理会社の人に間に入ってもらい、対応をしてもらうのが一番ですが、それでも解決しない場合もあります。
まずは、アパートを選ぶときに、あまり足音や生活音が周囲に響かない、鉄筋コンクリート構造のアパートやマンションを選びましょう。
月々の家賃が高くても、後にトラブルで引っ越しをするよりは、安くなります。
できるだけ、生活リズムが近い人が住んでいるアパートを選びましょう。
コミュニケーションでアパートの苦情緩和を
アパートに住んでいると、足音や生活音はもちろん、ゴミの出し方、廊下や階段の使い方と、色々なことで苦情やトラブルが発生します。
今は、アパートやマンションの隣にどんな人が住んでいるのかが、わからない世の中です。
人間の生活も多様化し、朝早くから活動をしている人もいあれば、夕方から夜に活動をする人もいます。
1番大切なことは、アパートの住人同士もコミュニケーションを取って、苦情にならないような人間関係を築くことかもしれませんね。