フローリングがアルコールで白くシミに!補修できる?

「フローリングに化粧品をこぼしたら、白くシミになってしまった」という経験をされたことのある方は少なくありません。

これは、化粧品に含まれるアルコールによって引き起こされたシミです。

しかし、アルコールの成分で、なぜフローリングは白くなるのでしょうか。

ここでは、シミになる原因と、補修方法、フローリングにシミを作らないために知っておきたい知識についてお話します。

フローリングにアルコールをこぼすと白くなるのはなぜ?

化粧品や洗剤など、アルコールの成分を含んだものをフローリングにこぼすと、白く変色し、シミになってしまいます。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

それにはアルコールの働きが大きく関係しています。

アルコールには、油を分解する働きがあります。

油落とし洗剤として、アルコールを含むものも販売されていますよね。

フローリングの表面には、ワックスが塗布されており、このワックスは油でできています。

そのため、アルコールをフローリングにこぼすと、フローリング表面のワックスをアルコールが分解してしまい、ワックスが溶けることによって白くなってしまうわけです。

また、水性ワックスや樹脂ワックスであっても、同様にアルコールによって表面の皮膜が溶かされ、白化してしまいます。

とはいっても、アルコールを含む薬品を使用することの多い病院などでは、アルコールに耐性があり白化しにくい、特殊なワックスを使用していることが多いです。

アルコールで白くなったフローリングの補修方法

うっかりアルコールをこぼして、白くなってしまったフローリングを元に戻すことはできるのでしょうか。

先にもお話したように、白くなってしまう原因は、アルコールによってフローリング表面のワックスが溶かされてしまったためです。

フローリング素材そのものに異常が起きてしまったためではないので、ワックスの補修を行うことで元に戻すことが可能です。

つまり、ワックスを塗り直せば良いわけです。

基本的には、白くなってしまった部分に残っているワックスを一度剥離し、その後で新たにワックスを塗り直す必要があります。

しかし、アルコールのこぼれた範囲が狭かったり、スプレー状のアルコールが少し飛んだ程度であれば、軽く表面のワックスを剥がすだけで改善する場合もあります。

フローリングの輝きが失われるようであれば、シートタイプの簡易的なワックスを活用するのがおすすめです。

また、「剥離剤を使ってワックスを剥がすのは面倒だ」という方には、メラミンスポンジを使って剥がす方法が良いでしょう。

白くなった部分をこするだけで、簡単に白い部分が取れます。

しかし、この場合もワックスを完全に剥離してしまっているので、ワックスシートなどを使ってワックスを塗り直す必要があります。

意外と多い!フローリングを白くするアルコールを含む製品

フローリングに白くシミを作ってしまうアルコールですが、アルコールはお酒やエタノールだけに含まれているわけではありません。

先にもお話したように、化粧品にもアルコールが含まれているものが多くあります。

うっかりアルコールを含んだ化粧水のボトルを倒してしまうと、フローリングに大きな白いシミを作る原因になります。

また、スプレータイプの化粧品も要注意です。

こぼしたつもりがなくても、周りに飛び散ってしまい、「気が付いたらフローリングに白い点が付いていた」ということになりかねません。

小さなお子さんがいるご家庭では、フローリングの床の除菌をしたいと考える保護者の方もいるでしょう。

しかし、市販されている除菌スプレーや除菌シートには、アルコール濃度の高い商品が多くあります。

そうしたものを使用すると、除菌すると同時に、フローリングのワックスを剥離してしまう恐れがあります。

除菌する際には、フローリング用とされるアルコールが含まれないものを使いましょう。

アルコール以外にもある!フローリングにシミを作る原因

そして、フローリングにできるシミは、アルコールによって白くなってしまうものだけではありません。

フローリングにできる黒ずみにお困りの方も、多いのではないでしょうか。

木材によって作られたフローリングは、水分に弱く、サッシの結露によりフローリングが水分を含んでしまうと、黒ずみの原因になってしまいます。

また、キッチンにおける黒ずみの原因は、料理の際に飛び散った油汚れによるものが多いです。

そして生活する上で逃れられない足の裏の皮脂汚れも、フローリングの黒ずみの原因の一つになっています。

様々な原因により、フローリングの黒ずみは引き起こされますが、実はワックスが黒ずみの原因になる場合もあります。

ワックスの効果が薄れる度にワックスを塗り重ねていくと、段々古いワックスが劣化していき、フローリングが黒ずんできてしまうのです。

こうしたワックスの劣化による黒ずみは、古いワックスを剥離することでしか改善することはできません。

フローリングに最適なお掃除方法とは

フローリングを長く綺麗に使うために、アルコールをこぼして白くしてしまったりすることのないよう気を付けるのはもちろんですが、日頃のお掃除方法も大切です。

間違った方法でお掃除を続けていれば、それが原因でフローリングにシミを作ってしまったり、劣化させてしまうことにもなりかねません。

先にもお話したように、フローリングに水分は大敵です。

そのため、一番最適なお掃除方法は、乾拭きをすることです。

ホウキや掃除機を使ってフローリングのホコリを取り除いた後、乾いた雑巾やモップで乾拭きを行なってください。

それでも落ちない汚れがある場合は、固く絞った雑巾で優しく拭きましょう。

また、フローリングが施されたワックスは、表面を守り、汚れが付きにくくなる効果があります。

ワックスが剥がれてしまえば、それだけ、落ちない汚れがフローリングに付着する可能性が高くなってしまいます。

数年に一回はワックスの重ね塗りをし、5年に一回はワックスの塗り直しを行うと、更にフローリングを長持ちさせることができます。

賃貸物件におけるフローリングの原状回復

フローリングのある賃貸物件を退去する際、気になるのは原状回復がどの程度求められるのかという点かと思います。

家具の設置によるフローリングの凹みや、構造的な欠陥によるフローリングの変色は、大家負担となり、補修費用を請求されることはありません。

しかし、フローリングにアルコールをこぼして白くシミにしてしまったり、飲みこぼしの始末がきちんとされすにできた黒ずみなど、借主の過失によるシミや汚れには、原状回復のための費用が請求されます。

フローリングにトラブルが起きたときには、その場その場できちんと対処をしておくことが大切です。

ただし、DIYで大がかりにワックスを剥離し、塗り直しを行なっていると、剥離が十分でないこともあります。

また、塗り直す際にムラができていれば、再度やり直さなければいけないため、補修費用を支払わなければいけない場合もあります。

賃貸物件でフローリングのトラブルを対処する場合は、市販のワックスシートやワックススプレーを使用する程度にし、あまり大がかりなことは行わないほうが賢明です。

フローリングのシミに慌てない!適切な対処で問題なし!

フローリングにアルコールをこぼして白くなってしまうと、慌ててしまいますよね。

賃貸物件に住んでいれば尚更です。

しかし、塗布されているワックスが変異しただけであり、対処すれば元に戻せることを知っていれば、何の問題もありません。

汚さないに越したことはありませんが、もしもの時には適切な対処で乗り切りましょう。