2階建のアパートというと、木造で建てられているものが多いです。
木造アパートのメリットとデメリット、またデメリットのひとつでもある音問題についてお話します。
木造アパートでも、新築だったら音漏れしないというウワサは本当なのでしょうか。
木造アパートのメリット!家賃が安い!
アパート経営をお考えの方は、新築のアパートの構造をどのようにすればよいのかお考えのことと思います。
構造は、住み心地や音の問題にも関わってきますので、悩むところですよね。
今回は、アパートの構造のひとつである木造アパートについてのお話です。
木造アパートとは、壁・柱・床・梁・屋根などの主要構造部に木材を使ったアパートのことです。
構造上小規模な作りの建物になります。
ほとんどが2階建以下の低層住宅となりますが、軽くて強度があり、加工が簡単なため賃貸住宅ではよく使われています。
木造アパートのメリットを、いくつか挙げてみましょう。
まず、鉄筋コンクリート造に比べて建築費用が安く済みます。
建築にコストがかからない分、家賃を安くすることができます。
安いとなると心配になるのが耐久性や耐震性ですが、ご安心ください。
木でできてはいますが、最近の木造アパートは災害時にも備えて耐震構造などがしっかりと考慮されています。
次のメリットは、断熱性です。
木材は断熱性を持っています。
冬は暖かく過ごすことができますし、吸湿性にも優れていますので日本のじめじめとした夏を過ごすにも最適なのです。
また、室内に梁がないため家具が置きやすいというメリットもあります。
鉄筋コンクリート造の場合、天井から梁が出ていることがありますよね。
木造アパートでしたら、部屋もすっきりとしていて家具のレイアウトも自由です。
木造アパートのデメリット!防災や音が気になる!
次に、木造アパートのデメリットにも触れておきます。
まず挙げられるのが、火災に弱いという点です。
木造ということは木でできているということです。
鉄筋コンクリート造と比べると、燃えやすいのは当然です。
比較すると火災のリスクが高めになってしまいます。
そして、やはり騒音トラブルが多いことも挙げられます。
木造アパートは鉄筋よりも防音性が劣ります。
生活音が下の階や隣の部屋に響いてしまうことは避けられません。
また、気密性があまりないため、冷暖房効率があまり高くありません。
冬は室内が冷えやすく、寒がりの方はツライかもしれません。
ただし、結露が起きにくいのでカビが発生しにくいというメリットもあります。
最後に耐震性ですが、これは新築でしたら問題ありません。
しかし、1981年6月1日より前に建てられたアパートですと、耐震補強を行っていない物件もあります。
もし中古でアパートの購入をお考えでしたら、この点については必ず確認しましょう。
このように、木造アパートにはメリットもデメリットもあります。
この両方を理解しておくことが大切です。
新築アパートには新技術が使われているかも?!
耐震性や耐火性は木造アパートのデメリットでもありますが、最近では木造建築物の耐震性や耐火性を高める工法も登場してきています。
この工法を使い、木造の商業施設も建設されています。
この商業施設は、2階から4階の建物を支える構造材に、12メートルの国産カラマツを使用しています。
この木材には特別な加工が施されているため、もし火事になって木材が燃えたとしても、火が自然に消える仕組みになっているのです。
このような新しい技術によって、木造建築は再度注目を集めています。
木造建築は、コンクリート造よりも省エネに貢献できますし、木の構造材はそのまま内装として使えばぬくもりのあるインテリアになります。
木造の建物は、環境にやさしい建物としてこれからの時代、さらに注目されていくことになるでしょう。
耐震性に関しては、パネル工法やツーバイフォー工法など、木材以外の材料と組み合わせて建築することにより、従来の木造アパートの弱点を克服することができます。
こうした工法を使って木造アパートを新築すれば、住民もより安心して暮らすことができますね。
続いて、木造アパートのデメリットのひとつである騒音問題についてお話します。
新築だったら音漏れしない?
木造アパートの音漏れがどの程度なのか、気になりますよね。
これは、新築アパートであれば大丈夫なのでしょうか。
もし、両隣の部屋と壁がくっついているのであれば、音漏れを避けることは難しいでしょう。
これは、新築であっても古いアパートであっても同じです。
しかし、木造アパートはどれも同じ、というわけではありません。
木造アパートの音漏れは、構造によって大きく左右されます。
遮音性能に大きく影響するのは、壁材や床材です。
その厚さに比例して遮音性能が高くなります。
ですので、コンクリートを壁や床に使用している鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションなどは遮音性が高いのです。
木造アパートの場合、床に構造用合板を使うことが多いため、やはり遮音性能が劣ります。
壁材は、構造用合板と石膏ボードが使われていますので、遮音性は高くありません。
しかし、石膏ボードを二重張りにすることや、隣の部屋との境界の壁に遮音材を入れることにより、遮音性を上げることができます。
さらに、床にも遮音材を使用すると、さらに遮音性が高まります。
古いアパートでは、このような遮音材を入れていないことが多いため、その点新築物件の方が配慮された物件が多いです。
この点では、新築の方が遮音性が高い可能性があるといえます。
新築するなら騒音対策をしておこう
新築で木造アパートの建築を検討されているのであれば、このような点に気を配ると住みやすく人気の物件になるかもしれません。
また、他の部分にも注意をすると良いでしょう。
先ほどもお伝えしましたが、やはり木造アパートは鉄骨鉄筋コンクリート造よりも遮音性が低いのが事実です。
近年では、サッシの遮音性も高まっています。
サッシを二重窓にすると外への音漏れを減らすことができます。
アパートで気になる騒音というと、水まわりの音が挙げられます。
例えば、パイプシャフトが居室に配管されていると、上の階でトイレやお風呂・洗濯機を使ったときに水の流れる音が響いて、気になってしまいます。
しかしパイプシャフトをユニットバスの近くに配置すると、あまり水音が気にならなくなります。
また、居室と隣の部屋のユニットバスが、壁を隔てて隣り合わせにならないような設計にすることが望ましいです。
居室とユニットバスが隣り合ってしまうと、隣人がユニットバスを使用している音が気になってしまいます。
また、こちらのユニットバス音が隣に響いていると思うと自分もストレスになりますよね。
ユニットバス同士が隣り合うような間取りにすると、この騒音を抑えることができます。
このような工夫で、木造アパートでも騒音対策をすることができます。
中古木造アパートにも魅力がある
新築のアパートは、設計からアパート建築に携わることができるため、オーナーのこだわりや遮音対策などの気遣いを反映させることができるのが魅力です。
しかし、中古の木造アパートにも魅力があります。
中古の賃貸アパートが増加傾向にある近年、古くても入居者が入るようなアパートになるよう努力しているオーナーもいらっしゃいます。
あえて中古の木造アパートを購入して、おしゃれなレトロモダン風にリノベーションしたり、DIY可として賃貸にしたり、いろいろな工夫をしています。
このような個性的なアパートは、新築のアパートと違った魅力があります。
DIY可のアパートは特に人気が高く、みんなと同じではなくオンリーワンを求める風潮が高まっていることを示しています。
また、古いアパートの雰囲気をあえて残したインテリアは、斬新で逆に新しささえ感じさせてくれます。
木造ならではの自然素材を活かせば、ナチュラル風なアパートに変身させることもできます。
このような個性的な木造アパートは、普段の生活でも個性を表現したいという方に人気を集めています。
100%防げなくても対策はできる
木造アパートにはデメリットもありますが、たくさんのメリットもあります。
アパートは集合住宅ですので、100%遮音することはできません。
しかし、対策することによって減らすことはできます。
住みやすいアパートであれば、入居者が自然と集まってきます。
アパートの経営では、そのような点に気を配るということも必要なことかもしれませんね。