証券会社で、銀行の普通預金と同じように利用されていたMRF。
当初は、金利が普通預金より高めの設定で、安全性も高いため、銀行にある余裕資金をMRFに移す人も多くいました。
しかし、日銀の金融政策によりMRFの金利はほとんどつかなくなってしまいました。
われわれは今後、どのような金融商品に期待すべきなのでしょうか。
ここでは、MRFに代わる各金融商品を比較していきます。
MRF金利が期待できない現代!資産形成の重要性
各証券会社で取り扱っているMRFの金利を比較してみても、どこもほとんど金利はつかなくなってしまいました。
中には、MRFの取り扱いを中止した証券会社もあるほどです。
数年前だと考えられない現象ですよね。
少子化が進む現代において、将来受け取るはずの年金も、もしかしたら受け取れないなどという可能性もゼロではありません。
そのようなことを考えると、自らが動いて、将来のために計画的に資産形成を行うべきとも言えるでしょう。
それでは、いったいどのようにして資産形成を行うといいのでしょうか。
MRFと同様、銀行の普通預金口座も金利はほとんどつきません。
そのため、すぐ使う予定のない資金は利息などが多少期待できる金融商品に移すことをおすすめいたします。
他と比較して金利が低いMRFに代わる金融商品とは?
MRFに資金を保管していてもほとんど金利はつかなくなってしまいました。
それでは、MRFに代わる金融商品はどのようなものがあるでしょうか。
MRFは、短期的な安全性の高い債券で運用される「投資信託」です。
そのため、元本割れを起こしたことがないものの、元本割れのリスクがないわけではありません。
どうしても元本割れを避けたいということであれば、銀行の預金口座に入れるしかありません。
しかし、それもペイオフ制度により、元金1,000万円までとその利息しか保証はされません。
さらに、他の金融商品と比較して金利は低くなります。
基本的に、安全性の高い金融商品ほど金利が低く、安全性が低い金融商品ほど金利が高くなります。
そのため、将来の資産形成のために少しでも資金を増やしたいなら、預金以外の金融商品をおすすめします。
MRFに代わる金融商品を比較①債券
それでは、具体的に金融商品をご紹介していきましょう。
まずは、金融商品の中でも比較的安全性の高い「債券」についてご説明します。
債券はあらかじめ発行時に満期が定められており、満期までの間は利息を受け取ることができる商品です。
途中で売却することも可能です。
(その場合の債券価格は時価となります。)
債券には、「国債」「地方債」「社債」などの種類があります。
それぞれ、元本と設定金利については債券の発行元が保証することになっています。
「日本国債」であれば日本政府、「地方債」であればその自治体、「社債」であればその企業が保証します。
つまり、それぞれの発行元が破綻すると、元本が全額返還されることは難しいということになります。
さらに、債券は「円貨建て」や「外貨建て」のものがあります。
円貨建ては「円」で取引するもののことを言い、外貨建ては「外貨」で取引するもののことを言います。
円建てのものは関係ありませんが、外貨建てのものは為替の影響を受けます。
安全性が高いと言われる債券でも、発行元の信用度が低く、さらに外貨建ての商品であると、それ相応のリスクが伴うということになります。
しかし、日本国債は日本政府が保証し、円貨建てです。
つまり、為替の影響を受けることもなく、日本がつぶれないかぎりは元金は戻ってくるということになります。
日本がつぶれるというのは、なかなか想像つかないものでもありますよね。
債券の発行元の信用度をチェックして、国債をはじめ、MRFより金利のいい債券に投資してみるというのはいかがでしょうか。
MRFに代わる金融商品を比較②投資信託
MRFに代わる金融商品として、次に「投資信託」をご説明いたしましょう。
MRFも投資信託の一つで、短期的な安全性の高い債券に投資して運用されているものです。
安全性が高い反面、金利が低いのが特徴ですよね。
投資信託は株式や債券などと違い、専門のファンドマネジャーが投資先を決めて運用するものなので、「投資初心者」にはおすすめの金融商品でもあります。
投資信託は、株式に投資する「株式投資信託」、社債に投資する「公社債投資信託」に大きく分かれます。
株式投資信託は主に株式に投資して運用するので、元本割れしてしまうリスクが伴います。
その代わり、投資している銘柄の株価が上昇した際は利益を多く受け取れるという特徴があります。
反対に、公社債投資信託は主に公社債(国債や地方債、社債など)に投資して運用するので、元本割れのリスクが株式のものと比較して低く、金利もその分低いというのが特徴です。
今ある資金が余裕資金で、かつ長期的に見ることができるというのであれば、株式投資信託でもいいかもしれません。
しかし、リスクはあまり取りたくないということであれば、公社債投資信託に投資する方がいいでしょう。
金利が期待できないMRF資金は積立投資もおすすめ
受け取り金利に期待ができないMRFの資金を債券や投資信託に投資するのもいいですが、将来の資産形成には毎月一定額を積み立てていく「積立投資」もおすすめです。
会社勤めの方であれば「財形貯蓄」をされたことがある方も多いかもしれませんが、積立投資はその財形貯蓄と似たようなものです。
財形貯蓄であれば、決まった金額を毎月給与天引きで積み立てていきます。
積立投資は、決まった金額内で金融商品を買い付けていくというものです。
つまり、投資する金融商品の価格が高い場合はその分口数は少なく、価格が低い場合はその分口数を多く買い付けるという仕組みとなります。
ですから、買付単価も平均化され、リスクを分散することができるというのも積立投資のポイントです。
将来の資産形成のために、リスク分散しつつ金融商品に投資したいということであれば、他の投資方法と比較しても積立投資はおすすめです。
将来の資産形成のためには分散投資が大切!
ここまで、金利が低くなってしまったMRFに代わる金融商品を比較してきましたが、気になる商品はありましたか。
最後に、将来の資産形成のために大切なことについて述べていきます。
まず、将来のための資産を一つの金融商品に絞って投資するのはやめましょう。
なぜかと言いますと、万が一その金融商品に何か起こった時に、すべてを失ってしまう可能性をはらんでいるからです。
金融商品投資の原則は「分散投資」です。
リスク分散のために、複数の金融商品に投資することをおすすめいたします。
また、投資しようと思っている資金が長期的に見られるものであれば、多少リスクがある、金利のいい商品に分散投資することも一つの方法です。
長期的に運用して得られた利益分を、さらに運用に回すこともできます。
将来の資産形成のためには、投資の運用結果に一喜一憂せず、じっくりと腰を据えて投資していきましょう。
将来の資産形成のために金融商品へ投資してみよう!
経済情勢が不透明な現代、自分自身の将来のための資産をしっかりと確保してくことが課題となってきています。
これからは、将来の生活資金について自己責任の時代となるかもしれません。
自分自身や家族のために、金利がほとんどつかなくなってしまったMRFに資金を置いたままにしておかず、ここでご紹介した金融商品に投資することを検討してみてはいかがでしょうか。