外資銀行で外貨預金!特徴や日本支店を出している銀行は?

超低金利時代の今、定期預金での利息はほぼ無いに等しい状態となっています。

そんなときに、外貨での資産保有を考える方もいるのではないでしょうか。

ここでは、外資銀行についてご紹介します。

口座開設が出来るかどうか、日本支店があるのかなどもみていきましょう。

外資銀行には種類がある

一口に外資銀行と言っても、その業務の内容は各行によって異なります。

業務の形態によって外資銀行は大きく3つの種類に分けられます。

〇商業銀行

Merchant BankやCommercial Bankなどと呼ばれます。

間接金融の中心的存在で、最も一般的なタイプの銀行と言えます。

個人投資家などからも資金を集め、企業等に融資し、利息の差などから利益を出しています。

日本の多くの銀行は、この商業銀行と同じようなスタイルです。

海外の銀行では、日本ほど制限が厳しくないため、証券業務や自己勘定部門での運用などを行っている銀行も少なくありません。

日本支店のある商業銀行も多くあります。

〇投資銀行

Investment Bankと呼ばれ、日本でいうところの証券会社です。

企業のみならず政府や公共機関なども対象に、債券・株の発行を引き受け販売するフィービジネスやコンサルティングなどが主な業務となっています。

業務の内容としては、証券会社の法人部門のようなことをしています。

ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなども、この投資銀行にあたります。

〇ユニバーサルバンク

商業銀行と投資銀行の両方の性質を兼ね備えている銀行を指します。

ヨーロッパ・香港・シンガポールなどでは、このスタイルの銀行が一般的です。

シティバンクなどが、このユニバーサルバンクにあたります。

投資銀行では個人向けの業務は行わないため、個人向け海外口座の多くはユニバーサルバンクです。

外資銀行に口座を作るのは難しくなっている

最近では、日本人が日本で外資銀行の口座を作るというのは難しくなっているようです。

日本支店もある大手銀行HSBCなどでは、日本人であるというだけで簡単に口座が開けるということも以前はありました。

しかし、HSBCやバークレイズなどの大手銀行が、マネーロンダリングや犯罪資金を送金するために利用されていたことが明らかになりました。

そのような事態を受けて、国際的に非居住者への口座開設のハードルがかなり上がりました。

非居住者が口座を開設する場合には、身元確認が厳しくなり、口座開設の目的も明確化させなければなりません。

また、OECDが定めた共通報告基準というものに基づいて、各国が自国の金融機関内の情報を交換するようになりました。

対象は他の加盟国に住んでいる人の情報です。

この情報を交換する理由としては、多くの国が属地主義と呼ばれる徴税方法を採用しているためです。

その人の国籍ではなく、住んでいる国で課税される方式です。

日本も2018年から、この共通報告基準に参加しているため新たな口座開設には届出書が必要となり、虚偽の申告をした場合には懲役や罰金が科されることもあるのです。

そもそも外資銀行に口座を持つ理由とは?

富裕層を中心に、外資銀行に口座を持つ方も多いと思いますが、海外口座を持つメリットにはどんなことがあるのでしょうか。

まず挙げられるのが、リスクを分散するためです。

現在の日本は、税収よりも国債発行額が上回っており、深刻な財政状況となっています。

万一、国家が破綻した場合は、通貨が暴落しハイパーインフレとなってしまうことが考えられます。

そのため、資産の一部を外資銀行へ移しておくのです。

また、日本の銀行よりも金利が高いのが外資銀行の魅力です。

日本支店もあるような大手外資銀行の定期預金の場合、ユーロや米ドルは年利4パーセント、ニュージーランドドルでは年利8パーセントの高金利となる銀行もあります。

さらに、投資信託などに関しては年利が10パーセントになることもある上に、魅力的な金融商品も数多くあるのです。

余裕資金がある方は、リスク分散と金利を目的に、海外口座を持つという選択肢を考えてみるのはいかがでしょうか。

日本支店のある外資銀行①アメリカ

ここからは、日本支店がある外資銀行を地域別にみていきます。

まず、アメリカについてですが、基本的にアメリカの居住者でないとアメリカの銀行に口座を持つことは出来ません。

日本に居ながら口座を開設出来るのは、「ユニオンバンク」のみです。

申し込み用紙の枚数が多かったり、口座開設までに時間がかかるため多少の大変さはあるようですが、開設自体は簡単です。

三菱UFJ銀行の口座を持っていることが条件になりますので、まずはそちらの開設から行いましょう。

また、個人業務からは撤退してしましましたが、「シティグループ」や「バンク・オブ・アメリカ」も日本支店がある外資銀行です。

シティグループは、2014年までは個人向けの業務を全国の店舗網で展開していました。

日本で最も知られた外資銀行の一つと言えます。

現在は法人や、投資機関向けの業務を取り扱っています。

日本においては、「シティグループ証券」と「シティバンクエヌ・エイ東京支店」を軸に展開しています。

日本支店のある外資銀行②ヨーロッパ

日本支店があるヨーロッパの外資銀行としては、「BNPパリバ」「ドイツ銀行」「クレディ・スイス」などがあります。

「BNPパリバ」は、2000年にパリ国立銀行とパリバが合併して誕生したフランスの金融機関です。

法人向けコーポレートバンキング・投資銀行業務は、BNPパリバ証券とBNPパリバ銀行東京支店が担っています。

また、日本支店から日本法人化したのが、保険業務のカーディフ生命保険とカーディフ損害保険です。

「ドイツ銀行」の日本においての業務は、証券・投資銀行、コーポレートバンキング、資産運用と多岐に渡ります。

ドイツ銀行東京支店、ドイチェ・アセット・マネジメント、ドイチェ信託、ドイツ証券の4法人が軸となっています。

ドイツ銀行は、日本の大型M&Aにも関わりがあり、ソフトバンクとの関係が強いようです。

「クレディ・スイス」は2006年にクレディ・スイス証券が日本法人化しています。

2009年からはプライベートバンキングの取り扱いを開始しています。

ただし、口座を開設出来るのは資産が10億円以上からとなっています。

顧客には経営者が少なくなく、M&Aのサポート業務なども行っています。

日本支店のある外資銀行③アジア

アジアで最も活発な金融市場と言えば香港です。

オフショア地域としても有名で、日本人も口座開設を行う人が数多くいました。

世界有数の外資銀行である「HSBC(香港上海銀行)」が有名です。

発祥こそ香港ですが、現在の拠点はロンドンとなっています。

HSBCは銀行、証券、資産運用が主軸の業務を行っています。

日本支店としては、香港上海銀行が東京と大阪に支店、HSBC証券は東京支店、HSBC投信は日本法人として拠点を置いています。

HSCBはプライベートバンキングからは、2012年に撤退していて、6店舗あった日本支店が閉鎖されました。

また、オフショア地域として有名なのはシンガポールですね。

以前は、シンガポールで簡単に口座開設出来ていましたが、居住者でない場合の開設のハードルが上がりました。

地元の銀行に口座開設したい場合は、直接現地に行くことが必要なようです。

外資銀行の規制は厳しい

冒頭でもお伝えしたように、外資銀行での口座開設のハードルは上がっています。

相当な資金と、明確な目的が無いと口座開設は難しいようです。

また、大手の外資銀行の多くは個人業務を取り扱っておらず、法人向けに日本支店が設置されています。

個人として海外口座を持ちたい場合には、やはり現地で開設するのが良いでしょう。