銀行の普通預金口座と似たような、証券口座の資金の受け皿である「MRF」。
そのMRFの金利がついに0%となってしまいました。
当初、普通預金の金利より高かったMRFの金利が0%となる現代、私たちはいったいどのような金融商品を買ったらいいのでしょうか。
そもそもMRFとは?
MRFとは、money reserve fund(マネー・リザーブ・ファンド)の略です。
短期の債券で運用されている、換金性や流動性が高い投資信託のことをさします。
投資信託なので元本の保証はありませんが、これまで一度も元本割れを起こしたことがありません。
そのため、MRFは証券会社で資金の受け皿として、銀行の普通預金と同じような使い方をされています。
少し前までは、MRFの金利は普通預金よりわずかに高いものでした。
しかし、ここ最近でそのMRFの金利は0%になってしまったのです。
金利が0%なのに元本の保証がないなら、誰でも1,000万円までは保護してくれる銀行の普通預金の方がいいですよね。
このようなことから、証券会社の資金の受け皿であったはずのMRFの取り扱いを終了した証券会社もあるほどです。
ひと昔前まではMRFの金利が0%になるとは想像できないことでした。
しかし、実際に今はMRFの金利が0%になるほどの時代です。
そこで、このような時代にはどのような金融商品がおすすめなのでしょうか。
金利0%のMRFに資金放置はもったいない!
MRFの金利が0%なのに、そのまま資金を放置しておくのはもったいないです。
それだったら、銀行の普通預金に預ける方がまだましです。
しかし、そうは言っても銀行の普通預金口座の金利も微々たるものですよね。
そこで、何か他の金融商品に投資をしてみることをおすすめします。
これからの時代いつどうなるかわからないですから、自分の資産は自分で守り、かつ、将来のためにも増やしていきたいものですね。
昨今では、実にさまざまな金融商品が誕生しています。
ですから、自分の資産や将来設計、はたまた、自分の性格なども考慮して商品を選ぶといいでしょう。
最近始まった制度も踏まえて考えると、株式投資・個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」・つみたてNISAなどがおすすめです。
それでは、それぞれの商品についてさらに詳しく解説していきましょう。
金利0%のMRFの資金活用法①株式投資
株式投資は、誰でもざっくりはわかりますよね。
株式投資は、ある企業に資金を出して、その代わりに株を受け取れるというものです。
自分でしっかりとその企業の業績などをチェックして投資をし、その企業が予想通りに成長して株価も同時に上昇したらとても嬉しいものです。
また、株価が上がったときに得られる利幅は金利が0%のMRFとは比べ物にならないほどです。
さらに、株式投資には配当金や株主優待制度というメリットもあります。
配当金とは、企業の業績がよかったときなどに株主に分配されるお金です。
銘柄によっては、配当利回りがなんと7%を超える場合もあるのです。
また、株主優待制度とはその企業の商品や優待券、割引チケットなどがもらえる制度のことです。
普段利用しているレストランや鉄道会社などの株主優待を受けられると考えたら、とてもお得ですよね。
しかし、いいことばかりのように思える反面、株式投資は株価が値下がりしたときの損失はとても大きくなりやすいです。
もちろん元本の保証もありません。
ですから、株式に投資をする際はそのリスクを十分に把握したうえで慎重に行わなくてはなりません。
金利0%のMRFの資金活用法②個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」
株式投資はだいたいわかってはいるものの、個人型確定拠出年金とはどんなものだろうと思われている方も多いでしょう。
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは、20歳以上であれば誰でもできる自分自身で作る年金の制度のことをさします。
将来年金を受け取ることができる年齢に到達したときに、現在の日本の年金制度では本当に年金を満額を受け取れるのか不透明ですよね。
iDeCoは、その将来の老後資金をしっかりと確保するために、自分自身で年金を作ろうという制度なのです。
また、iDeCoは国が後押ししていることもあるので、税金面でかなり優遇されています。
具体的には、年金積み立てする際の掛け金が全額所得控除、運用の際に出た利益は非課税、年金受け取り時の公的年金等の控除や退職所得控除の対象です。
ただし、iDeCoでの掛け金拠出や年金を受け取る際には、そのたびに手数料が発生します。
さらに、iDeCoの掛け金の最低額は5,000円からとなりますので、少々負担が大きいという面も持ち合わせているでしょう。
また、iDeCoは原則、途中で換金することができないという点もあります。
iDeCoに関して簡単にご説明しましたが、金利が0%のMRFと比較すると、そのままMRFに置きっぱなしよりはいいですよね。
金利0%のMRFの資金活用法③つみたてNISA
最近よく耳にすることも多いつみたてNISAですが、内容についてはご存知ないという方も多いことでしょう。
つみたてNISAとは、長期的な積み立てや分散投資を目的とする一部の投資信託やETFを投資先とし、それで出た利益や分配金が非課税になるという制度のことをいいます。
しかも、つみたてNISAで購入した商品は、最長で20年税金がかかりません。
また、投資した商品はいつでも換金することが可能です。
このことから、iDeCoは老後のための年金対策であることに対して、つみたてNISAは将来のための資産づくりともいえますね。
つみたてNISAで購入できる商品は、金融庁お墨付きの商品のみと限られています。
ですから、投資にそこまで詳しい方ではなくても、比較的安心して商品を選ぶことができるのです。
そして、つみたてNISAは少額から投資することが可能です。
証券会社によってはなんと100円から始めることもできるのです。
これを考えると、つみたてNISAは誰にでも始めやすいものだといえますね。
もしも、金利が0%のMRFに資金をプールしているだけならば、つみたてNISAを検討してみるのもおすすめです。
世代で商品選択が異なる?
さまざまある金融商品の中から、いったいどのような商品を選べばいいのか難しいものです。
投資はあくまでも自己責任なので、選んだ商品で失敗したとしても誰のことを責めることもできません。
ですから、なるべくいい選択をしたいものですよね。
MRFに置きっぱなしの資金を何かに投資しようと考えるとき、意外かもしれませんが「年齢」を気にして商品選択をするようにしましょう。
20代までの若い世代であれば、株式投資などのリスク・リターンが大きい金融商品に投資するといいでしょう。
万が一投資に失敗したとしても、年齢が若ければその後に取り返す機会は出てきます。
30代~40代の働き盛りの世代であれば、仕事だけではなく私生活にも変化が生じる時期です。
結婚して家族が増えれば、マイホームや教育にお金がかかりますよね。
そのような世代には、つみたてNISAのような金融商品が適しているのではないでしょうか。
50代以上の退職後の生活が間近になっている世代であれば、リスク・リターンの大きい金融商品はなるべく避けたいものです。
ですから、株式投資などは避けて安全性を一番に考えた投資をするといいでしょう。
とはいっても、金利0%のMRFに預けていても資産が増えることはないですから、比較的安全性がある商品に投資するといいでしょう。
MRFに資金プールはもったいない!
金利が0%になってしまったMRFに、資金をそのまま置いておくのはもったいないです。
それならば、ここでご紹介した株式投資・iDeCo・つみたてNISAなどの金融商品を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、あなたの年齢によっても選ぶべき商品は異なります。
現在の年齢や生活環境なども踏まえて、適した商品を選ぶようにしてくださいね。