近年地上波放送以外のテレビコンテンツが注目を集めています。
海外サッカーやテニスなど、地上波では見られないコンテンツがあるのがbs放送の魅力ですよね。
しかしアンテナの設置など、アパートでやって良いのかなど、分からないことも多いと思います。
今回はbs放送の解説と、bs放送をアパートでも見る方法を解説いたします。
そもそもbs放送って何?
bs放送をアパートで見る方法を知る前に、まずbs放送とは何なのかについてご解説いたします。
最近のテレビのリモコンを見ると、よほど古いものではない限り放送形式には5つのボタンがあることと思います。
・アナログ放送
・地上デジタル
・ケーブルテレビ
・bs
・cs
それぞれについて解説いたします。
「アナログ放送」は日本にテレビが導入され始めた頃の電波受信方式のことです。
現在はアナログ放送が終了しているため、この項目のないテレビリモコンも増えています。
「地上デジタル」、略して「地デジ」は、アナログ放送の電波がデジタル化したもので、アナログ放送よりも高画質の映像が可能になりました。
アナログ放送も地上デジタル放送も「地上波放送」です
通常の地上波放送は、テレビ局の電波を地上の中継所(電波塔など)から中継、拡散して各家庭に電波を届け、テレビが映ります。
アナログ放送とデジタル放送は、電波の受信方法は同じですが、受信する電波の様式に違いがあります。
「ケーブルテレビ」はアンテナを必要とせず、線で直接放送を受信する形式のテレビ放送です。
家庭用電気を電柱から引いたり、電話線を引いて相手の声を受信するというものと同じ仕組みです。
ではbs放送は、これらとは何が違うのでしょうか。
「bs」とは「Broadcasting Satellite」の略で、和訳すると「放送衛星」です。
一昔前で言う「衛星放送」のことだとお考えください。
bs放送は宇宙にある放送衛星に電波を流して拡散させ、テレビを放送します。
電波の拡散施設が地上にある地上波放送に対し、衛星にあるので「衛星放送」です。
bs放送とcs放送って見る方法が違う?アパートでも視聴できる?
前の章で地上波放送とbs放送の違いはご理解いただけたでしょうか。
ではもうひとつの放送形式、「cs放送」をbs放送と比較していきます。
「cs」とは「Communications Satellite」の略で、和訳すると「通信衛星」です。
ご覧のとおり、cs放送も衛星放送です。
では何故このふたつが区別されているのでしょうか、
これはかつて放送法でふたつの衛星の役割が分かれていたためです。
bsは元々放送を目的に作られた衛星で、csは企業などの通信を目的に作られた衛星でした。
ですが放送法が後に改正され、csでも放送目的の電波を送ることをしてもよいことになりました。
bsとcsはどちらも宇宙から送られる電波を受信するアンテナが必要です
かつてはどちらも別々の規格での受信だったのですが、現在はひとつのアンテナで両方の電波を受信できるようになっています。
そのため、bs放送とcs放送の違いとは、受信する衛星の違いであり、見る方法は基本的に同じです。
昔の規定で区別されていますが、現在視聴者側から見ればそれほどの違いは感じないでしょう。
アンテナをつければアパートでも見られるようになります。
bs放送を見る方法は「無料視聴」と「有料視聴」がある
bs放送とcs放送はどちらも衛星放送です。
見る方法は自宅でもアパートでも、対応するアンテナを設置しなければなりません。
これだけの説明だとこのふたつを分ける必要があるのか、と思うかもしれません。
しかし受信形式が同じでも、このふたつは契約のやり方や放送内容が異なります。
bs放送は地上波放送を行う各テレビ局も行っています。
それらのテレビ局は画質の向上など、主にテレビのクオリティ重視で番組を作成しているところが多いです。
逆にcs放送の場合は、多彩な番組を選べるコンテンツの豊富さで地上波やbs放送に対抗していると言えます。
この背景にはcs放送が全てのチャンネルで有料であることが理由として挙げられます。
bs放送は地上波のテレビ局が行っているチャンネルなど、一部のチャンネルはアンテナさえあれば無料で視聴できます。
bs放送も一部は有料なのですが、放送の質を高めていき、視聴者に高画質の番組を提供することが重要視されます。
それに対しcs放送は、有料であるためにそのコンテンツを選んでもらえるよう、エンターテインメント性を重視した番組作りが重要視されています。
有料のbs放送は一戸建てもアパートも契約料は変わらない
前の章で説明しましたが、bsは無料で視聴できるチャンネルもありますが、有料で特定のチャンネルを見る方法もあります
bsの有料放送はどのように見ればよいのでしょうか。
bs放送にも有料のコンテンツが存在し、それが以下の3つです。
・NHK
・WOWOW
・スターチャンネル
NHKは元々放送受信料を徴収されるため、テレビを持っている家庭は地上波でも有料です。
しかしNHKのbs放送に契約すると、別途放送受信料がかかります。
2018年現在のNHKの放送受信料コースは、地上デジタルのみの視聴と、地上デジタル+bsセットの契約があります。
両者の放送受信料は以下のようになっています(支払いが口座振替の場合)。
2ヶ月:2,520円/4,460円
6ヶ月:7,190円/12,730円
12ヶ月:13,990円/24,770円
bs放送を契約すると、受信料は約2倍になると考えてよいでしょう。
継続的に視聴予定の方は、半年、1年の一括払い制度があり、そちらは少しお得ですので検討してみたらいかがでしょうか。
そしてご存知の通り、NHKはbs放送のみの契約はできません。
放送法で、NHKの電波を受信し番組を見られる設備を所有していれば、日本国民はNHKの受信料を払う義務があるとされているためです。
当然bsの放送を受信できれば、地上波のNHKをみるためのテレビがあるので、地上波分の受信料も請求されるのです。
映画や音楽、スポーツなどエンターテインメントコンテンツが豊富なWOWOWは新規加入月は無料です。
その翌月から視聴料は毎月2,300円(税込2,484円)です。
映画専門チャンネルのスターチャンネルも基本料はWOWOWと同額です。
どの放送もインターネットのように一戸建てやアパートで契約料が変更することはありません。
bs放送を受信してもこの3つの加入は任意ですが、確認してみてはいかがでしょうか。
bs放送を見る前にアパートに住む方が確認すべきこと
いよいよbs放送を見るための準備をしたいと思います。
bs放送を見る方法は、アンテナの設置です。
しかしアパートの居住者の場合は個人でそれをやる前に確認しておきたいことがあります。
「そのアパートは元々bs、csに対応しているかどうか」ということです。
集合住宅の場合、屋上に衛星放送の受信アンテナがあり、個人でアンテナを設置しなくても見られるということも多いです。
まずはそれを確認してみましょう。
大家さんや契約した不動産屋さんに聞くか、契約書に記載されていることもあります。
ちなみにテレビの「地デジ放送」に刺さっている端子を抜き「bs、cs放送」側の端子に繋いでbs放送が見れるか確認する手もあります。
端子をbs対応のほうに繋いでもbsが視聴できなければ、アパートはbs非対応の可能性が高いです。
確認した後、自分のアパートがbs、csに対応していることが分かったら、実際にリモコンでbs放送を選択してみましょう。
これで無料チャンネルが視聴できれば問題ありません。
しかしbsに対応しているアパートなのに視聴が出来ない場合があります。
この時、bs放送が見られない理由は、分波器、分配器がないから、という可能性があります。
アパートやマンションなどの集合住宅では、1本のケーブルに地上デジタル放送の信号とbs放送の信号がいっぺんに配信されています。
この混合された信号データを地デジ信号とbs信号に分ける必要があるのです。
その役割を担うのが分波器です。
電気屋さんに行けば1,000円以下で売っている部品ですので、手に入れるのも難しくありません。
ふたつの端子を分波器に通してテレビに繋ぐだけですので処理も簡単です。
アパートがbs非対応の時、bsを見る方法は?
前の章では、アパートが元々bsに対応していた場合のbs放送を見る方法をご紹介しました。
では、アパートがbsに非対応だった場合はどのようにbsを視聴すればよいのでしょうか。
方法は3つあります。
ひとつは自分でアンテナを取り付けることです。
アンテナ自体の値段は5,000円~10,000円程度です。
取り付けも自分で行うことが可能です。
ただし自分で付ける場合、bsアンテナは、受信にある程度特定の角度調整が必要なので、設置した後に映るかを確認しましょう。
電気屋さんが出張取り付けをしてくれる場合もありますので、そちらも検討しましょう。
出張取り付けの工事相場は10,000~20,000円程度です。
ふたつめは、ケーブルでbs放送を受信する方法です。
ケーブルテレビで視聴する場合、ケーブルを通す工事が必要になります。
こちらの費用は20,000円程度です。
アンテナ設置にせよ、ケーブルテレビで視聴するにせよ、借りている物件に何かを設置する以上、大家さんへの許可は事前に取りましょう。
許可を取らないで勝手に工事で部屋に穴を空けたなどということになると、契約違反や賃貸規約違反など後のトラブルの元になります。
自分の判断だけでアンテナ取り付けやケーブルテレビ契約はやめましょう。
最後のひとつは「フレッツ光」のサービス「フレッツテレビ」に申し込むことです。
こちらはフレッツ光に申し込んでいるユーザーなら、2018年現在基本料660円で基本のbs放送が視聴可能になります。
ここで落とし穴ですが、ケーブルテレビやフレッツテレビでbs放送を視聴する場合、NHKのbs受信料はケーブルテレビなどの月額契約料の中に含まれていません。
なので視聴のための契約とは別にNHKと契約しなければなりませんので注意が必要です。
いずれにせよ、bsに非対応のアパートでbs放送を見るのは、多少の出費が必要ということですね。
アパートがbsに対応しているか確認してみよう!
現在住んでいる部屋でbsが見れていない方も、実はその部屋がbs放送に対応しているという場合もあります。
無料で受けられるサービスもありますので、お手すきの際に一度テレビを調べてみてはいかがでしょうか。
bsに非対応のアパートでも見る方法はいくつかありますが、その場合は大家さんなど、電波受信のための許可を取るようにしましょう。