投資にご興味のあるかたは、為替市場に休みがあるのか気になりますよね。
いったい、いつが休みになるのでしょうか。
1週間の為替の動きを解説していきます。
また、休みに入るときに気を付けたいことも、併せてご覧ください。
古い歴史がある為替
はじめに、為替の基本からおさらいしてみましょう。
実は為替を紐解くと、古い歴史が見えてきます。
日本において為替は、江戸時代に発達していったといわれています。
当時、江戸の商人が大坂の商人に直接お金を届けるには、危険を伴うものでした。
そのため、江戸の商人は考え、両替商を介して代金を支払うことを考えたのです。
代金を支払うと為替手形が発行され、大阪の商人に手渡されます。
大阪の商人は、指定された両替商に受け取った為替手形を渡し、代金を受け取るといった仕組みです。
このように、現金を持たずとも、資金の移動や代金の受払いが為替によって行われたのです。
現代はインターネットが発達し、銀行が休みでも自宅から振り込みができるなどの、便利な世の中になりました。
現在も現金を直接渡したり、送ったりする機会も少なくなりましたよね。
そして、私たちの生活に近い振り込みや口座の振替も、実は為替取引の部類で、内国為替と呼ばれています。
外国為替ってなに?
国境を越えた通貨の取引を、外国為替取引といいます。
物の輸出入や海外不動産への投資など、国際的な取引をする場合は、外国為替を利用するのです。
こうした取引を行うのであれば、どの通貨で金銭の受払いをするのかを決めていきましょう。
そして、自国通貨とは異なる場合は通貨を交換する必要があります。
この通貨の交換をすることが、外国為替の特徴です。
通貨の交換をする市場を外国為替市場、通貨の交換比率のことを為替レート、または外国為替相場といいます。
日本円で米ドルを購入する場合、為替レートを見ます。
仮に、1ドル100円であるとすれば、手数料等を除き100円で1米ドルを購入できるのです。
また、円の価値が下がることを円安(えんやす)といい、逆に高くなることを円高(えんだか)といいます。
昨日まで100円で1米ドルを購入できていても、1円の円安になれば101円出さないと米ドルは購入できないのです。
逆に円高であれば、安く米ドルを円で購入できることになります。
では、為替市場はどこに存在しているのでしょうか。
また、休みはあるのでしょうか。
為替相場は休みなく動いている
先ほどお話したとおり、外国為替の取引きは外国為替市場で行われています。
市場というと建物があったり、どこかの場所をイメージしますよね。
しかし、為替市場は売り手と買い手との取引です。
1対1で取引までの条件や精算を行う、相対取引なのです。
ニュースで聞く、ニューヨーク外国為替市場や東京外国為替市場と呼ばれているのは、取引が集中している都市の名前を取っているだけで、世界各国のあらゆる場所で為替取引は行われています。
また、24時間動いているのです。
外国為替取引は、さまざまな銀行や証券会社などが参入していて、市場は2つあります。
ひとつは銀行同士で行われるインターバンク市場です。
そして、もうひとつは一般企業や個人などと銀行が取引をする、対顧客市場です。
メディアなどで発信している「本日の外国為替市場」とは、一般的には銀行と銀行での為替取引のことをいいます。
世界での取引のなかで一番早く動くのは、日本で朝5時にあたるニュージーランドのウェリントン市場です。
続いて、シドニー、東京、シンガポール、ドバイ、フランクフルト、ロンドンと、取引の核が移っていきます。
このように、24時間休みなく取引は行われていますが、各国共通して朝の9時ごろから夕方の5時までが最も活発になる時間帯です。
外国為替市場は、世界中に広がる市場といえますね。
土日は市場が休み?時季で気を付けたい為替の取引き時間
24時間休みなく取引は行われているお話しましたが、実際には市場に休みはあります。
市場が動いてるのは、各国共通して月曜日から金曜日までです。
一週間で為替の取引きを見てみると、土日は休みになります。
しかし、中東の一部の地域では、宗教上の関係で休みが金曜日と土曜日になるため、日曜日に取引が若干ありますが、大きな変動がなければ影響をもたらすことは稀です。
日本からの為替取引は時差が生じるため、分かりにくいですよね。
では、1週間の為替市場を見てみましょう。
為替市場がオープンする月曜日、ウエリントン市場から動き出します。
そして各国に少しずつオープンしはじめて、1日の終わりはニューヨーク市場です。
日本時間でいうと、翌日の朝6時にあたります。
この時間は、すでにウエリントン市場はオープンしているため、実質24時間為替の動きが見れるというわけなのです。
金曜日(実際には翌日にあたる土曜日午前6時頃)になると、ニューヨーク市場が閉まり、ウィンストン市場が開くまで全て休みとなります。
ここで注意していただきたいのことがあります。
それは、取引先の国の時季です。
日本・香港・シンガポールは取引時間に違いは生じませんが、アメリカ・ニュージーランド・オーストラリア・中東・イギリスなどは、時季によって為替の取引き時間が変わってきます。
例として、アメリカの為替市場の取引時間を見てみましょう。
●4月から10月 日本時間の22時から翌日の6時
●11月から3月 日本時間の23時から翌日の7時
です。
土日以外にも休みがある!
月曜日から金曜日まで動いている為替市場。
土曜日と日曜日のほかにも、祝日という休みがありますよね。
しかし、日本で祝日であっても為替市場は動いていて、取引も可能です。
株取引とは違う部分でもあり、為替市場の特徴ともいえますね。
土日のほかに休みがあるのですが、どんなときだと思いますか?
答えは、クリスマスと元旦です。
クリスマスであればアジア時間でいう昼間は取引ができますが、日本時間でいう夕方の4時頃から翌朝までは市場はストップします。
元旦については少し難しいのですが、ニューヨーク時刻の夕方5時の大晦日に取引が終わります。
日本時間でいうと元旦の朝まで取引が可能です。
そのため、新年のスタートをきるのは1月2日の朝からとなります。
為替の休み前に気を付けたいこと
では、為替の取引きが休みになるときに、気を付けていただきたいポイントをお話しします。
そのポイントとは、1週間の終値(金曜日)と、始値(月曜日)が大きく変動するということです。
土日にポジションを持ったままで取引を終わらせると、利益が大きくなる半面、損するリスクも高くなります。
平日であっても大暴落したり、ロスカットということもあるぐらいですがら、土日の休みを挟むときには注意していきたいポイントです。
少額でできる投資としてFXが人気を集めていますが、土曜日も日曜日も取引ができる方法があります。
その方法は、FX会社が土日の市場を仲介していれば可能になります。
取引きをする会社や業者の特徴を知ることも、実は重要なことです。
なぜなら、取引ができる時間帯は各会社で共通しているわけではないからです。
また、メンテナンスを行う時間帯にも注意しましょう。
そして、事前に金曜日の取引き時間にエントリーした場合、エントリーも約定もできる時間帯もあれば、エントリーはできても約定は月曜日になる時間帯などもあります。
大切なことなので、業者に確認してみましょう。
休みに入るときの見極め
為替市場は土曜日と日曜日、そしてクリスマスと元旦が休みです。
為替取引は、利益や損失が出る前の状態のまま市場が休みに入ると、大きく利益を上げるかもしれない反面、大きな損失を被る可能性があります。
休みに入るときには十分に注意するようにしましょう。
そして、為替の動きからリスクヘッジすることが大切です。