賃貸経営をしていくうえで、通信設備については悩むことが多いと思います。
bs・cs対応にするために、bsアンテナを設置しようとしたくても、障害物が気になって設置するのをためらっている場合もあることでしょう。
その問題は、アンテナの方向や場所、日光の当たり方を意識すれば解決できることがあります。
その他の通信設備についての考察とあわせて、知っておきましょう。
bsアンテナを設置しても見られない!?障害物があるなら方向を調整
bsアンテナを付けても、全ての家で見ることができるわけではありません。
また、映っていたのに途中から映らなくなってしまうケースもありますし、方向を調整することが必要になる場合もあります。
その原因の多くは、障害物によってアンテナに電波が届かない状態になってしまっているからなのです。
障害物との間に距離があれば大丈夫ですが、そうでない場合は、アンテナを電波が届く位置にまで高くして設置しなければいけません。
目安としては、午後2時くらいから午後3時くらいの間に、アンテナ取り付け位置にしっかり太陽光が当たるようなら、映る望みはあります。
しかし、いつも影になっていたり、少ししか太陽光が当たらなかったりしたら、映らなくても無理はありません。
bs放送の電波は、少しの影響でも映らなくなることが多く、雪が降った後や大雨の時にも、電波が途切れ途切れになることがあり得ます。
一本の電柱や、隣の家の木なども障害物になってしまうのです。
まずは、角度の微調整や高さ調整、場所の変更などをしてみて、電波が入るか確認してみることです。
bsアンテナの方向や位置をチェック!障害物をクリアできるかも
bsアンテナは調整しだいでは映ることもある、と書きましたが、どうにかして映そうと四苦八苦して成功した方もいます。
例えば、ベランダの柱を利用して、その上部ギリギリに取り付けて固定してみたり、アンテナ面の方向を変更したりして、電波のキャッチに成功する場合もあります。
アンテナ面の向きというのは意外と重要で、少し角度を変えてみただけでも、電波をとらえられることがあるのです。
ですから、隣近所の障害物を気にする前に、本当に受信できないのか、いろいろと試してみましょう。
ケースバイケースではありますが、障害物が近い場合は、その障害物に対して垂直にアンテナを向けてもキャッチできるわけがありませんので、斜め上に向けてみるといいでしょう。
アパートやマンションのbs設置の場合も、近くに建物があったりして見るからに映らなそうだとしても、午後2時くらいの時点で太陽光が当たる位置にアンテナを設置できるのであれば、映る可能性はあります。
bs放送について、障害物の他にも気になること
bsアンテナを付けてbs・cs対応のアパートやマンションにする場合には、「障害物で映らないかもしれない」というお悩みの他にも、気になることがあると思います。
それは、bs・cs対応にすることが本当に物件の魅力度アップにつながるかどうか、ということです。
確かに、bs・cs放送は、スポーツの生中継やアニメ、地上波では放送しないドラマなど、多くのチャンネルがあります。
一度、見始めると、思ったよりもハマってしまい、いつもbsばかり見ているという人も多いと思います。
ただ、インターネットの普及により、テレビはあまり見ないという人も増えています。
そのような人にとっては、bs・cs放送の受信料を払わなければいけないのは、逆に損に感じることもあるでしょう。
見ていないとしても、見ることができる受信機器を持っている限り、支払いの対象としてみなされてしまいます。
ですから、bs・cs放送は無理に導入することもない設備だといえるかもしれません。
ちなみに、受信料は放送法によって支払い義務が定められていて、払わないと法律違反になります。
しかし、これに対してなんらかの罰則があるというわけではありません。
そのため、支払わない人が多いようです。
オーナーとしては、bs・cs対応にするという方向性にしたのなら、最初の契約段階で、それを分かるようにしておきます。
それで契約していただいたのなら、状況を理解しているということですので、後はNHKと入居者との間の問題になってきます。
障害物のせいで方向を変えても映らなくなった場合
bsアンテナを設置してbs・cs放送が最初は映っていても、近所に障害物になる建物が建ったせいで、映らなくなったという事例もあります。
完全に映らないわけではないにせよ、画質が悪くなったり途切れたり、縞模様が映るようになったりしてしまうこともあります。
方向を変えても、改善されないかもしれません。
もし、同じアパートの違う部屋や、隣近所でも同じようなトラブルが起きているのなら、新築した建物が原因の可能性が高くなります。
アパートの場合は、オーナーや管理会社に苦情が殺到するかもしれません。
このような場合には、新築した建物の建築主に損害賠償を求めることもできます。
また、その建物に共同のアンテナを設置するように要求することもできます。
しかし、現実的に考えると共同アンテナの設置は難しく、応じてもらおうと裁判を起こしている人もいます。
一方で、そこまではできずに諦めて、入居者に説明して理解していただく場合もあります。
もし徹底的に戦っていきたいのなら、まずは映らなくなった理由がその建物のせいだということを、しかるべき場所で、明確にしなければいけません。
社団法人日本CATV技術協会などに依頼して調査してもらうことができます。
ただし、戦ってもこちらの言い分を認めてくれるとは限りません。
特に、工業地域や都会などでは、もともと高い建物が建つことは予測されることなので、損害賠償の請求を承諾するほどの責任は無い、と判断されることがあります。
bsアンテナ以外の通信設備①
bsアンテナの電波の受信方向や、障害物ができた際の対処法などをお伝えしました。
ここでは、賃貸経営をする際に、その他のインターネット接続やWiFiなどの通信設備については、どのような認識を持つことがよいのかをご説明していきます。
「インターネット無料」というアピールポイントについては、アパートの魅力度を上げてくれることが期待されていました。
ですが、その分のオーナーとしての負担ももちろん上がります。
しかも、スマホの普及により、パソコンを使わなくてもインターネットが楽しめるようになっています。
通信事情はこれからも、少しずつ変化していくことでしょう。
「bs・cs放送対応」ということも、スマホでもテレビが見られることなどから、徐々に必要性が低くなるかもしれません。
そのアパートやマンションの入居者の年齢層や、周辺の環境などを考慮して考えるといいでしょう。
bsアンテナ以外の通信設備②
スマホが普及していく流れを考えると、通信設備の中で魅力度アップに大きく貢献してくれそうなのは、WiFi環境だと考えられます。
今のところ、WiFiによってスマホユーザーが得をする部分は大きくなります。
特に格安スマホに乗り換える人も多いですから、そうなると、自分でWiFiルーターを設置することも考える場合があります。
しかし、このあたりの料金についても各社競争が激しくめまぐるしく変化していき、付加価値については、数年先のことは分かりません。
そのため、必要最低限の設備のままでもいい、と考えるオーナーも多いようです。
また、ネット通販やお買い物アプリなどの利用が増えるにつれて、大きめな宅配物を受け取る機会が増えたことから、宅配ボックスを設置すると喜ばれることがあります。
郵便物だけしか届けることができないと、忙しい人にとっては面倒に感じることが多いものです。
もしスペースが無くても、省スペース用の宅配ボックスなどもあるので、検討する価値はあるでしょう。
bsアンテナの方向を微調整しても障害物で映らないような場合でも、その他、基本的な設備がしっかりとしていて、時代を読んだ経営ができれば、それほど気に病むことは無くなるかもしれません。
時代に合った設備の導入で一歩先を行こう
賃貸物件の設備の中では、通信設備の多くは「欠かせないもの」というわけではありません。
エアコンや都市ガス、追い炊き機能、温水便座などの方が、魅力度を大きく左右する設備であることは、言うまでもありません。
しかし、周辺にある賃貸物件が通信設備にこだわっているなら、アパートがある場所や入居者の状況によっては、差がついてしまうかもしれません。
難しいことですが、時代を先んじてライバルよりも一歩先を行く意識を持つことも、成功の秘訣だと言えるでしょう。