地上波放送に加え、bs放送も視聴できるとテレビの番組の幅が広がります。
しかし、bs視聴者の中には「いままで見られていたのに急に映らなくなった」とか「エラーが出ている」といったトラブルにあった方も少なくないでしょう。
突然おこるこのようなトラブルですが、アンテナやケーブル、テレビの設定など適切な対処法を知っておくと安心です。
映らないからと、慌てて修理に出してしまう前に自分でできる解決法を学びましょう。
bsが映らない!まずはアンテナレベルをたしかめる
bsのチャンネルが映らない原因はさまざまなものがあります。
突然映らなくなった時には慌ててしまいますが、中には自分で原因を特定できるケースも少なくありません。
たとえば、テレビの画面に「E202」「E203」といった文字が表示されることがあります。
これは、テレビやbsの受信環境にトラブルがあるときに出るエラーコードです。
このエラーコードが出た時にはまず、受信環境周辺に問題がないか調べてみると意外と簡単に解決することがあります。
受信環境のチェックのひとつにアンテナレベルの確認があります。
アンテナレベルとは、テレビ電波の強度を表すものでテレビの視聴には一般的に50dB以上の数値に設定してあれば問題なく番組を視聴することができます。
衛星放送の推奨レベルは50~81dBとされています。
テレビのメニュー画面から「本体設定」、「アンテナ設定」「電源・受信強度表示」の順で選択し、現在のアンテナレベルがどれくらいの数値に設定されているのかチェックしましょう。
数値が上記の推奨レベルよりも低い場合は受信されていないか受信するための機器の不調等が原因の可能性があります。
アンテナレベルが低くなる原因はアンテナとテレビをつなぐケーブルが外れていたり端子が緩んでいる、もしくは断線しているといったことが考えられます。
これらの機器を正常に接続・設置することでレベルが通常の値に戻ることもあります。
また、電波を妨害するような高層建築物の側や天候によっても左右される数値でもあります。
特に雷雲が通過したり大雨や雪といった悪天候の後には影響が出ることがありますので注意しておきましょう。
少しずれただけで映らない…微調整が必要なbsアンテナ
bsが映らないことに気づきアンテナレベルの低下を確認したら、アンテナの設置状況を調べましょう。
アンテナは屋外に設置することが多く天候の影響を受けやすい状態にあります。
また、ただ立ててあるのではなく、電波受信の良好な状態を保つために細かな微調整をしたうえで設置されています。
そのため、外からの物理的な振動や衝撃を受けると調整してある向きや角度が変わってしまい不具合を起こすことが多くなるのです。
方角や角度のほか、bsアンテナの具体的なチェック項目を挙げてみます。
●アンテナの向きを確認する
アンテナは赤道上の人工衛星に向けて設置します。
日本からの向きは「南西」の方角にあたります。
この向きが風や動物によってずれてしまうとテレビ視聴ができない原因になります。
●アンテナの近くに高い建物が立つなど遮蔽物(しゃへいぶつ)がないか確認する
アンテナの周辺に物が置いてあったり、家の近くに高層マンションなどの電波をさえぎる可能性のあるものが無いか調べます。
もし、これらの遮蔽物の移動や撤去が難しい場合にはアンテナの設置場所を変える必要があります。
●雪が積もっている、もしくは埋もれていないか確認する
冬の時期は地域によっては毎日のように大雪が降るところもあります。
大量に積もった雪が、電波の受信を邪魔していることがあります。
この場合は雪を取り除くことで解決するでしょう。
●配線が外れていないか確認する
天候や屋根を歩く動物などの影響で、アンテナから伸びているケーブルの配線が外れてしまったり破損していることがあります。
このようなケーブルの異常を見つけた時には、付け直しや付け替えの作業が必要です。
また、ケーブルがむき出しの状態で不安な時はカバーなどで保護しておくのも良いでしょう。
アンテナは遠目で見る印象よりもずっと大きく重いものです。
上記のような項目を確認して異常を見つけても、一人で作業することはおすすめできません。
二人以上で作業するか、難しい修理や微調整については専門業者にお任せしましょう。
アンテナを治すつもりが、壊してしまっては元も子もありません。
映らないのはテレビの設定や配線のせい?テレビ周りをチェックしよう
アンテナのチェックが済み、問題なく設置されていて、それでもbsが映らない場合、どのような原因が考えられるのでしょう。
ここで、テレビの前に戻り、最初の項目で確認した「電源・受信強度表示」のメニューから「電源連動」という項目を選択してみます。
この「電源連動」では「入」「切」が選択できます。
この設定が「切」になっているときはアンテナへの電力が送られていません。
どちらの設定になっているか確認して、「切」なら一度テレビの電源を落としコンセントを抜き差ししてテレビを再起動してから「入」へ切り替えます。
「入」になっている場合は「切」に切り替えてテレビを再起動し、「入」に設定し直します。
この作業で、視聴できない不具合が直ることもあります。
上記の設定のほか、テレビ周りの配線に問題がある場合も少なくありません。
単純なところだと繋がっているはずの端子が緩んでいたりテレビの背面に繋げるテレビ端子を差し違えていることもあるのでよく確認しましょう。
bsの視聴をするためにはさまざまなケーブルやコードを複雑に配線する必要があります。
正しく繋がっていなければ視聴できませんし、それらのケーブル類が破損したり断線していた場合は新しいものと交換する必要があります。
地道な作業ですが、ひとつひとつチェックしていくと不具合の原因が突き止められる可能性があります。
マンションでbsが見られるか確かめる方法
前項までは、戸建てでのbs視聴時のトラブルについてお伝えしてきましたが、マンションや一部のアパートなどの集合住宅では事情が少し異なります。
集合住宅の場合、bsアンテナは屋上に設置されていて、そのアンテナで受信した電波が各家庭に送られることで視聴ができるようになっています。
マンションやアパートに住んでいて、bsが見られるのかどうか確かめる方法はあるのでしょうか。
ひとつは管理人や不動産会社に聞いてみることです。
しかし、わざわざ連絡することに気が引けるという方もいるかもしれませんね。
実はもうひとつ、自宅のテレビを使った確認方法があります。
簡単な方法なので、自宅がbs視聴ができるかどうか気になる方は試してみましょう。
通常、地上波放送が見られる状態のテレビのアンテナケーブルは、テレビの裏にある地上デジタルの差込口に繋がっています。
このアンテナケーブルを同じく、テレビ裏のbs視聴用の差込口に繋いでbs放送が見られるか確認します。
まず、安全のためにテレビの電源を落とします。
地上波用の差込口に繋がったアンテナケーブルを、bs視聴用の差込口に差し替えて電源を入れます。
リモコンのbs放送のボタンを押して番組が見られるか確認してみてください。
画面に何も映らない場合はアンテナの設置がされていないということになります。
集合住宅でbsを見るためには特殊なケーブルが必要
アンテナケーブルを使ってbs放送が見られることが分かったら、常時視聴を可能にするために、新たにケーブルを手に入れましょう。
実は集合住宅の場合、屋上のアンテナで受信した地上波とbsの電波が混合したまま1本のケーブルで各家庭に配信されています。
そのため、bsと地上波の両方を楽しみたい場合には、混合した電波を分けるための分波器の付いたケーブルが必要なのです。
分波器の付いたケーブルを手に入れたら、入力側のケーブルをアンテナのソケットに差し、分波器を経て2本のケーブルが出ている出力側のケーブルをテレビ裏の地上波とbsそれぞれの差込口に差します。
分波器を間に挟むことでbsの高い周波数と地デジの低い周波数に電波を分けることができ、地上波とbsの両方の番組を楽しむことができます。
また、分波器と似たような形状の分配器というものが付いたケーブルを使っても同じように両方視聴することができます。
ただし、分配器は電波ではなくデータを分ける機械なので、受信電波が弱い場所ではうまく受信ができず番組が映らないこともあります。
しかし近頃は、そのような場所はめったにないので分波器と分配器のどちらを使っても同じ結果を得ることができます。
bs非対応のマンション・アパートにアンテナを設置する
比較的新しいマンションや一部のアパートでは、全戸でbs放送が視聴できる物件が多いのですが、古いタイプの集合住宅ではアンテナ設備が整っていないところもあります。
bs放送は地上波以上に番組の数も多く、ジャンルも多岐にわたります。
設備の無いマンションやアパートでも、できることなら地上波もbsも楽しみたいという方に向けて、bsアンテナの取り付け方法をご紹介しましょう。
まず、ベランダにアンテナを設置する場合からご説明します。
アンテナは遮蔽物のないところに設置するのが一番ですが、集合住宅の屋上や屋根の上などは入居者個人が使うことは許されません。
そういった時は、ベランダの手すりなどに専用金具を取り付けて設置します。
クランプ式の固定具を選べば、手すり部分を傷つけることなく大きな工事も必要ありません。
アンテナを設置したら、ベランダからテレビのある室内まで電波を通すための配線をしなければなりません。
方法としては以下の通りです。
・エアコンの配管用の穴を利用する
・サッシの隙間を通す
・壁にアンテナ用の穴を開ける
エアコンの配管穴やサッシの隙間を通す方法が一般的です。
壁に穴を開けるのは賃貸住宅の場合は避けるべきです。
配線がうまくいったらアンテナの向きと角度の微調整をしましょう。
地域によっても受信できる角度が違い、少しでもずれると映らないので注意が必要です。
つぎに室内用アンテナの設置方法について少し触れておきます。
ベランダの手すりに物を乗せたり取り付けたりすることを禁じているマンションもあるようです。
このようなマンションでは、アンテナはもちろん布団を干したりすることもできません。
そういった場合に、bsの視聴を可能にするのが室内用アンテナです。
近年のアンテナ精度の向上により、建物の中にアンテナの設置ができるようになりました。
室内用のアンテナを設置するには専用のスタンドなどを使い、窓の近くに置くだけというとても手軽なものです。
後付けのアンテナ設置は作業に慣れないこともあり苦労するかもしれません。
また、地上波用のアンテナと違い色々と微調整が必要なのも設置が難しい点のひとつです。
自分で取り付けるのに不安があるようでしたら、専門の業者に頼むのも良いでしょう。
また室外用、室内用とありますので自分の生活や住宅の規則に沿ったタイプのアンテナを選びましょう。
bsが映らないトラブルが起きても知識をもって対処しよう
bsが見られない、テレビの映りが悪いといったトラブルは、アンテナやケーブル、そのほか配線機器など原因が多岐にわたります。
何も分からないとただ慌てたり当惑するだけですが、少しでも知識があると簡単な原因のトラブルは自分で解決できるかもしれません。
ただし、専門知識がないと修繕できない場合もありますので、無理に突き止めるようなことはせず販売元やメーカー、修理業者に問い合わせて点検してもらいましょう。