高層マンションは、誰もが一度は憧れますよね。
マンションを選ぶ際には、高層か低層かで、値段も大きく変わってきます。
しかし、日本に住んでいるのであれば、気になるのが地震です。
高層階は、揺れが大きいと言います。
高層マンションでの、地震の揺れや対策についてまとめました。
高層マンションは地震のときも安全なの?
価格が下がりにくい都市部のマンションは、自宅としても投資用としても、人気があります。
購入を考えるときには、マンションの階数も重要になってきますよね。
一般的に、高層マンションの上階になるほど、値段が高くなります。
値段が高くとも、その眺望の素晴らしさから、高層マンションは人気を集めています。
ところで、高層マンションと言えば、値段も気になるところですが、『地震対策』も気になるのではないでしょうか。
高層マンションでの地震の揺れがどれくらいになるのか、想像がつきにくいでしょう。
購入するのであれば、地震に強いマンションを選びたいものです。
日本は、特に地震が多い国です。
地震対策は、外せないポイントです。
高層マンションですと、すぐに逃げ出すこともできません。
それでは、高層マンションで地震が起きたときに危険なのは、何階のあたりなのでしょうか。
高層階が危険で、低層階が安全なのでしょうか。
調査しましたので、ご紹介していきます。
高層マンションは大きく揺れる!
高層マンションの高層階は、眺望が素晴らしく、設備も充実している部屋が多いので、とても人気があります。
しかし一般的に言われている通り、地震の際は上層階になればなるほど、揺れが大きくなります。
規模の大きい地震が発生しますと、『長周期地震動』という、周期の長い大きな揺れが生じます。
この長周期地震動は高層マンションと共振しやすく、そのため、高層マンションは長時間、大きく揺れることになります。
高層になればなるほど、大きく揺れます。
東日本大震災の際、東京の高層ビルは10分以上大きく揺れたそうです。
しかも、その揺れ幅は、1m近くあったということです。
高層階は地上200m以上ですから、1mも横に揺れたとなると、生きた心地がしませんよね。
それは、船が大きく揺れるような揺れ方だったそうです。
高所恐怖症の人や、神経質な人は向いていないかもしれません。
また、大きく揺れるため、家具も大きく揺れて、倒れてしまうことがあるようです。
震度は大したことがなくても、長周期地震動が生じてしまうと、高層階は大きく揺れます。
家具の倒壊により、食器やガラス類が散乱してしまうこともあるようです。
家具は低めにし、固定することを心掛けるようにしましょう。
そして、地震などの災害が起きた際、高層階で困ることが、もうひとつあります。
それは、エレベーターが止まってしまうことです。
高層階ですと、エレベーターが止まってしまうと、自宅に戻るのも大変です。
もちろん、避難も難しいです。
高層マンションで、地震が起きた際には、このようなことが起きるということを知っておきましょう。
地震対策がきちんとされている高層マンション
それでは、高層マンションは危険なのかと言いますと、そうではありません。
現在の高層マンションは、過去に起きた地震の教訓を生かし、耐震基準が厳しくなっています。
震度6強の揺れでも、倒壊することはないでしょう。
高層マンションは大きく揺れるのですが、建物自体の安全性は高いと言えます。
家具などの対策をしっかりしておけば、高層マンションは地震があっても、安心して住めるはずです。
特に、最近建てられている免震構造になっているマンションですと、さらに安心でしょう。
免震構造とは、建物の基礎部分に、ゴムやすべり材などを使っており、それが地盤からの振動を吸収してくれる構造のことです。
この免震構造は、高層マンションでの地震の揺れの影響を弱め、上層階の揺れ幅も抑えてくれます。
マンションを選ぶ際は、耐震や免震についても確認することを、おすすめします。
揺れが少なくても1階は危険?
高層マンションの高層階について、お話してきました。
それでは、低層階や低層マンションは安全性が高いのでしょうか。
地震が起きた際に、マンションなどで危険性が高い階は、1階と言われています。
1階は、高層階ほど揺れないのですが、過去に起きた地震では、マンションの1階部分が潰れてしまったということが起きています。
1階はマンションの土台でもありますので、崩壊するときは1階に被害が集中します。
直下型地震では、上の階の重みを、すべて1階部分が受けますので、危険度は高くなります。
1階部分が駐車場になっているマンションであれば、2階であっても、危険度は1階と同じになります。
また、1階部分が駐車場になっている場合、火災の危険も考えなければなりません。
地震の揺れなどによって、駐車してある車のガソリンに引火してしまうと、そこから火災が発生します。
そうなると、被害を受けやすいのは、すぐ上の階です。
低層マンションの場合、高層マンションほど、耐震・免震構造になっていないこともあります。
ただ、高層でないため、耐震でなくても、建物そのものが地震の揺れに耐えられるようになっています。
ですから、そこまで心配する必要はないでしょう。
高層マンションでも、低層マンションでも、耐震基準を満たしている建物でしたら、倒壊の心配はほとんどないと言えるでしょう。
地震が起きたときのために備えておこう
高層マンション自体は耐震・免震でも、対策を忘れてはいけません。
先ほどもお伝えしましたが、高層マンションで地震が起きた際には、揺れによるエレベーターの停止など、いくつか難点があります。
そういったことに対応できるように、日頃から備えておきましょう。
1)避難ルート
避難ルートを、家族全員で確認しておきましょう。
非常階段を実際に使って降りてみます。
地上に降りた後、どこへ出て、どのように避難するのかまで、しっかり確認します。
2)非常食
最低でも、3日分は用意しましょう。
3)簡易トイレ
水道が止まることも考えられます。
4)懐中電灯など
スマートフォン以外の電灯を用意しておきましょう。
5)飲料水
6)非常用バッグ
置いてある場所を家族全員で確認します。
これらは、最低限のものになります。
持ち運ぶ量に余裕があれば、さらに鍋・コンロ・トランシーバー・コードリールなども準備しておきましょう。
日頃から、定期的に中身をチェックして、入れ替えることを習慣にしておくことが大切です。
地震が起きれば必ず揺れる!
高層マンションは、誰もが憧れる住まいです。
眺望・日当たりの良さ・プライバシー・住みやすさなど、ほかの場所では得られないものが得られます。
しかし、地震が起きた際には、どのようにするかも、きちんと考えておきましょう。
高層階は、耐震・免震であっても揺れます。
しかも、大きく揺れるのです。
例えば、船酔いしやすい人であれば、強風が吹くだけでも、酔ってしまうということもあるそうです。
高層階に住んだことがない人にとっては、慣れるまで大変かもしれませんし、地震の際には大きな恐怖になるでしょう。
また、安全に絶対はありません。
地震の際には、『上層階が安全』『低層階が安全』とは言い切れません。
マンションを選ぶときには、一度立ち止まって、どのような生活がしたいのか考えてみましょう。
高層マンションの良さ、低層マンションの良さ、一戸建ての良さが、それぞれあります。
それぞれのメリットやデメリットを把握し、後悔のないようにしましょう。
防災に対する意識を持つ
日本に住んでいる限り、地震は必ず起きます。
それは、どこに住んでいても同じです。
地震から身を守るために、日頃から対策をしておくことが大切ですね。
マンションの階数や強度だけでなく、自分自身で身を守るために、防災に対して意識をしておくことを忘れないようにしましょう。