家の電気がつかない!考えられる原因と大家ができる対応

人が生活するうえで欠かせないのは、電気やガス、水道などのライフラインですよね。

今回は、「家の電気がつかない」といった入居者様の相談があった場合、どのように対応すれば良いのか。

また、電気がつかない原因は何なのかを、お話します。

大家としての力量が、試されますよ。

入居時に電気がつかない理由

ご自身が経営するアパートやマンションに、新しく入居者が入る場合は、電気・ガス・水道の開通手続きを、入居前にしてもらわなければなりません。

入居前に手続きを行っていただかないと、引っ越ししてから「家の電気がつかない」といったトラブルが起きてしまうからです。

契約をしている電気会社や、ガス会社の電話番号が記載されている情報を、入居者が契約したときに渡します。

そして、契約者本人が電気などの開通を行うよう、知らせましょう。

電気の開通を行っているにも関わらず、入居時に電気がつかない理由として考えられるのは、ブレーカーです。
ブレーカーの操作方法を見ていきましょう。

①左側にあるアンペアブレーカーのスイッチをオンにします。

②向かって中央にある、漏電遮断器のスイッチをオンにします。

③右側にある配線用遮断器のスイッチをオンにします。

以上の順番で操作してみましょう。

ブレーカーを操作しても電気がつかない場合は、何らかのトラブルが発生している可能性があります。

電気会社に連絡をして、確認しましょう。

突然家の電気がつかない場合

入居して月日が経っているのに、入居者から「突然、家の電気がつかなくなった」との相談を受けた場合はどうでしょうか。

突然、1部屋だけ電気がつかなくなる原因として考えられるのは、入居者による電気の使い過ぎです。

電気のついていない部屋で使用している電気製品のスイッチを消してもらい、ブレーカーを確認してもらいます。

スイッチが下りて、オフになっているところがあれば、スイッチを上げて、オンにしてみるように伝えましょう。

ブレーカーは、メインブレーカーと回路ブレーカーがあります。

停電などで突然、全ての電気がつかない場合は、メインブレーカーを。
一部の部屋の電気がつかない場合は、回路ブレーカーを確認してみるように、入居者の方に伝えてください。

それでも電気がつかない場合は、電気会社、または電気工事店に相談してみましょう。

電気関係は、ときに危険を伴うこともあります。
必要経費と割り切り、しっかりとプロに確認してもらいましょう。

家の電球・蛍光灯がつかないケース

電球や蛍光灯の使用期間は、永遠ではありません。
消耗は進んでいきます。

他の電気はついているのに、電球がつかないといった連絡が入居者から来た場合はどうでしょうか。

電球や蛍光灯の仕組みに詳しい方なら、電球の交換や蛍光灯の交換を行うことでしょう。

しかし、はじめて一人暮らしをした方や女性など、全ての方が詳しいわけではありません。

ブレーカー操作をしても、電気がつかないと相談を受けたら、こういったケースも考えられます。

今後もこういったことがあった際に、入居者の方に対処してもらうよう、大家であるあなたが電球や蛍光灯の交換方法を伝えましょう。

①電気のスイッチを切ってから、電球や蛍光灯を取るように伝えます。

②電球が、球切れか確認をしてもらいます

つかない電球を、他のついている所につけて、電気がつくのか見てもらいます。

このとき、必ず主電源であるスイッチが、切れている状態で行うように伝えてください。
スイッチが入ったままで行うことは、とても危険です。

③スイッチを入れて電気がつかない場合は、電球自体の球切れです。

新しい電球を購入してもらい、交換をしてもらいましょう。

もし、スイッチを入れて電気がついた場合は、電球の球切れではありません。

電球の横に、グローランプがついているタイプなら、グローランプが切れている可能性もあります。

別の場所でグローランプがついていたら、②の確認をグローランプで確認してもらいましょう。

グローランプが原因の場合は、電球同様に交換をしてもらいます。

室外の電気がつかないときは大家が交換する

各部屋には照明器具、キッチンの照明、トイレの照明など、たくさんの照明があります。

これらの室内電球や蛍光灯は消耗品扱いになるため、球切れが原因で電気がつかない場合は、入居者に交換していただきます。

室外でも、玄関の照明など、室内にスイッチがある場合も同様です。

しかし、室外にスイッチがあり「室外の電気が消えている・つかない」などの連絡がきた場合は、大家や管理会社が交換します。

電気は、大切なライフラインです。
室外の電気かついていないと、入居者はどんな気持ちになるでしょうか。

昼間は良いですが、辺りが暗くなってきた頃に帰宅して、アパートやマンション外が暗かったら不安ですよね。

また、防犯の面で見ても、電気のついていない状況は良いとは言えません。

大家や管理会社が、定期的に室外の電球や蛍光灯が切れていないかどうかを確認することも、大切なことです。

漏れているから電気がつかない?漏電の原因

今までお話したことは、もしかしたら想定内のことだったかもしれません。

ここでは命の危険にも繋がる、漏電についてお話します。
漢字を見て分かる通り、電気が漏れている状態を漏電と言います。

原因としては、電線が何らかの理由で傷ついたり、老朽化によるものがほとんどです。

漏電は、電力が失われて電気がつかないだけでなく、火災や感電といった事故原因にもなります。
最悪の場合、命にも関わってくるのです。

入居者から、「電気代が急に高くなった」「建物の金属部分を触ったらビリビリした」などの相談を受けたら、漏電を疑いましょう。

漏電が起こる経路は様々ですが、入居者目線で見ると、以下のことが考えられます。

●電気回路の接続箇所

家電製品などのコンセントの緩みを放置しながら使用していると、接触抵抗が大きくなり、最終的に発火の危険があります。

●電線が細い

コンセントが常に挿しっぱなしで、プラグの根元にホコリが溜まっていると、電気を通しやすくなり、電流が流れると発熱してしまいます。

●電気機器・アース

電気機器自体が漏電していることもあります。

安全装置であるアース線がついているかも、重要です。

次は、大家や管理会社目線で、漏電原因を見てみましょう。

大家が気にかけるべき漏電の原因とは

入居者や家電製品だけが、漏電の原因ではありません。
漏電を事前に防ぎ、入居者や家を守りましょう。

●雨漏りによって漏電

雨漏りが起きている所だけを見て修理しがちですが、雨漏り箇所をきちんと直さないでいると、突然の豪雨により、室内が水浸しになってしまうこともあります。

コードやブレーカーが濡れれば、漏電を引き起こす可能性が出てきますから、雨漏りを修理する際には、信用のできる業者に依頼しましょう。

●漏電ブレーカーの故障

特に古い漏電ブレーカーは、何もないときに電源が落ちることがあります。

漏電ブレーカーが落ちやすいということは、配線や電気機器そのものが漏電しているのかもしれません。
このケースは、漏電ブレーカーを交換しましょう。

漏電しているところを調べる方法は、漏電ブレーカーが落ちたら、分電盤のアンペアブレーカーが「入」になっていることを確認します。

そして、安全ブレーカーを全て切りましょう。

次に、漏電ブレーカーを「入」にして、安全ブレーカーをひとつずつ「入」にしていきます。

問題が起きている回路を「入」にすると、漏電遮断器が切れるので、漏電箇所が分かります。

漏電している場所が分かったら、そこにある電化製品のコードを確認します。

破損もなく、ひと通り確認しても異常がない場合は、配線がショートしている可能性が考えられます。
この場合、専門の方でないと修理はできません。

こういった漏電が発覚し、ご自身で何とかしようとすると非常に危険です。

電球の消耗などで電気がつかないのとは、比べようのない事態なのです。

電気工事店や電気管理技術者など、専門の方に点検してもらうのが、一番安全で確実です。

家からのサインを見逃さない

どのような理由や原因であれ、電気が使えない状態は、とても不便なことです。

入居者の生活が豊かになるためにも、こういったライフラインの点検を怠らないようにしましょう。

気にかけるだけでも、未然に防げることはあります。

また、何らかの出来事が続くようなら、家の修理や点検の合図かもしれません。

そういったサインにも、いち早く気付けると良いですね。