食べものを扱う台所は、毎日のように使う場所です。
ここから臭いにおいがしていたら、住んでいる人は困ってしまいますよね。
においが漂っているなんて、もってのほかです。
今回は、こうした台所のにおいトラブルについて、お話します。
台所などの水周りは原則大家さんが引き受ける?
入居者から「台所のシンク下が臭い」といった相談を受けたら、大家さんが対応しなければならないのでしょうか。
大家さんからすれば、こういったトラブルなく経営をしていけたら良いですが、住んでいる人が居る限り、避けられません。
まして、築年数の経過した建物なら、なおさらです。
入居者が快適な生活を送れるように管理することも、大家さんとしての大切な役割りなのです。
人々の暮らしを豊かにできる鍵を握っている、重要な任務ですね。
入居者とのやりとりや、こういったトラブルに対応する管理義務を見てみましょう。
【入居者に対する管理義務】
・家賃滞納の催促
・契約違反への対応
・入居者同士のトラブル対応
・退去時の敷金など、金銭管理
もうひとつ、建物に関する管理義務もあります。
【建物に対する管理義務】
・建物の消耗品の交換
・共用部分の清掃、老朽化した物品の交換
・不法投棄された粗大ゴミなどの回収
・水回りのトラブルなどの対応
・退去後の清掃作業
建物の管理義務にあるように、「台所のシンク下が臭い」といった水回りのトラブルは、原則、大家さんが引き受けましょう。
台所のシンク下が下水臭い場合
台所のシンク下が臭い原因は何なのかを、まず調べてみましょう。
考えられる原因は、いくつかあります。
下水臭い場合は、排水管に何らかの異常があることが多いです。
台所のシンク下を見てみると、排水管が通っています。
この排水管と、水が下に流れる排水溝との間に、防臭キャップが付いているかどうか、確認してみましょう。
この防臭キャップが付いていなかったりサイズが合っていないと、排水管と排水溝の間から、下水のにおいが逆流し、においの原因になってしまいます。
また、においだけでなく、ゴキブリなどの害虫も進入しやすくなります。
長年交換していない場合でも、劣化している可能性もありますので、確認してみましょう。
そして、排水管と台所の排水口の間のゴムパッキンも、同時に確認しましょう。
このパッキンがなかったり、劣化していると、においの原因や、水漏れを引き起こしてしまいます。
長年入居者が住んでいる部屋だと、なかなかこういった場所を確認する機会がありません。
トラブルがあったときこそ、相談されたことの他にも、劣化がないか確認し、必要であれば交換をしたり修理をしましょう。
シンク下を見て配管の隙間があるときの対処
台所が臭いとき、排水管の根元に隙間があることが多いです。
この場合は、排水溝補修テープ・防臭ゴム・パテなどを使って、隙間を埋めてみましょう。
【防臭ゴム】
本来なら、排水管の隙間を埋めるために、このゴムは付いています。
ゴムなので、穴にピッタリと蓋をすることで、においを防いでくれているのです。
何らかの原因で防臭ゴムなかったり、亀裂や劣化がある場合は、新しいものに交換しましょう。
台所のシンク下の臭いにおいを、簡単に解消できるかもしれません。
防臭ゴムは、配水管の口径を測ってから買いましょう。
では、作業の手順を、ご説明いたします。
①排水管の根元に排水プレートが付いていたら、取り外します。
②防臭ゴムを排水管の根元に取り付けて、排水プレートを再度取り付ければ完成です。
【パテ】
ほかの方法として、パテで埋めていく方法があります。
形を変えられるので、しっかりと蓋ができますよ。
①雑巾などを使って、排水管周りと隙間にある汚れを落とします。
汚れを落としたら、乾拭きをしましょう。
②排水管の中に、パテを落とさないように注意しながら、隙間をパテで埋めていきます。
③パテを押さえつけながら塞ぎ、表面を手でならしていけば完成です。
排水管の汚れや詰まりでシンク下が臭い?
配管の隙間の他には、排水管の汚れや、詰まりがある可能性が考えられます。
排水管には食べカスや、食器を洗う際に流れる油などが流れてしまいがちです。
これらはヌメリとなり、「台所のシンク下が臭い」といった、においの原因になってしまいます。
大家さんでもできる、簡単な排水管の詰まりや、洗浄方法をご紹介します。
【排水管の詰まり】
100円ショップなどでも販売されている、ラバーカップを使って空気を送れば、詰まりを解消できます。
市販のパイプクリーナーで解消する場合は、粉状のものだと溶け残りやすいので、ジェルなどの液状のタイプがおすすめです。
【排水管の洗浄方法】
①排水溝を取り外し、排水管を直接洗える状態にします。
②排水口にタオルなどで蓋をして、栓をしましょう。
③40~50度のお湯をシンクに溜めます。
高温すぎると、排水管を傷めてしまいますので、50度以上にはしないでくださいね。
④お湯が溜まったら栓を抜いて、一気にお湯を流し込みましょう。
洗浄もできるうえ、詰まりの解消もできますよ。
配管の隙間、汚れや詰まりがない場合は、配管不良が考えられます。
配管の故障や、そもそも施工不良かもしれません。
こうなっては、ご自身の力だけでは改善できません。
業者に見てもらい、判断してもらいましょう。
台所のシンク下がカビ臭い
シンク下の扉を開けて、カビ臭い場合は、カビがどこかで繁殖している可能性があります。
水やお湯が排水管を通ると結露し、台所のシンク下は湿気があります。
湿気があるにも関わらず、シンク下は密室です。
ここに調理器具など収納するわけですから、カビの生えやすい環境と言えるでしょう。
カビが生えると、カビ臭いのはもちろん、雑菌臭もします。
入居者の許可を取り、中に入っているものを全て外に出し、カビが生えていないか確認してみましょう。
カビが生えている場所を見つけたら、退治していきましょう。
【カビ・雑菌の対処法】
①入居者に許可を得てから窓を開けて、換気をしながら行いましょう。
②塩素系漂白剤を使用しますので、必ずゴム手袋をつけて作業をします。
③シンク下にあるものを全て外に出し、雑巾に食器用塩素系漂白剤をつけて、台所のシンク下全体を拭いていきます。
④次に、しっかりと水拭きをして、乾かせば作業終了です。
台所のシンク下など水周りを点検しよう
ここまでお話をしてきました通り、台所のシンク下が臭いときは、ご自身で対処をすることも可能です。
入居者が退去した際にも、こうした水周りの点検をしましょう。
事前に確認し対処しておけば、新たな入居者とのトラブルも起こりにくくなります。
また、空室が続いているような部屋も、カビや雑菌が生えないように、管理することも大切です。
最後に、カビや雑菌の生えにくくするポイントを、ご紹介します。
●扉を開けておく
通気性が悪いと湿気がこもり、カビや雑菌が生えやすくなります。
天気の良い日など、ときおり、シンク下の扉を開けて、空気を通しましょう。
●除湿剤を置く
こまめに扉を開けに行けない場合は、除湿剤がおすすめです。
台所のシンク下に設置しておくだけで、湿度を吸収してくれます。
備長炭や活性炭を配合した除湿剤なら、脱臭効果もあり、一石二鳥です。
●重曹を置く
除湿効果はありませんが、消臭効果が重曹にはあります。
瓶などに200gほど重曹を入れて、蓋を開けた状態で1ヶ月ほど効果があります。
次の入居者のためにも、こういった気遣いが大切なのではないでしょうか。
すぐに対応しよう
水周りのトラブルは、できる限り早急に対応しましょう。
時間がないからといって、後回しにしてしまうのは、入居者との信頼関係が崩れてしまいます。
誰でも、台所が臭かったら嫌ですよね。
何事にも、入居者の気持ちになって、対応していきましょう。