アパートに住む契約をすると、入居者に毎月、住居費用として、家賃・管理費・共益費などを支払ってもらいますよね。
なぜ、このように、さまざまな項目が分かれているのでしょうか。
また、アパートの掃除は、管理費に含まれるのかどうかも、気になりますよね。
大家さんが掃除を行うことのメリットについても、お話していきます。
アパートの家賃設定
借主がアパートなどの賃貸物件を借りるときは、毎月決まった金額を支払う契約をします。
その費用として、まず「家賃」があります。
これは、部屋の使用費用で、おそらく大家さんは、地域の家賃相場を元に決めていくことになるでしょう。
一般的には、毎月の家賃が安い物件に人気が集まります。
住居を決める判断材料として、家賃価格を見る人が多いですし、できるだけ費用を抑えたいのが人間の心理ですよね。
設定する家賃費用は、ほかの物件との競争力を、大きく左右する要素です。
しかし、家賃を安くすれば良いのかというと、全てがそうではありません。
大家さんが設定した家賃価格は、入居者の属性に影響してくることも多いからです。
家賃を高く設定している物件の住人は、経済力があることから、家賃未納などの支払いトラブルが起こりにくい傾向があります。
また、一人暮らしの女性や小さい子供のいる家庭では、セキュリティ面にコストを惜しまない人もいます。
毎月の家賃が安いことを売りにする方法もありますが、多少家賃が高くても、アパートのセキュリティを売りにすることも、有効な方法と言えるでしょう。
次では、管理費についてお話します。
管理費は、アパート内を掃除する費用は含まれるのでしょうか。
アパートの管理費はどう使う?
入居者が毎月支払う費用の項目に、管理費というものがあります。
管理費とは、その名を見てお分かりいただけるように、アパートの管理するために使われる費用のことです。
例えば、大家さんがアパートの管理を不動産業者に依頼をすれば、毎月約5~6%の手数料が掛かります。
この手数料を管理費として、入居者に負担してもらうシステムなのです。
管理費の内容は、電灯やインターホンの修繕費。
掃除業者への委託費用など、いろいろな場面で使っていきます。
管理費とは、部屋の設備維持のために使用する費用というわけです。
また、アパートでは当てはまる物件は少ないですが、管理人を雇っている物件の場合も、人件費として管理費に充てることもできます。
こうしたことから、管理費をどのくらいに設定し、どう使うかに決まりはありません。
大家さん次第というわけです。
アパートの共益費ってなに?管理費と違うの?
管理費と同じ項目として、共益費があります。
外観の修理や、外壁や屋根の修繕費、アパート全体の設備などに使用される費用です。
アパートの共用スペースの維持のために、使用する費用というわけです。
管理費と共益費の明確な違いはなく、2つとも物件の維持管理に使っていく費用になります。
あくまでも、便宜上で呼び方を変えているだけです。
そのため、管理費と共益費の両方を徴収しないようにしましょう。
「入居者に毎月支払ってもらう費用」とするならば、家賃や管理費、共益費を分けずに、全て家賃で徴収すれば良いのではないかと思いますよね。
ですが、この管理費や共益費の項目があるだけで、入居者には嬉しいメリットが発生します。
例えば、「家賃5万円・管理費0円」のAアパート、「家賃4万5千円・管理費5千円」のBアパートがあるとします。
どちらも、毎月支払う金額は5万円ですが、入居時に支払う敷金や礼金、仲介手数料は一般的に「家賃〇ヶ月分」として計算されます。
前家賃1ヶ月+敷金1ヶ月+礼金1ヶ月+仲介手数料1ヶ月での請求の場合、Aアパートは20万円。
Bアパートの場合は18万円と、管理費0円のAアパートに比べて、2万円も差額が生まれます。
入居者にとって2万円は、大きい金額です。
こうしたメリットを売りにするべく、管理費を設けている大家さんもいます。
また、家賃自体の金額が安く見える効果も期待できます。
管理費や共益費を入居者に支払ってもらっている場合、アパートの管理維持する義務が生じます。
ということは、アパートの掃除は大家さん、または依頼している不動産業者が請け負うということになります。
管理費を不動産会社に支払っていても大家さんで掃除してみよう
大家さんがアパートの管理を不動産業者に依頼していても、入居者から管理費を請求していれば毎月の手数料も掛からず、アパート内の掃除もお願いできます。
依頼することで管理する手間も掛からないことから、管理会社に任せたままの大家さんもいらっしゃることでしょう。
しかし、時には、大家さん自らアパートの掃除をすることも、大切なことです。
なぜなら、アパートと向き合う時間が作れるからです。
車をお持ちの方ならピンとくるかもしれませんが、自ら洗車をすることによって、細かい傷や汚れを同時に観察することができますよね。
他人に洗車を依頼した場合は、おそらく、そこまで細かくは観察しないでしょう。
アパート管理も、同じことが言えるのではないでしょうか。
プロの清掃会社とは違った目線で、大家さんならではの気付きが、たくさんあるはずです。
また、きちんと管理されていると思っていても、入居者は不満に思っていることもあり得ます。
こうした入居者の声を、直に聴くチャンスでもあります。
ときおり、掃除がてら、アパートの状態を確認してみては、いかがでしょうか。
大家さんがアパートの掃除を長続きさせるコツ
では、掃除をしていきましょう。
大切なことは、アパートの住人の気持ちになって行うことです。
これこそ、大家さんにしかできないことではないでしょうか。
管理費を不動産業者に依頼しないで、ご自身で掃除をしたいという大家さんも必見です。
掃除というと、少々面倒な作業にも思えます。
はじめだけ掃除して、後々やらなくなってしまうようでは、住人の信頼も下がってしまいますよね。
そこで、長続きできて、効率良くできる掃除のコツをご紹介します。
最初のコツは、長続きのコツです。
それは、時間を決めて掃除をすることです。
清掃会社に依頼している場合は、大掃除になることはありませんから、1~2週間を目安に掃除をしましょう。
掃除をし始めると、2~3時間ほどあっという間に掛かってしまいます。
これが負担になり、長続きしない原因になってしまいます。
おすすめは、タイマーを使って掃除する方法です。
ピピッとタイマーが鳴ったら、きりの良いところで手を止めます。
1ヶ月に1回まとめて2時間掃除をするよりも、1週間に1回こまめに30分掃除をするほうが、1回の負担も少なくなるはずです。
次は、効率良くできるコツです。
それは、掃除をする場所の計画を立てることです。
すべての場所を30分で終わらせることは、困難です。
1週間目は廊下の掃除、2週間目は駐車場など、週替わりで掃除をする場所を決めておくと、効率良く作業が行えます。
アパートに隣接する場所はだれが掃除するの?
家賃や管理費、共益費を入居者に支払っていただきながら、アパート内の管理や維持をしていきます。
アパート内のことならば、所有者である大家さんや管理会社が行います。
しかし、アパートに隣接している道路が汚かったり、修繕が必要な場合は、だれが行うのでしょうか。
道路は、国道・県道・市道・私道があります。
端的に言えば、これらの道路でも、所有者が管理していかなければなりません。
国道や県道、市道は管理者である地方自治体などが、掃除や修繕をすることになります。
こういったアパートに隣接する道路などが汚れていたときは、市役所などに連絡をして、相談してみましょう。
私道も、所有者に管理責任が問われます。
ただ、数世帯の共同で所有していることが多いです。
各家の前を掃除してもらうなどのルールを決めたり、定期的に清掃活動を行うといった方法で、解決していきましょう。
もし、アパートの前の道路が私道で、所有者が大家さんであれば、大家さんまたは不動産会社が掃除を行います。
大切な費用
家賃を下げて入居者を集める方法が悪いわけではありませんが、管理の行き届いている物件に住みたいと考える方は多いです。
こうしたアパートの管理をしていくには、管理費用が必要になってきます。
管理に必要な費用を、住人からどんな形で支払ってもらうのか、決める必要があります。
住人に支払ってもらう、大切な費用です。
アパート維持のため、有効に使っていきましょう。